豊島八十八カ所巡り(16)

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今年も早いもので、もう11月。1日の日曜日は豊島八十八カ所のお札所を回る。今回は北区内を中心に、4カ寺にお参りしてきた。

 

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札所47番 城官寺

JR上中里駅の南口から高台方向に向かう道を進むと、左側に札所47番・城官寺の山門が見えてくる。

城官寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は阿弥陀如来。江戸時代には道を挟んで向かい合う平塚神社の別当を務め、鍼医だった検校の山川城官や名医を輩出した多紀家と縁が深いお寺だ。境内にある多紀一族の墓は、都の史跡に指定されている。

お勤めをしようと本堂の前に進むと、「愛染明王拝観の方は寺務所まで」という張り紙がある。本尊は阿弥陀如来のはずだし、「?」と思いながら勤行を始めると、お寺の方が本堂の戸を開け、「中でお勤めしてください」と声を掛けてくれた。お言葉に甘えて本堂に上がると、先ほどの疑問は氷解。本堂の左側に、客仏のような形で愛染明王がお祀りされていた。
何でも、この秋に出たばかりの首都圏の仏像を紹介したガイド本にこの愛染明王が紹介され、それからお参りの人が絶えないのだそうだ。愛染明王は男女の仲に御利益のある仏さまだし、婚活の願掛けということか…きっと女性のお参りが多いのだろうな。愛染明王の隣には、一見マリア観音のようにも見える聖観世音菩薩の陶像が祀られている。東京芸大の教官を務めていた、日本の陶彫の第一人者・沼田一雅氏の作で、手の部分には戦災で焼けた浅草寺の灰が使われているという。近くで見せていただくと、確かに手の部分が灰色がかっている。

ちなみにこの本、豊島の発願札所・安養院をはじめ、豊島のお札所がいくつか紹介されている。ただ、説明の中に「豊島八十八カ所」の文字が一つも出てこないのは、巡礼者としては少し寂しい。同じ札番で御府内八十八カ所の札所を兼ねている。
(城官寺 東京都北区上中里1-42-8=2009年11月1日巡礼)

 

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札所53番 不動院

予定では城官寺の次に59番・無量寺にお参りする予定だったが、法事が立て込んでいるご様子でお参りは遠慮。近くの札所53番・不動院に向かう。

不動院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。今から400年ほど前の開基とされ、岩槻街道に近かったこともあり、江戸時代には将軍が鷹狩りをするときの休息所に指定されていたという、格式があるお寺だ。

伽藍はモダンな鉄筋2階建て。2階部分が本堂になる。その本堂へ上がる階段や山門の脇には、まだ新しい「碁」と書かれた黒御影の石柱が建つ。お寺で囲碁の会を催しているのだろうか。伽藍の正面には観音さまの石像が祀られ、その前に香炉が設えてある。2階の本堂の前には何もなく、「日常のお参りはこちらで」ということだろう。本尊のお不動様は護身や泥棒除けに霊験があることで知られている。

無量寺から不動院に向かう途中にある曹洞宗の昌林寺は、江戸六阿弥陀の番外「木残り観音」を祀る。時間に余裕がある向きは、こちらにお参りするのも面白い。
(不動院 東京都北区西ケ原3-23-2=2009年11月1日巡礼)

 

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札所62番 西福寺

続いては駒込にある札所62番・西福寺へ。歩いてみて分かったのだが、西ケ原から駒込までは案外近い。道を探しながらだったが、20分掛からなかった。

西福寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は阿弥陀如来。開基の時期は定かではないが、境内にある豊島区教委の解説板によれば、江戸時代には駒込の地に存在していたという。

このお寺のある辺りはかつては染井村と呼ばれ、植木栽培が盛んだった土地。日本の桜を代表する品種「ソメイヨシノ(染井吉野)」の生まれ故郷として知られる。山門の脇には「染井吉野の里」の石碑が建ち、歴史を伝えている。境内にはソメイヨシノの育成者とされる伊藤伊兵衛政武の墓地があり、都の史跡に指定されている。ソメイヨシノは「東京都の花」でもあるが故か。

お納経などを扱う寺務所の中には、江戸時代末期から明治時代初期にかけての一帯の様子を描いた絵地図が掲げられている。道沿いに桜が途切れることなく植えられていて、西福寺の境内は一面の桜で覆われている。花の時期には、吉野山のように美しい光景が広がっていたことだろう。境内では現在でも、桜の花を楽しむことができる。
(西福寺 東京都豊島区駒込6-11-4=2009年11月1日巡礼)

 

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札所36番 薬王院

駒込からJR山手線と西武新宿線を乗り継ぎ、下落合駅最寄りの札所36番・薬王院へ向かう。

薬王院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は薬師如来。鎌倉時代の中期、源頼朝が深く帰依していた願行上人の開山と伝えられている。

「東長谷寺」の寺号を持つこのお寺は、本山の奈良・長谷寺と同じく花のお寺として知られている。とりわけ有名なのが牡丹で、1966(昭和41)年に長谷寺から移植されたのに端を発し、現在では約40種の牡丹が咲き競う、都内有数の牡丹の名所だ。開花時期には多くの見物客でにぎわう。このほか、梅や枝垂桜の花も見事で、首都圏にある100余りの花寺でつくる「東国花の寺」2番札所にもなっている。できれば、花の時期にお参りしたいものだ。

本堂も長谷寺を模した、舞台様式の伽藍。通常は寺務所のから見上げるような形でお参りするようだ。
同じ札番で御府内八十八カ所の札所を兼務する。
(薬王院 東京都新宿区下落合4-8-2=2009年11月1日巡礼)
※薬王院の公式ホームページはこちら


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