メディア関係者診療拒否のススメ
私の住む街から、ついにお産を扱う医療機関がなくなった。
唯一あった産婦人科医院がお産の扱いを止めたからだ。既存の患者の妊婦検診だけは続けるようだが、近所の人の話だと「お産の新患はお断り」という掲示が院内に出ているらしい。
これで、私の住む街でお産をするには電車で二駅東京寄りの街に出て、そこからバスで30分近く揺られて某医大の付属病院行くくらいしか手段がなくなってしまった。
都心のターミナル駅から1時間弱の埼玉都民が多数を占めるベッドタウンでこのザマ。
こういう状況だから、最近のマスコミ・特に一部新聞の「産婦人科バッシング」には非常な違和感を感じている。
かつて勤務していた地方紙のエリア内には、不妊治療で何かと物議を醸し産婦人科学会としょっちゅう対立していた某医師がいたが、報道のタッチは事実を伝えるのみ。産科絡みの話題では私の在職当時から「医師不足」を伝えるものが多かった。
で、新聞労連から何とか賞を受けた毎日の産婦人科叩きの記事の結果、奈良県南部がついに産科空白地帯になったという。
立件見送り 国を挙げての産科いじめ? 奈良妊婦死亡:転送先探し難航の末、立件は見送り
ブログ主はどこぞの病院の勤務医。毎日の記事や表彰した新聞労連への怒りがもろに表れている。
火事場泥棒が委員長やってる新聞労連だから、こんなもの屁の河童だろうが。
一番問題なのは、産婦人科バッシングの報道が目立つ中で、地方ばかりか大都市まで「子供を産みたくても医療機関がなくて産めない」状況にあることに多くのメディアが目を背けていることだ。
大手紙やキー局の社員の家庭では子供をもうけないケースが多いからこういう事態に関心がないのか、あるいは産婦人科バッシングで自己満足に至っているのか。
個人的には「加害者の人権のみを重視する」傾向と根っこは一緒だと思うんだがね。
全国紙の場合は転勤があるから、地方支局で相当ひどい「書き逃げ」をやっても許される。
ほとんど転勤のない地域紙だとこういうわけには行かないのだが。
医療関係者の怒りはもっともだし、一つ提案。
「妙な報道したメディアの関係者(家族含む)のお産関係の診療拒否」を、産婦人科学会なり医師会なり、あるいは産婦人科医会で申し合わせて実行するというのはどうだろう。
正常分娩や通常の妊婦検診は自由診療が原則だけれど、初診時には何かあった場合に備えて保険証を確認しているはずだ。
そこで、保険証の事業所名に当該メディアの名があったら、「申し訳ありません。私どもでは○×新聞社関係の方の妊婦検診や分娩はお断りしております」と冷たくあしらえば良い。妊娠中絶も同じ対応。
自由診療なら問題はないだろうし、ハイリスクの異常分娩でも同じ対応したらどうだろうか。メディア関係者の異常分娩扱うことは、医療機関に取っては別のリスク負うわけだから、ある意味当然。
医師法や医療法的観点からは問題があるのは重々承知しているが、こういう対抗措置取らないと現在の大手メディアの人間は自分が何をしているか分からないだろう。たぶん。
2007年2月5日 8:39 AM
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