地域の仏様がいっぱい
先日の当ブログでご紹介した、栃木県小山市の市立車屋美術館で開催中の「小山の仏教美術~仏像・仏画展」に出かけてきた。
蔵造り風の建物に入るとすぐに、市内の天翁院(曹洞宗)に祀られている釈迦三尊像が展示されている。堂々としている一方で、飾り気のない雰囲気の、いかにも禅宗寺院の仏像という趣だ。
展示室には、興法寺(天台宗)や西光寺(時宗)に祀られている、一光三尊の善光寺式阿弥陀如来(善光寺如来)が展示されている。来年の善光寺御開帳を意識したものかもしれないが、双方の善光寺如来とも光背が省かれた形で展示されていたのはちょっと残念。光背とともに展示してこそ、善光寺如来の特徴が分かりやすくなるとと思うのは私だけか…。
展示でひときわ目立ったのが、かつては市内の中島薬師堂に祀られ、現在は市の博物館が管理しているという菩薩形立像と阿弥陀如来立像だ。
菩薩形立像は、一瞬「円空さまの作では?」と思うほどの素朴な雰囲気。造りの特徴も円空仏に似ている部分があるが、製作年代からそうではないことに気づく。阿弥陀如来は堂々としたお姿である。
「中島薬師堂」のことが気になり、学芸員の方に大まかな所在地を教えてもらい、帰りに寄ってみた。薬師堂は農村地帯の集落の中心にある稲荷神社の一角にあり、朽ちかけた1間四方ほどのお堂の前に市教委の解説板があり、そこが「中島薬師堂」であることを示している。内部には小さな仏像が祀られているが、お薬師様とは見えなかった。
お宮さんを挟んで反対側には、寺院か草庵の名残のような古びた建物が残る。かつては堂守の方が暮らしていたようだが、庇の下には彫刻を施した扁額を掲げられるようになっている板が残り、この建物の来歴を示している。建物の奥には仏像が祀られていた。
2014年5月6日 9:53 AM
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