御朱印

坂東三十三観音巡り(1)

お出かけ 坂東三十三観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

以前から興味があった、坂東三十三観音を回ることにした。一つくらいメジャーな霊場を回っておきたいという見栄のような要素も大きいのだが、関東全域にお札所が広がるこの霊場、私にとって「未開の地」を訪れることができるのも魅力である。

本来ならば鎌倉にある札所1番・杉本観音からお参りするのが筋なのだろうが、足の怪我が完全に治っているわけではなく、また住まいの近くに札所があるのが分かっていて後回しにするのも、何だか他人行儀。公式ホムペにも「回り方は自由」とあるし、ご近所の札所11番・吉見観音からお参りしていく。

 

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札所11番 岩殿山 安楽寺(吉見観音)

聖観世音菩薩を札所本尊とする、坂東札所11番・吉見観音にお参りするのは何回目だろうか。真言宗智山派の古刹であるこの寺は、「東国花の寺」「彩の国十二支霊場」などのお札所にもなっていて、お参りする人が絶えない。朝9時過ぎにお参りしたのだが、境内は結構な人出。「和顔愛語」のお手本のような、優しいご住職の人柄もあるのだろう。毎年6月18日の未明に行われる厄除け観音の大祭が有名なお寺なのだが、私はまだ行ったことがない。

境内では自転車で坂東巡礼をしているというお年寄りと出会う。道中ご無事でありますように。
(2009年7月12日巡礼=埼玉県比企郡吉見町御所374)

 

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札所10番 巌殿山 正法寺(岩殿観音)

東松山市の外れにある札所10番・岩殿観音は、吉見観音から車で30分足らず。大東文化大や県立子ども自然動物園の近くにあるお札所だ。広い通りに面した駐車場から「裏参道」が通っているのだが、公式ガイドブックの薦めに従い、表参道からお参りする。車だと参道の入り口が分かりにくいのが難点だ…。

こちらも真言宗智山派のお寺で、本尊は千手観世音菩薩。香炉の前に鐘があったので、一つ撞いてからお参りする。こちらも参拝者が多い。おまけにこの日は団体参拝があるようで、お寺の方は準備に懸命のご様子だった。
(2009年7月12日巡礼=埼玉県東松山市岩殿1229)

 

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札所9番 都幾山 慈光寺

途中で昼飯(別稿)を食べてから、今日の打ち納めとなる札所9番の慈光寺へ。カーブのきつい狭い山道をウネウネと登るが、交通量が多く気を使う運転になる。

慈光寺は天台宗のお寺で、札所本尊は十一面千手千眼観世音菩薩。札所本尊を祀る観音堂は本堂との高低差が結構あって、息を切らしながら石畳の道を登る。道の険しさは、その昔には天台宗の修行道場だったことの名残なのだろうか。宝物殿を拝観しながら、午後の納経受付が始まるのを待つ。

このお寺、坂東札所の「隠れた難所」として巡礼者の間では有名らしい。現在は山門のすぐ脇まで車道が通じているし麓からのバス便もあるので、道が険しいという意味の難所ではない。江戸観音にも一つ同じようなお札所があるのだが、ここの老僧はお説教好きで知られていて、何かあるとお納経の時にお説教が始まるので、「隠れた難所」として親しまれている?らしい。

お納経の時に住所や氏名、年齢を記帳するのがこの札所の決まりなのだが、「42」とか書くと、確率250%で「あなたは天才か?」などのお説教が始まる。よく見ると、納経所の机には「才は天才、才媛…年齢は歳を使え」と注意書きが張ってある。私はネットで事前に情報を入手していたので、もちろん「歳」と書いたことはいうまでもない。私の前に納経していた人はほぼ全員がお説教を受けていたが、何故か私はフリーパス。「輪袈裟に白衣、菅笠」の巡礼姿でお勤めを老僧の前でしたせいなのか、それとも単に風体が怪しすぎるせいなのか、真相は仏さまと老僧のみが知るところであるw
(2009年7月12日巡礼=埼玉県比企郡ときがわ町西平386

豊島八十八カ所巡り(8)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

昨日の土曜日(27日)は、梅雨の晴れ間で絶好のお参り日和。暑くなりそうだったが、豊島八十八カ所巡りの続きに出掛ける。今回は板橋区内のお札所を回るが、暑さ対策も兼ねて例の菅笠を被っての巡礼だ。

