江戸三十三観音

江戸三十三観音めぐり(7=完)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

ちょっと雲行きが怪しかったが、江戸三十三観音巡りの続きに出掛けてきた。

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札所32番 世田谷山観音寺

JR超ド田舎線の電車が荒川を渡って東京都内に入るころから、外は雨模様。池袋の辺りでは結構しっかり降っていたが、せっかくここまで来たのだし、このままお参りを続ける。幸い、渋谷で電車を降りたときはほとんど雨は上がっていた。札所32番は渋谷から三軒茶屋まで東急田園都市線を使っても良いのだが、空模様が心配で札所の近くまで運んでくれるバスに乗る。

札所32番の世田谷山観音寺は、「世田谷観音」の通称で知られる祈願寺。江戸三十三観音で唯一の、特定の宗派に属さない単立寺院だ(開基の経緯から天台宗や浅草寺との関係があるようだが)。お寺の本尊である聖観世音菩薩がそのまま札所本尊になっている。

戦後、それも在家出身の住職の開基と聞いていたが、鬱蒼とした緑に包まれている境内は古刹の趣が漂う。住宅街のど真ん中にあるのだが、参拝者の姿が絶えないのは、それだけ地域に親しまれているお寺ということだろうか。

実はこのお寺にお参りするのがちょっと楽しみだった。江戸三十三観音を扱ったサイトで、「住職が法話好きでなかなか帰してくれない。ある意味で江戸札所の難所」などと紹介されていたからだ。
本堂の前でお参りしてから寺務所に納経に伺うと、出てこられたのは副住職と思しき若い男性。さすがに境内をくまなく案内されたり本堂で読経や法話を…ということはなかったが、朱印帳を見ながらあれこれ話が弾む。埼玉県から出てきて巡礼していることに感心されたのは、ちょっと面映い。

納経の時に「ぜひ本堂に入ってお参りしてください」とのことだったので、例によってお言葉に甘える。
元々は伊勢長島の興昭寺の本尊だったという観音さまは、近くで見ると結構な迫力で、風雪に耐えてきたことを感じさせない、いいお顔をされている。脇侍には月光・日光の両菩薩。マリア観音を祀っているのは、東京のお寺では珍しいだろう。
本堂の中には布袋尊も祀られていて、近くには地元警察署が奉納した宝船も。一種の防犯策なんだろうが、地域に密着したお寺の証でもある。

寺務所で次は目黒不動尊にお参りする旨を話すと、「乗り換えなしで行けるバスがあります」と、バスを降りてから目黒不動尊までの道順を記した紙まで頂いた。江戸三十三観音では最もフレンドリーな対応をして頂けるお寺であることは間違いなく、こういう心配りが巡礼初心者には嬉しい。
(世田谷区下馬4-9-4)
※世田谷観音公式ホームページはこちら

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札所33番 泰叡山瀧泉寺

大鳥神社前でバスを降り、「目黒寄生虫館」の脇から札所33番への裏参道に入る。「寄生虫館」というとグロ系の展示を想像してしまうのだが、カップルが多く出入りしている。実際はどうなんだろうか…。

札所33番は、通称の「目黒不動尊」と書いた方がピンとくる人が多いだろう。山号で察しが付くように天台宗のお寺で、本尊は不動明王。札所本尊は聖観世音菩薩で、寺務所そばの観音堂にお祀りされている。境内は賑やかさはないものの、参詣者の姿が絶えない。江戸五色不動の一つで、境内のあちこちに不動明王が祀られている。境内は結構な高低差があり、境内に点在するいろいろなお堂をお参りして回ると、結構な運動量だ。墓地には甘藷先生こと青木昆陽が眠り、それとは別に石段近くには昆陽の顕彰碑もある。

番外札所は先に回っているので、今回の江戸三十三観音めぐりはこれで結願。納経に伺うと、係の人が朱印帳を見て「結願ですか?」と聞いてくるのでその旨答えると、「お参りご苦労さまでした」と、「結願成就」の印を朱印帳に押してくださった。感激…。
(目黒区下目黒3-20-26)
※目黒不動尊の公式ホームページはこちら

