江戸三十三観音めぐり(1)

お出かけ 御朱印 日記 江戸三十三観音 霊場巡礼

先日のこのブログにも書いたが、「昭和新撰江戸三十三観音霊場」を回ることにした。
もともとは江戸時代に開創された霊場だが、その後の変遷を経て戦後になってから現在の姿になった。札所1番の浅草寺から、札所33番の目黒不動尊まで、番外1カ所を含む34のお寺が、東京23区の各地に散らばっている。
歩き甲斐が有りそうだし、私の通常の行動パターンからは完全に外れている中野区や世田谷区のお寺もあり、いろいろな発見もありそうだ。インターネット上の情報では、法話好きのご住職が巡礼者をなかなか帰してくれない「難所」とされる札所もあるようで、その点でも楽しみである。

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札所1番 金龍山浅草寺

昨日は一時小雪が舞うあいにくの空模様だったが、予定通り札所1番からお参りしていく。
札所1番の浅草寺は、言わずもがなの「浅草の観音様」。訪れたのが土曜日の昼前ということもあるが、雷門から本堂(観音堂)まで人の波が続く。
浅草寺の札所本尊は聖観世音菩薩。ちなみに浅草寺は「聖観音宗」という独立した宗派である。
本堂にお参りして、奥まった場所にある納札箱へ納め札を入れてから朱印所へ向かったのだが、こちらも長い行列。境内が相当混雑していても朱印所だけは空いていることが多いのだが、どういう風の吹き回しだろうか。列が長い上に七福神と観音様両方の御朱印を頂く人が多く、列は長くなる一方。私の番が来るまで15~20分ほどかかっただろうか。
浅草寺は坂東霊場の札所も兼ねているので、御朱印を受ける時は「江戸三十三観音の巡礼」と朱印所の人にきちんと告げないと、坂東札所の朱印が押されてしまう。
(台東区浅草2-3-1)

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札所2番 江北山清水寺

仲見世を少し雷門方向へ戻り、伝法院通りとの交差点を右に曲がり、あとは伝法院通りをひたすら合羽橋方向に歩く。清水寺は正午から午後1時まで御朱印を受け付けていないことは知っていたので、途中の「浅草テプコ館」で時間調整を兼ねた小休止。1階のロビーでは一コマ漫画の展覧会をしていたが、知り合いが出展していてちょっとびっくり。
清水寺は「せいすいじ」と読み、天台宗のお寺で札所本尊は千手観世音菩薩。ここは合羽橋道具街のメーンストリートに面していて、鉄筋コンクリートのモダンな造りのお寺だ。本堂は2階にあり、例によって外で「般若心経」を誦んでから御朱印を頂きに寺務所に伺うと「本堂でお参りしてください」とのことで、お言葉に甘える。お線香を上げ、般若心経を再び誦んでから寺務所に伺うと、ご朱印が出来上がっていた。
ここのお寺、平日の日中は法事などが行われていない限り、本堂内でお写経ができるという。快く本堂に上げて頂いたことといい、できるだけ地域に開かれた運営を心掛けているお寺のようだ。
(台東区松が谷2-25-10)

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札所3番 大観音寺

清水寺を出た後、実は先に札所4番の回向院にお参りしようと菊屋橋から両国行きの都バスに乗ったのだが、バスを降りると目の前の回向院では檀家さん? のお葬式の最中。とてもお参りできる状況ではなく、そのまま人形町にある札所3番の大観音寺に向かう。
大観音寺は浅草寺の末寺に当たり、札所本尊は聖観世音菩薩。人通りが多い人形町通りに面しているお寺だが、日中は本堂に上がってお参りやお写経をすることができる。私ももちろん、本堂に上がって、前立ち本尊の前で般若心経を誦む。ご住職の奥様と思しき女性がご朱印の対応をして下さったが、なかなか力強い墨書きである。朱印所には巡礼用品が結構品揃えされていて、本寺の浅草寺の授与所や朱印所では見かけなかった物も多い。
(中央区日本橋人形町1-18-9)

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札所5番 新高野山大安楽寺

大観音寺を出てから、人形町通りをまっすぐ岩本町方面に進み、札所5番の大安楽寺に向かう。
ここは高野山真言宗のお寺で、札所本尊は十一面観世音菩薩。隣接する身延山別院と併せ、時代劇によく出てくる「小伝馬町牢屋敷」の跡にあるお寺として知られる。やや古めかしい鉄筋コンクリート造りの本堂だが、関東大震災に遭った本堂を1929(昭和4)年に再建したものという。その後の戦災はこの一角だけは被害を免れた由。
御朱印は本堂脇の庫裏で受けるのだが、ご朱印と一緒に小さなお姿を頂いた。300円の朱印代ではちょっと申し訳ない気分…。
このお寺でお参りしていて気になったのが、参拝者のマナー。私が本堂前で心経を誦んでいる最中、後ろからやってきた50代くらいのカップルは本堂に手を合わせることすらなく、お経を誦む私に訝しげな視線を送りながら庫裏の玄関へ直行し、朱印帳を差し出していた。ご住職から朱印帳を受け取った後、私に大観音寺への道順を聞いたが、こちらが説明しても「ありがとう」の一言すらない。こういう方は、浅草寺で朱印を受けると合紙代わりに添えてくれる、「ご朱印について」という印刷物を33回、いや108回ほど読むといい。情けない限りだが、浅草寺や清水観音堂で最近多い西洋系外国人の方が参拝や朱印を受けるときのマナーはしっかりしている。
そういえば、先日東海七福神を回った時も某寺社に「朱印帳は開いて渡すこと」という張り紙があったが、あの世代の参拝マナーって本当に良くない。
(中央区日本橋小伝馬町3-5)

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札所6番 東叡山清水観音堂

小伝馬町から地下鉄で仲御徒町へ。「鈴本演芸場」に好きな噺家が出ていたら寄って行こうと思って前を通るが、顔ぶれを見て寄るのをやめ、上野公園内を散歩。日が暮れかかっていたが、「清水観音堂」が開いていたのでお参りする。
札所2番とは違い、こちらは清水を「きよみず」と読み、同じ上野にある天台宗寛永寺の末寺に当たる。その名の通り、京都の清水寺の舞台を模した造りだ。
場所柄もあるのか散歩感覚でお参りしている人が多い。朱印帳を手にした外国人の姿も目立つ。
(台東区上野公園1-29)

本日の巡礼はここまで。次回は回向院にお参りしてから、湯島など文京区方面の札所を巡ろうと思う。
ところで、観音霊場や弘法大師霊場を回る時に欠かせないのが納札とも呼ばれる「納め札」。私も札所で奉納しようと思い、浅草の巡礼用品店で探したが、江戸札所用のものはないようだ(秩父札所や坂東札所向けには、専用の納札があったのだが)。試しに自作してみたので、PDF形式にしてここで公開させていただく。次に江戸札所を回る誰かのために、私からの「お接待」だ。
江戸三十三観音納札(PDF)
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