 

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札所77番 青蓮寺

東武東上線の成増駅でバスに乗り換え、札所77番の青蓮寺に向かう。ネットで検索したバスと停留所に待機していたバスの系統番号が違っていて、ちょっと焦るw

青蓮寺は真言宗智山派のお寺で、本尊は薬師如来。御府内八十八カ所(19番)や荒川辺八十八カ所(86番)の札所も兼ねている。こじんまりとした境内だが、訪れる人が絶えず結構賑やかなお寺だ。納経の対応をして下さった奥様と世間話をしている間にも、結構な数の来客がある。間もなく「東京盆」の季節を迎えるせいもあるのだろうが、地元と密着したお寺であることは間違いない。

奥様の話だと「最近は豊島の巡礼の人が増えて、嬉しい限り」とか。まさかこのブログのせいではないだろうが、巡礼する者として仲間が多いのは心強い。
(青蓮寺 東京都板橋区成増4-36-2=2009年6月27日巡礼)

 

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札所51番 清涼寺

青蓮寺で道順を教えていただき、札所51番の清涼寺に向かう。東京大仏に程近い場所だ。

こちらは真言宗智山派のお寺で、本尊は不動明王。新築されて間もないモダンな本堂が印象的である。
訪れた時は法事の真っ最中で、邪魔にならぬよう小さな声でお勤めをしてから庫裏に納経に伺うと「もう少しで法事が終わるから、住職に書いてもらう方がいいでしょう」とのこと。お言葉に甘えて待たせていただくが、わざわざ茶菓を出してくださり、申し訳ない限り。

程なくお見えになったご住職は、どことなく三遊亭円歌師匠に似た風貌。歯切れの良い江戸っ子言葉を使われるので、そのイメージが強くなるのか。そういえば円歌師匠も出家されて、僧侶(日蓮宗だが)との二足のわらじを履いていたはずである。こちらでも次の札所への道順を教えていただいた。気遣いに感謝である。
(清涼寺 東京都板橋区赤塚4-8-3=2009年6月27日巡礼)

 

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札所23番 泉福寺

途中で見つけた中華料理屋さんで昼飯を食べてから、札所23番の泉福寺へ。板橋区赤塚支所の近くだが、通りから奥まった場所に本堂があり、気をつけていないと通り過ぎてしまうような場所にある。

泉福寺は真言宗智山派のお寺で、本尊は不動明王。本堂には「豊島八塔霊場第四番」の扁額が掛かっていて、御詠歌はこちらのものを唱えた。御住職に伺うと、今の豊島八十八カ所のルーツの一つなのだとか。このお寺には区の指定文化財になっている十一面観世音菩薩の立像もあって、絵葉書と略縁起を頂いた。柔和な表情の本面が印象深い。
(泉福寺 東京都板橋区赤塚6-39-7=2009年6月27日巡礼)

 

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札所35番 安楽寺

泉福寺から東へほとんど一直線、札所35番の安楽寺に向かう。2キロほどの歩きだろうか、日差しを遮るものがなく暑さが増してくる。

安楽寺は真言宗智山派のお寺で、本尊は阿弥陀如来。立派な長屋門が目印だ。このお寺は区立紅梅小学校に隣接していて、平日なら子どもたちの元気な声が境内まで響いてくるのだろう。そういえば寺紋は梅鉢だが、学校名と何か関係があるのだろうか。

長屋門を入って右奥に本堂がある。境内で作業をされていた石材店の方が、私の巡礼姿を見て「鐘楼の奥に先住(歴代住職)のお墓があるから、手を合わせてくるといいですよ」とのことで、そちらにもお参り。ご住職は30代くらいの方で、私の姿に「本格的だねえ」と声を掛けてくれた。豊島巡礼も遍路には違いない。最近は人の目も気にならなくなったがw
(安楽寺 東京都板橋区徳丸8-9-1=2009年6月27日巡礼)

 

 

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札所60番 蓮華寺

安楽寺からさらに東へ歩き、大東文化大の所から首都高沿いに進む。札所60番の蓮華寺は、頭上に首都高が通る車の往来が激しい通りに面している。真言宗智山派のお寺で、本尊は薬師如来。