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発願から2カ月弱で結願できたのは、ちょっと意外。この間、週末の天気が良かったことが多いのが最大の要因だが、これも観音さまのおかげと言ったら考えすぎか。どのお寺でも親切に対応して頂いたし、3分の2以上のお寺で本堂に上げていただいてお参りできたのは、これまでにない経験で良かった。お寺でお参りしている間は仕事など諸々のストレスを一時ではあっても忘れることができるし、静かな空間は気を休めてくれる。東京都内のお寺めぐりということでとにかく歩けるのも、私のようなメタボ人間には嬉しい限りだ。

しばらくしたら、今度は実家に暮らす両親のため、再び江戸三十三観音の巡礼路を歩いて回ろうと思っている。取りあえずこの次はどこの霊場を回るか。私の霊場めぐりはウオーキングも兼ねているので東京周辺の霊場が主になるが、どこにしようか…。

江戸三十三観音めぐり(6)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

品川周辺の江戸三十三観音めぐりの続き。

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札所30番 品川成田山不動尊一心寺

札所30番の一心寺には品川から京浜急行に乗って行こうと思っていたのだが、29番の目の前にある「高輪警察署前」を通る93系統の都バスで近くまで行けることが分かり、迷わずそちらに乗る。「東品川1丁目」でバスを降り、停留所近くの路地を通って旧東海道に出ると、程なく一心寺に着く。

ここは「成田山」の名を冠している通り真言宗智山派のお寺で、札所観音は聖観世音菩薩。平成4年9月からそれまでの海晏寺(かいあんじ)に代わり、江戸三十三観音の札所30番を務めている。

このお寺には、今年の正月に東海七福神参りをしたときにも訪れている。その時は結構な賑わいだったが、立春を過ぎて七福神の受け入れが終わった今は境内は静かそのもの。お寺そのものが田舎のお堂のようなコンパクトな造りだから、この方が雰囲気があって私は好きだ。

読経してから呼び鈴を押すと、ワンちゃんがお出迎え。お寺の犬らしく人懐っこい。程なくご住職の奥様と思しき女性が出てきて、納経の対応をして下さる。

小さなお寺だが、江戸幕府の大老・井伊直弼が開山の名刹である。現在は、延命と商売の御利益を得ようと詣でる人が多い。
(品川区北品川2-4-18)

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札所31番 海照山普門院 別格本山品川寺

札所31番の品川寺へは、30番から旧東海道を15分ほど南へ下る。小さなお店が軒を並べる商店街が続くが、活気があって賑わいが絶えない。大型店の進出などでシャッター通りと化す地方都市の商店街とは対照的だ。目印は山門脇に鎮座している大きなお地蔵さま。

このお寺はその立地から「しながわでら」と読まれることが多いが、本来の読み方は「ほんせんじ」で、真言宗醍醐派のお寺だ。札所本尊は水月観世音菩薩と聖観世音菩薩で、ともに秘仏。また東海七福神の毘沙門天を祀っているほか、東海三十三観音や江戸六地蔵の札所にもなっている。

本堂に相対している大梵鐘の逸話は有名。廃仏毀釈の嵐で海外に搬出された鐘を関係者の努力で取り戻し、その縁をきっかけに品川区とスイスのジュネーブ市が姉妹都市縁組を行うことになる経過は、お寺の公式ホームページに詳しい。
(品川区南品川3-5-17)
※公式ホームページはこちら

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番外札所 龍吟山千躰荒神殿海雲寺

江戸三十三観音唯一の番外札所である海雲寺は、31番のすぐそば。曹洞宗のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。

このお寺は、かまど(火)の神様である千躰荒神を祀るお寺として名高い。上の写真でいかにも本堂然としている大きなお堂は実は荒神さまが祀られていて、本尊の観音さまはその右側の小さなお堂に安置されている。間違ってお参りする人が絶えないようなので、注意が必要だ。

3月と11月の下旬に開かれる荒神さまのお祭りは盛大なもののようで、「釜おこし」が名物という。納経をお願いするとお姿を一緒に頂けたが、そのお姿も荒神さまのものである。
(品川区南品川3-5-21)

