ご近所の御開帳
先の週末、自宅で仕事をしていると、知人が携帯電話で、「(私の住む)隣町の国道沿いのお堂の前に人が集まっていて、赤い幟が何本も立っている。御開帳のようだ」と教えてくれた。私もそこにお堂があることは知っていたので、取りあえず仕事をいったん切り上げ、お参りに出かけることにした。
そのお堂は、栃木県野木町の国道4号沿いに建つ、2間四方くらいの小さなお堂。国道から少し入った邪魔にならない場所に車を止めてお堂に向かうと、「子育観世音」などと書かれた赤い幟がはためいており、お堂の扉が開かれていた。お世話をしていた地元の方に伺うと、お堂の本尊である観音さまの御開帳という。
来意を告げると「上がってお参りを」とのことで、ご厚意に甘えて観音様の前でお勤めをさせていただく。高さ30センチほどの、優しいお顔をされた観音様がこのお堂のご本尊である。写真を取って構わないとのことで、お勤めの後に撮影させていただいた。
ご本尊のわきにはお大師様とお地蔵様が祀られている。現在は地域管理のいわゆるムラ堂だが、もともとは真言宗のお寺だったのだろうか。境内には十九夜塔などの石造物が残されており、少なくとも江戸時代までは歴史をさかのぼることができそうだ。
お参りを済ませ、御開帳が定期的に行われているのかどうかを伺うと、「観音様の開帳としては8月9日に行うことになっているほか、お大師様の開帳として4月21日にお堂の扉を開ける」とのことだった。日付を固定する形で、曜日に関係なくこの日に行うそうである。
東京にある四国写し霊場の案内書を執筆・刊行した者としては、4月21日のお大師様の御開帳にもお参りせねばならないと思いながら、お堂を後にした。
2015年8月13日 10:01 AM
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