私が境内に入るのと入れ違いに、若い僧侶の方が寺務所から出てきて、車に乗られる。何となく嫌な予感がする中いつも通りお勤めをしようとすると、先ほどの僧侶の方が「豊島のお参りの方ですか?」と声を掛けてくださる。「白衣姿なのでそうじゃないかと思って。私はこれから留守にするので、先にお納経を書いておきます」とのこと。申し訳ないと思いながら、お言葉に甘える。
(蓮華寺 東京都板橋区蓮根1-10-15=2009年6月27日巡礼)

 

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札所64番 延命寺

蓮華寺から東上線の上板橋駅方向に進み、札所64番の延命寺へ向かう。

こちらは真言宗豊山派のお寺で、本尊は如意輪観世音菩薩。幼稚園も経営されていて、広い境内は園庭も兼ねているようで、あちこちに遊具が並ぶ。隅っこにあった「鶴丸」マーク入りの日航機を象った乗り物が、幼稚園の歴史を示しているようだ。

お納経の時、ご住職から「どのくらいで回るつもりなのか」と聞かれる。1回に6カ寺回れればいい方なので、「一年近く掛かるかもしれません」と、苦笑いしながら答える。

余談だが、板橋区内の豊島八十八カ所のお札所でもう一つ、札所22番で同じ名前のお寺がある。しかも、両者の直線距離は1キロほどの近さ。お納経の時など、間違えないようにご注意を。
(延命寺 東京都板橋区中台3-22-18=2009年6月27日巡礼)

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札所77番の項でも書いたが、東京のお盆は新暦が大半。檀家寺がほとんどの豊島八十八カ所や江戸三十三観音のお札所も忙しくなるわけで、都内の霊場巡礼は7月の前半は「夏休み」。その間は坂東三十三観音を回るつもりなんだが、天候が気になる…。

江戸観音巡礼を再発願

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

春にお参りした、「昭和新撰江戸三十三観音」巡礼を再発願した。お守り代わりに、納経帳を両親に持っていてもらおうとの思いからである。

前回の巡礼で様子は分かっているし、豊島八十八カ所の霊場と隣接しているお札所もあるので、回りやすいコースでお参りしていこうと思う。今回は各札所で写経もお納めする。

とりあえず昨日の土曜日(20日)は、1番浅草寺→2番清水寺→3番大観音→5番大安楽寺→7番心城院→6番清水観音堂の順でお参り。

浅草寺は本堂改修工事の関係で、朱印所が雷門から見て本堂の左側奥にある「影向堂」(生まれ年本尊を祀るお堂)内に移っているので、御注意を。お写経は通常通り本堂内陣の入り口の警備の方が受け取ってくださる。

前回の巡礼と何か変わったことがあったら、順次お伝えしていこうと思う。

豊島八十八カ所巡り(7)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

13日の土曜日も、例によって豊島八十八カ所巡りに出掛ける。天気が次第に崩れるとの予報でコースの選択に迷うが、雨が降り出したらいつでも巡礼を打ち切って帰宅できるよう、電車の駅から近いお札所を回るコースにした。

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札所76番 金剛院

今回の打ち始めは、お寺のホムペを見て以前から行ってみたいと思っていた、椎名町にある札所76番・金剛院にした。こちらは真言宗豊山派のお寺で、本尊は阿弥陀如来を祀る。同じ札番で、御府内八十八カ所のお札所にもなっている。

くだもの鉄道西武池袋線の椎名町駅北口を出ると、すぐ目の前に長崎不動尊、そしてその奥に豊島区の指定文化財になっている金剛院の朱塗りの山門が見える。まずはお不動様にお参り。駅前ということもあってか、若いカップルや親子連れら参拝する人が絶えない。お不動様のお堂の前には石像の聖観世音菩薩も祀られている。お母さんと一緒に来た子供がデジカメの使い方で悩んでいたので、レンズのズームを効かせるよう手伝ってあげると、大喜びでお堂の写真を撮っていた。学校の研究課題なのだろうか、たまにはこちらからお接待だw

金剛院の東側には交通量が著しく多い山手通りが通っているのだが、一歩境内に入るとそうとは思えない静けさ。参道左側には立派な大師堂があり、そちらからお参りする。扉の上には豊島・御府内の両弘法大師霊場の76番札所であることを示す扁額が掛かり、独自の御詠歌が記されている。お経を誦んでから、扁額を見ながらその御詠歌も唱えさせていただく。今まで回った豊島札所では本四国の同じ札番の御詠歌が扁額に掲げられていることがほとんどで、独自の御詠歌は珍しい。