残るお寺はあと2つ。
次回は32番札所の世田谷観音にお参りする。

江戸三十三観音めぐり(5)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

昨日の土曜日(2月21日)は、朝から絶好のお参り日和。江戸三十三観音巡礼の続きに出掛ける。今回は、品川周辺の札所を回る。

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札所26番 周光山長寿院済海寺

上野でJR京浜東北線に乗り換え、田町へ。ここから札所26番の済海寺まで歩く。途中には新聞社の方にはおなじみ(笑)の輪転機メーカー「東京機械製作所」の本社がある。札所近くは急な坂道で、出だしから寄る年波を実感www

札所26番の済海寺は浄土宗のお寺で、都心のお寺と思えないくらい、境内は広い。建物もモダンなコンクリート造りだが、「お寺らしさ」を残しているのはさすが。あまり言いたくはないが、真宗系の寺院などでは最近、「訪れる人を拒否する」ような趣の建物が多いんだよな。
札所本尊の「亀塚(きちょう)正観世音菩薩」は、境内に入ってすぐの左側、観音堂に安置されている(浄土宗のお寺なので言わずもがなだが、お寺の本尊は本堂にある阿弥陀如来)。観音堂の扉は閉ざされていて、「お前立ち」なのか、本尊の写真が入り口脇に掲げられている。札所会発行の公式ガイドブックには「本堂内に安置され一般に公開されている」とあるが、何らかの事情で秘仏に戻したのだろう。納経所は本堂入ってすぐの受付。

亀塚t正観世音菩薩とは聞き慣れない観音さまだが、亀の上に聖観音が立たれている珍しいもの。この辺りは以前は海岸で、亀にまつわる言い伝えがいろいろあるらしく、そこに由来しているのだろうか。隣接する公園も「亀塚公園」という名前だ。このお寺には日本で最初のフランス公使館が設けられ、境内にはそれを示す石碑も建っている。お寺とフランス公使館という組み合わせが興味深い。
(港区三田4-16-23)

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札所25番 三田山魚籃寺

道順の関係で、先に26番を打ってから札所25番の魚籃(ぎょらん)寺にお参りする。ここは正式の寺名より、「魚籃観音」の通称の方が有名だ。札所26番からはゆっくり歩いて10分ほど。

都内や近郊では有名な部類の観音さまなので広い境内を想像していたのだが、行ってみると結構コンパクトなお寺だ。このお寺も浄土宗で、札所本尊は「魚籃観世音菩薩」。その名の通り、魚の入った籠を腰に下げた、麗しい女性の姿の観音さまである。

お寺で頂いた縁起書によると、魚籃観音はもともと中国で信仰の厚かった観音さまで、仏法を広めるために魚売りの若い女性に姿を変えた観音さまにまつわる故事に由来するものだという。庫裏の玄関に江戸時代の書物の挿絵に彩色したものが掲げられているが、現在より境内も広いと思しき境内には茶店などもあり、多くの人でにぎわっている。納経の対応をして頂いたご住職の奥様によると、「当時は信徒寺で、参詣者でにぎわっていたようです」とのこと。その絵のそばには、魚籃観世音菩薩のレプリカが安置されている。

境内にある「おさかなの家」は、難病と闘う子どもとその親のための安価な宿泊施設「ファミリーハウス」のはしり。仏教ホスピスなどとともに、お寺の新たな社会への関わり方の一つだろう。美肌に霊験あらたかとされる「おしろい地蔵」もすぐ近くである。
(港区三田4-8-34)

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札所27番 来迎山道往寺

札所27番の道往寺は、魚籃寺から歩いて10分ほどで、今度は下り一方なので楽だw。ただ、魚籃寺方面から歩いてくると境内に向かう路地が見つけにくいので、道に迷いかけたら第一京浜まで出てしまった方が良い。目印は参道に接しているイラク大使館。

ここは浄土宗のお寺で、札所本尊は「聖観世音菩薩」と「千手観世音菩薩」の2体。境内はコンパクトで、本堂も田舎のお寺を彷彿とさせる造り。モダンな造りのお堂が多い江戸三十三観音だが、こういうお寺にお参りできると、どことなくほっとする。江戸三十三観音めぐりの入門書『昭和新撰 江戸三十三所観音巡礼』(朱鷺書房)にもその佇まいが絶賛されているのが頷ける。

