豊島八十八カ所巡り(19)

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1日は、例によって豊島の札所めぐりに出かける。いつの間にか残りが少なくなってきたことでもあり、年内に結願すべく気合を入れて回る。

 

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札所13番 重林寺

今回の打ち始めは、以前お葬式の真っ最中でお参りできなかった、池袋の札所13番・重林寺にした。真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。最寄りの東武東上線・北池袋駅から歩いて10分足らずだが、JR池袋駅からだと、北口から15分ほどで着く。

重林寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。お寺が創建された詳しい時期は明らかでないが、慶安2(1649)年に亡くなった秀誉和尚を開祖としている。

頭上には首都高速5号線が通る川越街道に面した立地で、車の往来が非常に激しい場所だが、山門を一歩入ると中は静かそのもの。掃除が行き届いていて美しい境内には、天文24(1555)年に造られた庚申講関連の板碑や享和3(1805)年建立の百八十八カ所(四国と坂東、西国、秩父)巡礼供養塔があり、歴史をしのばせる。

このお寺には、弘法大師自筆とされる不動明王の画像が寺宝として伝えられている。明治23(1890)年の本堂の工事の折、梁から落ちた屋根職人が本尊に触れ、偶然発見されたものだ。まさに〝怪我の功名〟である。
また、大正12年の関東大震災で倒壊した以前の山門は、大久保彦左衛門の屋敷から移築したものという。
(重林寺 東京都豊島区池袋本町2-3-3=2009年12月1日巡礼)

 

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札所82番 西光院

重林寺からほぼ真西に歩き、札所82番の西光院に向かう。直接訪れる場合は、東武東上線の大山駅から川越街道を越えて歩いて15分ほどだ。

西光院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は阿弥陀如来。詳しい開山時期は不明だが、過去帳の記載から元和2(1616)年以前の創建とみられている。

バス通りから駐車場を兼ねた広い参道が延びた先にある境内は緑に覆われ、23区内の寺院とは思えない雰囲気。庫裏の玄関前にある井戸には電気ポンプが設えてあって、いまなお現役のようだ。
山門の脇には薬師堂がある。正徳年間(1711~16)に当時の武将が妻の眼病平癒を願って建立したもので、秘仏の薬師如来のほか、日光・月光両菩薩や十二神将を祀る。山号や寺号に薬師如来を連想させる「医王山薬円寺」という名前が付いているのは、このためだろうか。

山門前のスダジイは樹齢400年以上の巨木で、板橋区の登録文化財になっている。 板橋七福神の大黒天を祀る。御開帳は元日から7日まで。
(西光院 東京都板橋区南町31-1=2009年12月1日巡礼)

 

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札所80番 西光寺

西光院からさらに西へほぼ一直線、札所80番の西光寺に向かう。1文字違いで札番も近接していて、ちょっと紛らわしい。日大病院のすぐ近くのお寺で、東武東上線の大山駅から歩いて20分強の道のり。山門が細い路地に面していて、人通りの多い商店街からはちょっと回り込む形になる。

西光寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は聖観世音菩薩。古くからこの地にあった観音堂に、地元の有力者が田畑を寄進したことがお寺の始まりと伝えられ、さまざまな資料から1640年代の開基であることは間違いないようだ。明治3(1870)年に当時の広沢賢隆住職が、境内に寺子屋を建てて地域の子どもたちの教育に当たったという資料が残る。

このお寺で有名なのは、「代かき地蔵」伝説。田植えを目前にして代かきが終わらず頭を抱えていた農民が、たまたま現れた若い僧侶にそのことを話すと、翌朝には代かきが終わっていた。驚いた農民が泥のついた足跡をたどると地蔵堂があり、中に祀られていた地蔵の足が汚れていたという。
豊島の札所でたまに見聞される農耕伝説の類だが、大昔のこの地域が農村地帯で、人々の信仰が篤かった証でもある。現在のご住職も、お地蔵さまのような柔和な方である。板橋七福神の布袋尊を祀る。
(西光寺 東京都板橋区大谷口2-8-7=2009年12月1日巡礼)

 

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札所22番 延命寺

西光寺からバスと地下鉄を乗り継いで、札所22番の延命寺へ向かう。都営三田線の志村坂上駅から歩いて5分ほどの、住宅街にあるお寺。

延命寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は地蔵菩薩。大永4(1524)年、北条氏が江戸城を攻撃した時に巻き添えになる形でわが子を失った、時の志村城主の家臣・見次権兵衛が自らの住まいを寺にしたことを開基とする。江戸時代には将軍が鷹狩りをするときの休憩所となった格式の高い寺で、当時は御座所や御成門もあったという。

境内には、板橋区最古の建長4(1252)年作の板碑や切支丹灯篭などがある。かつては「こぶ欅」とよばれた、幹の中央部に大きなこぶのあるケヤキの古木がそびえ立っていたが、現在は枯死して樹幹だけが保存されている。
(延命寺 東京都板橋区志村1-21-12=2009年12月1日巡礼)

 

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札所86番 龍福寺

延命寺から中山道を渡り、札所86番の龍福寺に向かう。こちらも住宅街の中にあるお寺だが、近くに目標となるような建物がなく、道に迷ってしまった。直接訪ねる場合は、都営地下鉄三田線の志村坂上駅から歩いて10分ほど。

龍福寺は真言宗智山派のお寺で、本尊は大日如来。室町時代末期、赤羽にある豊島札所69番・真頂院の隠居寺として創建された。

境内左側には、大き目の薬師堂がある。こちらに祀られている秘仏のお薬師さまは、お寺のある台地の下にあった荒川の「七々子崎(ななこざき)」という入り江から天長年間に見つかったものという。山号が「薬王山」とあるのは、このお薬師さまに関係しているのだろうか。ちなみに小豆沢という地名は、平将門への献上品を積んだ船がこの入り江で沈み、その積荷の小豆が流出したことに由来することが、お寺の古文書「薬師縁起」に記されている。

現在では隣接する龍福寺会館でコンサートなどを手掛け、文化行事に力を入れるお寺として名高い。
(龍福寺 東京都板橋区小豆沢4-16-3=2009年12月1日巡礼)


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