先日、こちらの御住職のブログにコメントを書かせて頂いたのが縁で、御住職としばらく話し込む。いろいろと面白い話を聞かせていただき、長居してしまった。お接待も頂き恐縮ものである。

こちらのホムペは、御住職のブログや単なるお寺の略縁起の掲載にとどまらず、近隣のさまざまなスポットの紹介や仏教講座、精進料理レシピの紹介など、大寺院のホムペ以上に充実した内容。御住職は「精進料理で検索して訪れる人が多い」とのことだったが、そのほかにも面白い内容がいっぱい。ぜひ御訪問を。
(金剛院 東京都豊島区長崎1-9-2=2009年6月13日巡礼)

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札所4番 光徳寺

いったん池袋に戻り、東武デパートにある鳩居堂の出店で三十三観音用の納経帳(江戸三十三観音をまた回るのだ)を求めてから、西武新宿線下落合駅近くの札所4番・光徳院に向かう。真言宗豊山派のお寺で、本尊は大日如来。

コンパクトな境内の中央に、鉄筋コンクリートのモダンなお堂がそびえる。そちらでお参りしてから庫裏に御朱印を頂きに伺うが、御住職の趣味だろうか、庫裏の周りのあちこちに観賞魚の水槽がある。御朱印をお願いすると、わざわざ書道具を取り出し、一生懸命墨をすりながら御朱印を認めて頂いた。ありがたいことである。

境内に入ってすぐ右手に、大きな地蔵菩薩の石像が鎮座している。坐像のお地蔵様は、ちょっと珍しいかもしれない。
(光徳院 東京都新宿区上落合1-23-4=2009年6月13日巡礼)

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札所85番 観音寺

光徳院からは歩いて札所85番・観音寺へ。新宿区内にはもう一つ同じ寺号の札所があるので、間違えないよう地図を再確認しながら歩く。直線距離だとすぐ近くなのだが、下水処理場(最近は水再生センターとかいうようだが)の縁を回るように進むので、結構な距離になる。

観音寺は真言宗系単立のお寺で、本尊は聖観世音菩薩。こちらも同じ札番で御府内八十八カ所のお札所を兼ねている。本堂と客殿が一体化した建物でどちらにお参りしていいか最初は分からず、寺務所に伺うと「2階の本堂でお参りしてください」とのことで、お言葉に甘える。豊島札所では本堂に上げていただくのは初めてで、ちょっと感激。

御朱印を頂き、帰りの電車の中で改めて見ると札番の印が御府内のもの。御府内に比べて豊島の巡礼者は桁違いに少ないはずで、独自の札番印を用意していないのかもしれない。そういえば光徳院でも札番は墨書きだった。
(観音寺 東京都新宿区高田馬場3-37-26=2009年6月13日巡礼)

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札所8番 圓照寺

小滝橋通りを南に進み、今日の打ち納めとなる札所8番・圓照寺に向かう。真言宗豊山派のお寺で、本尊は行基作といわれる薬師如来。

手入れの行き届いているお庭が素晴らしい。本堂左奥に小さなお堂があり、大師堂かと思いそちらに先にお参りしようとすると、後ろから「そっちは大師堂じゃないよ」との声。お庭の手入れをされていたこちらのお寺の僧侶の方で、おいずる姿の私を見て豊島遍路と分かったようだ。聞けばそのお堂は閻魔堂とか。それはそれで興味深い。

本堂では御住職が法事のお勤めをしていて、終わるのを待つ間、この僧侶の方といろいろと話し込む。在家の出身で、歳を取られてから出家されたのだとか。お経の上げ方や服装などいろいろアドバイスを頂いた。中でも興味深かったのが、「仏様との付き合い方」についてのアドバイス。「お参りするとき、自分の悩みや相談ごとなどを、仏さまに話しかけるといい。きっといいお返事をくれるはずだし、仏さまと“お友達”に慣れると思う」と話してくださった。なるほど、確かにその通りだ。早速実践してみることにする。
今回は何かと内容の濃いお参りになった。次回も楽しみである。
(圓照寺 東京都新宿区北新宿3-23-2=2009年6月13日巡礼)