先代ご住職(故人)の奥様が納経の対応をしてくださり、お寺の由来などをいろいろ伺う。趣の深い本堂は、戦災で焼け残ったものを戦後になり現在地へ曳き家したものという。当時は広大な境内だったことや、もともとは札所26番の隠居寺だったことなどを教えていただいた。「阿弥陀様の教えに従い、できる限り今のままの姿でやっていきたい」というお話に心を打たれる。奥様の対応も丁寧で、ありがたい限り。私の住まいの近くのあるお寺で、高校生くらいの娘さんが納経の対応を一生懸命されていたことを話すと、非常に感心されていた。
(港区高輪2-16-13)

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札所29番 高野山東京別院

第一京浜を南に歩いて、札所29番の高野山東京別院に向かう。途中に「江戸六阿弥陀」の石碑があるお寺があったが、六阿弥陀は城北方面のはずで、それとは別なのだろうか…埼玉県内の観音霊場でも、違う巡礼路に同じ名前が付いているケースがあるのだが。

高野山東京別院は、その名の通り高野山真言宗の総本山、金剛峯寺の東京別院。札所本尊は聖観世音菩薩で本堂の中に安置されているが、それとは別に大きな石像の観音さまが本堂脇に祀られている。お寺の本尊は弘法大師。永平寺の別院である札所22番と同じく、若い僧侶の修行道場としての位置付けられているようだ。

訪ねた時は「お大師様の日」の法要の真っ最中で、法要が終わるのを待ってから本堂にお参りする。ここは遍路道の「御府内八十八箇所霊場」の発願札所を兼ねていて、本堂の中には納め札を入れる箱が用意されている。納経所では御府内八十八箇所めぐりをしている男性と一緒になった。
(港区高輪3-15-18)

長くなるので続きは後ほど。

江戸三十三観音めぐり(4)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

先週の土曜日は、前夜からの雨も早くに上がって、絶好のお出かけ日和。
少し寝坊してしまったが、江戸三十三観音巡りの続きに出掛けてきた。
今日は、虎ノ門や芝、麻布周辺の札所を回る。初夏のような陽気で、コートを着て歩くと汗ばんでくる(笑)。

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札所20番 光明山和合院天徳寺

上野で地下鉄(前にも書いたが「東京メトロ」って言い方、抵抗あるんだよな)銀座線に乗り換え、虎ノ門へ。途中にある金毘羅様にお参りしてから、札所20番の天徳寺に向かう。

ここは愛宕山の麓にある、浄土宗のお寺。大通りの近くなのだが、緑が豊かな境内は静かなものだ。本堂はモダンな鉄筋コンクリート造りだが、札所本尊の聖観世音菩薩は、いかにも古刹と言った趣のある木造の旧本堂にお祀りされている。都会のお寺とは思えない、趣のある建物。

観音札所巡礼の旨を伝えると、観音様の前に案内してくださる。高さは40センチほどだろうか、それほど大きいわけではないが、いかにも年代を経ているような観音様で、いいお顔をしている。
(港区虎ノ門3-13-6)

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札所21番 大本山増上寺

天徳寺を出てから、せっかくここまで来たのだし愛宕神社にもお参りする。裏手から上ってNHK放送博物館のそばに出る道を登ったが、結構息が切れる…歳だな。増上寺へ向かう途中、はるか昔に派手なテレビCMを流していた中華料理店「留園」の前を通る。今はテナントビルになっているが、お店はやってるのかな…。

札所21番の増上寺は、浄土宗の大本山。近くにプリンスホテルや東京タワーがあるせいか、観光客の姿が多い。札所本尊の西向聖観世音菩薩は、本堂に向かって右側の道路沿いにある。この観音様は江戸三十三観音唯一の石像で、高さは7尺というから2メートルを超す、堂々たるもの。

観音様と道路の間には、水子地蔵尊がびっしりと並び、供えられた風車がくるくると回っている。傍目には美しく感じるのだろうか、外国人の参拝客がしきりにカメラのシャッターを切っていたが、水子地蔵の意味を分かっているのだろうか…。

納経所では「京浜四大本山めぐり」の案内書も頂いた。別の機会にお参りしよう。
(港区芝公園4-7-35)
※増上寺ホームページはこちら

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札所28番 金林山金地院

道順の関係で、札所28番の金地院へ先にお参りする。東京タワーのすぐ前にあり、ちょうどお昼時だったのでここで昼食を取る。東京タワーに来るのは30ウン年ぶりだが、結構な人手なのは昔と変わらず。広場では猿回しをやっていて、人だかりができていた。

