豊島八十八カ所巡り(12)
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13日の日曜日は前日と打って変わっての好天。先延ばしにしていた豊島八十八カ所巡りに出掛ける。今回は、くだもの電車西武新宿線沿いにある中野区内のお札所を回る。
札所87番 東光寺
札所87番の東光寺は、西武新宿線を新井薬師駅で降りて、線路沿いの路地を高田馬場方向に戻ったところにある。真言宗豊山派のお寺で、本尊は薬師如来。江戸時代初期の開山と伝えられている。
静かな住宅街の一角にあり、三井財閥の資料を集め公開している「三井文庫」のすぐそばにある。都内のお寺としては広い部類に入る境内は、何より緑が豊か。木漏れ日が美しく、ここが都会であるのを一瞬忘れそうなくらいだ。入り口には龍神様が祀ってあり、周囲には鯉を放った池が巡らせてある。なかなか見事なので、お参りの際はぜひ見ておこう。山門を入るとすぐ左に、コンクリート造りの大日堂があるが、中は広間のようになっている。お参りした折は、地域の剣道教室として使われていて、私より少し年下くらいの美形の女性が、稽古をつけてもらっていた。
境内の一角では、このお寺がかつて経営していた幼稚園の園舎の取り壊しと周辺整備の工事が進められていた。少子化の進む折、これまで経営していた幼稚園を閉めてしまう例は豊島のほかのお札所でも見聞しているが、何となく寂しいものがある。かつて幼稚園があった場所は、どのように整備されるのだろうか…。
余談だが、高田馬場方向から電車を利用してお参りする場合、改札内の跨線橋を渡って、反対側のホームにある北口改札を使った方が早くお寺に着く。電車の本数が多く踏切が「開かず」なのだ。これは、48番や74番最寄りの沼袋駅でも同じなので、覚えておいたほうがいい。
(東光寺 東京都中野区上高田5-21-5=2009年9月13日巡礼)
札所48番 禅定院
西武新宿線沼袋駅の北口改札を出た所から斜め右に延びる狭い道の商店街を歩くと、すぐに札所48番・禅定院の山門が見えてくる。山門の真正面につながるこの道、元々は禅定院の参道だったのだろうか。その山門は戦災をかいくぐった大正期のもので、数多く張られた千社札が長年の風雪を物語る(このブログの読者には野暮だろうが、現在は千社札は張ることはできない)。
禅定院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。このお寺で興味深いのは山号や寺号とご本尊の関係。正式なお寺の名前は「瑠璃光山禅定院薬王寺」。お寺の名前だけ見るとお薬師様を祀るお寺のようにも思えるが、現在の本尊は前述の通り。山号や寺号は、南北朝時代に禅定院が開かれた時のご本尊が薬師如来だったことに由来するという。現在の本尊である不動明王立像は、鎌倉時代の作。元々は土地の豪族、伊藤氏の菩提寺だったことから、現在でも「伊藤寺」の通称が残る。
境内はコンパクトだが、お庭の整備が行き届いていて気持ちよい。特に蓮や牡丹の花がきれいなようで、花の時期にもう一度お参りしたい。
こちらは、同じ札番で御府内八十八カ所の札所にもなっている。
(禅定院 東京都中野区沼袋2-28-2=2009年9月13日巡礼)
※禅定院の公式HPはこちら。
札所74番 実相院
禅定院と同じく沼袋駅に近い札所74番・実相院は、駅からも禅定院からも歩いて3分ほど。駅からだと、「沼袋親交会」の街灯が整備されている賑やかな商店街を進み、路地を少し入った所にある。
実相院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。新田義貞の一族の矢島家の菩提寺として開かれたお寺で、現在でも「矢島寺」の名前で親しまれている。コンクリート造りの瀟洒な山門をはじめ、境内の至る所に寄進者として矢島姓の名前が記されているのも、このお寺の開基に関係しているのだろう。現在でもお檀家の半数以上が矢島姓という。
境内はコンパクトだが、山門を入るとすぐ左側に大きな十一面観音の石像と弘法大師像が並んで建つ。観音像のほうは永代供養のための石像のようだ。
また、こちらのお寺は桜の隠れた名所として知られている。花の時期はライトアップされて、幻想的な美しい風景が楽しめる。お花見の時期はコンサートなどの催しも行われるという。
この辺りはお寺が密集していて、禅定院から実相院に抜ける路地の途中には、百観音のうつし霊場で知られる明治寺がある。時間が許せば、こちらにもお参りしたい。
(実相院 東京都中野区沼袋4-1-1=2009年9月13日巡礼)
※実相院の公式HPはこちら。
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この後、引き続いて江戸観音の札所3カ寺にお参りして帰宅。歩数は1万4500歩、大体8キロ強か。足の怪我も治ったことだし、次回からもっと距離を伸ばしたいw
2009年9月16日 12:22 AM
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