豊島八十八カ所巡り(6)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

2回続けて納経ができなかった豊島八十八カ所の札所7番・正覚院と連絡がつき、6日の土曜日の午後ならということで、早速お参りしてきた。

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札所7番 正覚院

練馬区内の打ち納めとなる札所7番の正覚院は、環七通りから少し入った所にある、中野区との境に程近い場所にある。真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。

これまでお参りした豊島のお札所のなかではコンパクトな部類の境内だが、山門を入ってすぐの左側には、堂々とした二重塔や大師堂が建っている。本堂の前でお勤めをして御詠歌を唱え終わったころ、本堂右側にある庫裏の玄関が開き、「お電話のあった豊島遍路の方ですか?」と声を掛けられる。別に大きな声で読経していたわけではないのだが、庫裏まで聞こえていたのだろうか。お寺の方は不在がちなことをしきりに詫びておられたが、突然お参りしたこちらこそ、お詫びしなければいけない立場。もとより豊島札所はほとんどが檀家寺で、お参りがお寺の都合に左右されるのは当然のこと。ある札所の御住職は「それが豊島の魅力です」と言い切ったが、同感である。

正覚院は太田道灌との関係が深い寺として知られる。道灌が信仰を寄せていた、当地にある天満宮の別当寺として創建された旨の略縁起が山門脇の説明板に記されている。本堂の扉や屋根瓦など至る所に天神さまの社紋である「梅鉢」が使われているのも、その証左。天満宮は現在でも氷川さまの末社として、隣接地に鎮座している。

ようやく練馬区内のお札所を打ち終えたが、回ったのはやっと20。残りは68、豊島遍路もなかなか手強いものがあるというのが正直な感想だ。
(正覚院 東京都練馬区豊玉南2-15-7=2009年6月6日巡礼)

豊島八十八カ所巡り(5)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

30日の土曜日は、練馬区内札所の打ち納めを目指して札所7番の正覚院にお参りするが、またお留守で納経ができず、再度伺うことにした。このまま帰るのも何だし、近くのお札所にお参りして帰る。

 

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札所2番 東福寺

札所2番の東福寺は、正覚院から東へほぼ一直線に歩いて15分ほど。狭い路地を路線バスがひっきりなしに通るので、気をつけながら歩く。

こちらは中野区地籍で、小さな商店街のほぼ中央にある真言宗豊山派のお寺。本尊は不動明王で、御府内八十八カ所の2番札所にもなっている。歴代将軍が近くで鷹狩りをした時の休息所となるなど、歴史あるお寺である。

山門から本堂まで、緩やかな階段が続く。途中には「弘法大師霊場開創十周年記念」の大きな石碑が建つ。比較的新しい感じがする石碑で、御府内八十八カ所の開創は江戸時代のはずだからこの石碑は豊島のものか。だとすると大正時代後半の物のはずである。

境内には幼稚園が併設されている。最近では珍しい木造の園舎で、子どもの頃を思い出した。
(東福寺 東京都中野区江古田3-9-15)

豊島八十八カ所巡り(4)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

23日の土曜日に、豊島八十八カ所巡りの続きに出かけてきた。今回も練馬区内のお札所を回る。

 

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札所61番 能満寺

池袋でくだもの西武鉄道に乗り換え、江古田へ。今日の打ち始めとなる札所61番の能満寺は、日本大学芸術学部の裏手にある。何やら大普請をしている日芸キャンパスの縁を回るようなルートで歩くが、日差しを遮るものがなく暑いこと。

ただ、境内は深い緑に覆われていて、心地よい風も吹いていて一歩中に入ると暑さを忘れるくらい。こちらは真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。板橋七福神の寿老人でもある(これまでの巡礼記で書き漏らしてしまったが、1番の安養院には弁財天が、50番の長命寺には福禄寿がそれぞれ祀られている)。

本堂向かいにあるお堂には、「豊島廿一カ所南拾七番札所」の扁額が掛かる。以前訪れた札所で「豊島二十一カ所の札所は同じ札番で豊島八十八カ所に移行した」と聞いていたが、ここのお寺は事情が違うようだ。17番の長命寺が同じ札番で御府内八十八カ所の札所になっていることと関係がありそうである。

お伺いした時は御住職が不在で、納経印は郵送して頂けることになった。
(能満寺 東京都練馬区旭丘2-15-3)

 