ここは江戸三十三観音札所で唯一の臨済宗のお寺で、札所本尊は聖観世音菩薩。ここでも庫裏で観音札所巡礼に来た旨を話すと、本堂に入れて頂けた。元々は如意輪観世音菩薩を本尊としていたが、戦災に遭い復興する際に聖観世音菩薩に変わった由。禅宗のお寺らしく境内は枯山水の趣で、本堂の中もどこか張り詰めた雰囲気がある。
(港区芝公園3-5-4)

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札所22番 大本山永平寺別院長谷寺

金地院から飯倉交差点方面に下り、渋谷行き88系統の都バスで札所22番の長谷寺に向かう。首都高の渋滞情報でおなじみ「高樹町」ランプのすぐそば、富士フイルムのビルの裏だ。

このお寺は曹洞宗の総本山永平寺の東京別院で、「ちょうこくじ」と読む。札所本尊は十一面観世音菩薩。
この観音様は「麻布大観音」との別名にふさわしい、高さ約10メートルの堂々たる大きさ。クスノキの一本彫りで、その迫力はただ息を呑むばかりで、いつでも間近に拝めるのは素晴らしい。

長谷寺は曹洞宗の修行道場として位置づけられているお寺で、札所13番の護国寺でもそうだったが、納経所にいるお坊さんは、修行中とおぼしき若い人ばかり。きびきびと仕事をされていて、こちらも気持ち良い。本堂の奥からは、御詠歌のおさらいの美しい声が聞こえてきた。
(港区西麻布2-21-34)

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札所24番 長青山梅窓院

麻布界隈のおしゃれな店が立ち並ぶ界隈を、元来が田舎者の私は引け目を感じながら今日の打ち納めとなる札所24番の梅窓院へ向かう。土地柄だろうか結婚式場の類が多く、礼服姿の男女を多く目にする。

梅窓院は徳川幕府との縁が深い浄土宗の名刹だが、境内は数年前に装いを一新し、本堂はモダンなオフィスビルのような装いの建物。参道に植えられた竹が美しい。納経所の建物は独立しているが、本堂と統一したデザインのおしゃれな建物。1階にある観音堂ではお通夜の準備が始まっていたが、心配りで観音様を拝むことができた。札所本尊は泰平観世音菩薩。鑑真和尚が中国から勧請したもので、かつては武運長久、今は世界平和を祈る観音様として祀られている。
(港区南青山2-26-38)
※梅窓院のホームページはこちら

この後は明治神宮にお参りして帰宅。明治神宮の朱印代は500円だった。
次回は高輪周辺の札所を回る。残りは9つだ。

江戸三十三観音めぐり(3)

お出かけ 御朱印 日記 江戸三十三観音 霊場巡礼

今週は土曜日が出勤で、代わりに木曜日が休み。江戸三十三観音巡りの続きに出掛けてきた。

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札所14番 神霊山金乗院

池袋から地下鉄副都心線で雑司が谷に出て、急な坂を下りること数分、札所14番の金乗院に着く。
ここは「目白のお不動様」で知られる、真言宗豊山派のお寺。札所本尊は聖観世音菩薩だ。
目白のお不動様は結構有名だから大きなお寺とばかり思っていたが、コンパクトな境内にちょっと驚いた。しかし、このお寺は真言宗豊山派の小野塚幾澄管長の自坊でもある名刹で、都内の遍路道として知られる「御府内八十八箇所」の札所38番でもある。
目白のお不動様はもともと新長谷寺という別のお寺を指していたが、新長谷寺が戦災に遭ったため、戦後に合寺し不動明王を祀るようになっている。お不動様は、本堂右手の小さなお堂に安置されている。
(豊島区高田2-12-39)

 

札所15番 光松山放生寺

札所14番を出て、都電の面影橋電停のところで神田川を渡り、早稲田大学のキャンパスを巻くようなルートで、札所15番に向かう。途中にあった水稲荷神社にもお参りして、御朱印を頂く。