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札所19番 寿福寺

江古田から再び西武線に乗り、練馬で地下鉄大江戸線に乗り換え、練馬春日町へ。前回の札所42番の納経所騒動の割を食ってお参りできなかった、札所19番の寿福寺に向かう。真言宗豊山派のお寺で、本尊は薬師如来。

寿福寺は幼稚園も経営していて、本堂のすぐ横には鉄筋コンクリート4階建の堂々たる園舎が建つ。平日なら、園庭から子どもたちの元気な遊び声が響いてくるのだろう。境内はコンパクトだが、手入れの整ったお庭が美しい。

こちらのお寺では、団参講が健在のようだ。地元の農協が音頭取りを務めているようで、本堂前の石塔には「JA講」の文字が刻まれている。
(寿福寺 東京都練馬区春日町3-2-22)

 

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札所11番 円光院

寿福寺から畑と新興住宅が混在する中を南に歩き、札所11番の円光院に向かう。境内はバス通りに接しているのだが、山門は入り組んだ路地の奥にあって、ちょっと迷う。

円光院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王で、腰や足の病に霊験あらたかとされる、「子ノ権現」を祀る寺としても知られる。朱塗りの山門が印象的だ。

印象的だったのは、よくある「境内で球技をしないこと…云々」の立て札に、「ただし子供は除く」と但し書きがしてあったこと。お寺や神社の境内を遊び場にしていた自分の子供時代を思い出し、ちょっぴり懐かしくなった。立て札のことを知ってか知らずか、鐘楼の下では子どもたちがゲームに興じていた。せっかくお寺が許しているのだから、鬼ごっこぐらいすれば良いものを…。
(円光院 東京都練馬区貫井5-7-3)

 

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札所15番 南蔵院

円光院から西武線の線路を越え、30分弱歩いて札所15番の南蔵院へ。真言宗豊山派のお寺で、本尊は薬師如来。

2階が鐘楼になっている山門は閉ざされていて、バス通り側の門から入るようになっている。薬師堂や閻魔堂もある広い境内は木々が多く、鬱蒼とした雰囲気。お参りに来る人も多く境内には町内会の事務所もあって、地域との関わりが深いお寺のようである。境内のあちこちに立てられている看板の文章が独特で、ちょっと面白い。

こちらも御住職が不在で、納経印は後ほど郵送と相成った。これからは、奉書紙も持ち歩かないといけない。
(南蔵院 練馬区中村1-15-1)

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この後、札所7番の正覚院に向かったがお寺の事情で納経ができず、再度お参りすることにした。来週なら大丈夫とのことで、練馬区内の打ち納めは次回に持ち越し。

豊島八十八カ所巡り(3)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

5月16日の土曜日は「天気は下り坂」という予報だったが、日中は何とか雨に降られずに済みそうだ。久しぶりに、豊島八十八カ所のお札所を回る。引き続き、練馬区内のお札所を中心に回るが、今回からはおいずると半袈裟を着用して巡礼する。心なしか気が引き締まるから不思議だ。

 

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札所50番 長命寺

池袋駅からバスで、札所50番の長命寺に向かう。こちらは以前お参りした時にお留守で納経できなかったので、再度のお参り。今回は本堂で法事をされていたが、外でお勤めをして庫裏に伺うと、御住職の奥様が納経の対応をしてくださった。

長命寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は薬師如来。川越街道と環七通りが交わる、非常に交通量の多い交差点に面しているが、境内に一歩入ると不思議に喧騒さを感じない。
(長命寺 板橋区東山町48-4)

 

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札所27番 円明院

長命寺から再びバスに乗り、札所27番の円名院へ。住宅街の中にあるお寺だが、境内は結構広い。

山門の脇に、このお寺が豊島八十八カ所の札所であることを示す石碑が建つ。真言宗智山派のお寺で、本尊は不動明王。境内には広い墓地があり、本四国八十八カ所のお砂踏み霊場も勧請している。お参りしたときはちょうど檀家さんの納骨法要が終わった所だったが、御住職は嫌な顔一つせず、御朱印を認めて、大きなサイズのお姿を付けて納経帳を戻してくださった。豊島八十八カ所は原則的に真言宗系の檀家寺ばかりで成り立っている霊場だが、こうした心配りが目立つのもその性格と、巡礼者の少なさなるが故か。
(円明院 練馬区錦1-19-25)

 

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札所32番 金乗院

札所32番の金乗院は、円明院から歩いて数分の近さ。円明院の札所石碑にも「金乗院まで3丁」とある。メートル法に直すと300メートルほどか。真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。

こちらも境内は広く、お庭も整備されていて気持ちがいい。山門を入って左手には、現在は檀信徒会館として使われている、幼稚園の園舎のような建物がある。かつては幼稚園も経営していたのだろうか。

お昼近くで、本堂では法事が行われていて、納経を受け付ける客殿では別の檀家の方の法事後の食事の真っ最中だが、嫌な顔一つせず納経の対応をして下さった。ありがたい限りである。
(金乗院 練馬区錦2-4-28)

 

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札所84番 成田山不動大教会

札所84番の成田山不動大教会は板橋区地籍になるが、東武東上線の下赤塚駅のすぐそばなので今回お参りする。
「教会」と名前がついているが、どう見てもお堂の構えはお寺。成田山関係の講の礼拝所という位置付けのようである。当然ながら真言宗智山派に属し、本尊は不動明王。地元では梶山不動尊の通称で親しまれている。

お堂の横にある庫裏に伺うと、御住職の奥様だろうか、巫女姿(袴は紺色だが)の女性が納経の対応をしてくださる。待っている間、お子さんらしい3歳くらいの坊やの遊び相手をして過ごす。なかなか元気があって、かわいい坊やだ。

納経帳を受け取り、いつも通り小さなポチ袋に入れた納経料を手渡そうとすると、「うちは頂いてませんから」と固辞される。「お寺でなく講の礼拝所なので」という趣旨のようだが、時間を掛けて墨書して頂いたり、お下がりを頂いたりと格別のお接待を受け恐縮なので、庫裏を出てからお堂の前の賽銭箱に納経料の入ったポチ袋を入れ、次の札所に向かった。
(成田山不動大教会 板橋区赤塚1-9-11)

 

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札所42番 阿弥陀堂

成田山不動大教会からひたすら南に下り、札所42番の阿弥陀堂へ。入り組んだ場所にあるかと思ったら、案外簡単に見付かった。

こちらは豊島八十八カ所では珍しい無住札所で、その名の通り阿弥陀如来を祀るお堂。真言宗智山派に属する。以前お参りした「足立坂東三十三観音」によくある墓地の中にあるお堂で、墓地入り口の門扉は開けられるようになっていたので、境内に入ってお参りする。門の右側には、豊島八十八カ所の札所であることを示す石柱が立っていて、その反対側には札所開創の由来を記した石碑が建つ。日露戦争の戦没者を慰霊するためにつくられた霊場という。

なお、阿弥陀堂の納経所は最近になって変更され、下赤塚駅近くの「幸寿司」(連絡先はリンク参照)で扱っている。ネット上を含め、ほとんどの資料で「42番阿弥陀堂の納経所は26番愛染院」と紹介されているが、現在は愛染院では阿弥陀堂の納経は扱っていないので、御注意を。また幸寿司も営業時間がランチとディナーに限られ、納経を扱うのは大将一人だけの様子。事前に電話してから訪ねた方が良さそうである。納経は書き置き対応だが、非常に大きな物。お楽しみに。
(阿弥陀堂 練馬区田柄2-7-10)

 

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札所26番 愛染院

阿弥陀堂からさらに南に下り、都営地下鉄大江戸線の練馬春日町駅近くにある、札所26番の愛染院に向かう。ほとんど当てずっぽうで向かったのだが、どうやら迷わずにたどり着いた。

こちらは真言宗豊山派のお寺で、本尊は愛染明王。この札所の正式な寺名は「練月山愛染院観音寺」だが、観音様が本尊として祀られているわけではないのが面白い。こちらも境内は広く、立派な葬儀場も備えた、なかなか格式の高いお寺であるようだ。お庭の雰囲気は禅寺のような趣である。

無住の札所42番の納経所が変わっていることは、愛染院に伺って初めて知った。資料を頼りに愛染院にお参りした際に42番の納経を済ませようとして来た道を戻る人間、私以外にも結構いるようである。
(愛染院 練馬区春日町4-17-1)

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実はもう一つ回る予定だったが、阿弥陀堂の納経で予想外の問題が起きたことで、今回は愛染院までで打ち納め。次回で練馬区内の札所を打ち終えたいが、うまくいくかな…。

円覚寺百観音めぐり(7)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

朝から雨が降ったり時折強い風が吹いたりとあいにくの天気だが、近くの「大本山円覚寺百観音霊場」札所にお参りしてきた。

 

札所44番 吉祥寺

今回訪ねたのは、埼玉県栗橋町にある札所44番・吉祥寺。国道125号の高柳交差点の近くで、拙宅からは車で50分ほどである。

実はこのお寺には、大型連休前にも一度訪れている。その時は境内整備のためお参りできないとのことで、今回は事前に御都合を伺ってからあらためて巡礼した次第。

百観音専用の納経帳や札所案内のパンフレットに「TEL:なし」と書かれているように、このお寺は無住札所。お別当は高柳交差点に面した同じ円覚寺派の寶聚寺が務めていて、今回のお参りも前もって寶聚寺に伺う。法事を終えたばかりの若い御住職が待っていて下さり、少し離れた場所に札所があるので、檀家の方に案内して頂けるという。ありがたい限りだ。

境内での作務の手を休めて吉祥寺まで案内してくださったのは、「顔立ちが整った美人」という趣の、私より少し年上に見える女性。寶聚寺から数百メートル西に向かい、あぜ道や民家の敷地内を入った奥まった場所に、目指す吉祥寺がある。

ある札所の御住職から「あそこはお堂というより祠に近い」と伺っていたが、100メートル四方ほどの草刈りしたばかりの境内地のほぼ中央に広さ3畳ほどの小さなお堂が建っている。案内していただいた檀家の方がお堂の鍵を開けて下さり、本尊の聖観世音菩薩を拝むことができた。
観音さまは総高30センチほどの木像だろうか。黒く彩色されていて、玉眼入りの堂々とした風貌である。古びたお厨子が年月を感じさせ、檀家の方によれば「観音さまが作られてから400年ほど経っているのでは」とのことである。

吉祥寺は寶聚寺の隠居寺として、17世紀の初めに創建されたものらしい。古来よりこの周辺は水害が絶えない地だが、地域の人々の暮らしを守ってきた観音さまということだろうか。普通なら別の場所に移されて祀られるケースだが、こうして開基の地に祀られ続けているのは、地域の信仰の深さなるが故のことだろう。ちなみに、お別当の寶聚寺は足利一族との関係が深いお寺である。

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先に書いたように、吉祥寺は公道から直接入れず、民家の敷地内や田んぼの横を通らないとたどり着けない。一部の地図サイトでは住所を入れるとほぼ正確な場所が表示されるが、無断でのお参りはお寺や近隣の方に迷惑を掛けることになる。お参りの際は、必ず事前に寶聚寺に連絡して、日時などを打ち合わせてお寺の指示に従ってほしい。
また、このような事情があるため今回は写真の撮影をしていないことをお断りしておく。
(吉祥寺 埼玉県北葛飾郡栗橋町高柳1969)

円覚寺百観音めぐり(6)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

4月19日には、近所にある臨済宗円覚寺派の百観音札所にお参りしてきた。

 

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札所42番 円通寺観音堂

「大本山円覚寺百観音霊場」の札所42番・円通寺観音堂は、かつての埼玉県川里町、現在の鴻巣市にあるお寺。わが家からは自転車でも30分ほどの所にある。

鴻巣駅から新落合橋方面のバスが通る県道に面して、札所の観音堂が建つ。慶長年間の建立といわれる総ヒノキ造りの堂々たるお堂で、本尊の馬頭観世音菩薩木像などとともに市の文化財に指定されている。
このお寺、元々は「観音寺」という独立したお寺で、1690(元禄3)年開創とされる西国三十三観音うつしの「忍領三十三観音(忍新西国観音)霊場」の6番札所になっている。明治維新の廃仏毀釈が影響しているのか、現在は円通寺の飛び地境内にある観音堂としての扱い。専用納経帳に「観音寺」と記されているのは、こうした由来によるもののようだ。

お納経は、観音堂から少し歩いたところにある、円通寺本坊の庫裏で扱っていただける。百観音霊場の扁額も、こちらの山門に掛かっている。本坊の境内にはやはり市の文化財になっている石像の三十三観音もあり、こちらもぜひ見てほしい。
(円通寺 埼玉県鴻巣市屈巣2147=2009年4月19日巡礼)

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