札所15番の光松山放生寺は、「一陽来福創始の寺」として知られる、高野山真言宗のお寺。札所本尊は聖観世音菩薩。金運や虫封じに御利益のある観音さまという。
お寺に着くと、本堂ではお葬式の準備の真っ最中。観音様は本堂右手の観音堂に祀られていて、こちらは気忙しい様子ではなかったが、慌しくお参りする。ここは灯明をあげてお線香を焚けるようになっていたので、私も従う。
お参りを終えて観音堂の中にある納経所を訪ねると、堂守の女性が「住職が手が放せないので、書き置きで良いですか?」と聞いてくる。状況は分かっているしお参りできただけありがたいので、お言葉に甘える。朱印帳にきちんと書き置きの半紙を張って頂き、お姿も添えてくださったので、ちょっと恐縮ものだ。
日を改めて本堂の方にもお参りしよう。
隣接する穴八幡にもお参りして、こちらでは「一陽来復」と墨書きした御朱印を頂いた。
(新宿区西早稲田2-1-14)
※放生寺のホームページはこちら
※葬儀の準備中だったため、写真はありません。

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札所16番 医光山長寿院安養寺

知人に教えてもらったそば店「長岡屋総本店」で昼食を取り、そのまま歩いて神楽坂にある札所16番の安養寺に向かう。
安養寺は「神楽坂の聖天様」として知られる、天台宗のお寺。札所本尊は十一面観世音菩薩で、お寺の本尊は薬師瑠璃光如来だが、現在のご住職が比叡山で荒行を達成された時に贈られた聖天様を御本尊と思っている人が多いのではないだろうか。出世開運にご利益のあるお寺なのは間違いないところだが。

庫裏に御朱印を頂きに伺うと、本堂を開けて下さって御本尊を拝むことができた。御宝前で般若心経を唱え、ご住職の奥様から仏様や飾られている仏様の絵についてのお話を伺う。聞けば、奥様は滋賀県の御出身。かつて滋賀県の新聞社に勤めていた私とは意外なご縁である。
(新宿区神楽坂6-2)

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札所18番 金鶏山真成院

札所番号が一つ飛ぶが、できるだけ合理的に回るため先に札所18番の真成院にお参りする。ここは四ツ谷の、以前文化放送があった辺りにある高野山真言宗のお寺で、「四谷霊廟」の通称の方が通りが良い。札所本尊は潮干十一面観世音菩薩。
「潮干観音」とは聞き慣れない名前の観音様だが、その昔このお寺の一帯は海が近く、潮の満ち引きに合わせて観音様の台石が濡れていたことに由来するのだとか。ここは、関東九十一薬師や御府内八十八箇所の札所でもある。

お寺の建物は納骨堂を合築したビル形式になっていて、そのことから「四谷霊廟」という別名があるのだが、観音堂はその一番上の階にある。受付でお参りに来た旨を告げると、観音堂に入ってお参りしてくださいとのことで、お言葉に甘える。

こちらは癌など難病に霊験があるお寺として知られる。先代のご住職は、密教関係の本を多数出版されている織田隆弘師である。
(新宿区若葉2-7-8)
真成院ホームページはこちら

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札所17番 如意輪山宝福寺

四谷三丁目から地下鉄丸の内線で方南町に向かう。地図で見ると方南町駅からの距離は大したことないのだが、道が入り組んでいて分かりにくい。何やら警戒中の警察官に道を尋ねたが、管轄が違うとのことで素っ気無い返事。持参の地図を頼りに、どうやらたどり着いた。

境内は23区内のお寺とは思えない広さで、辺りには静寂さが漂っている。ここは真言宗豊山派のお寺で、通称は「中野観音」。札所本尊は如意輪観自在菩薩で、すべての願いを叶えてくれるとされる観音様である。

観音様は本堂左側にある、木造のお堂に納められている。文字が消えかかった札所の看板が、歴史を物語っている。若い奥様が御朱印の対応をして下さったが、ものすごく礼儀正しく、いかにも「寺庭婦人」という趣の方である。
(中野区南台3-43-2)

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札所19番 医王山東円寺

地下鉄の車庫を回り込むようなルートで、今日の打ち納めとなる札所19番の東円寺に向かう。お日さまが大分傾いてきたので、ちと先を急ぐ。
東円寺も真言宗豊山派のお寺で、札所本尊は聖観世音菩薩。観音様は本堂左側の観音堂に祀られている。

ここのお寺、寺務所の建物がものすごくモダンな造り。納経所になっている1階の受付など、まるで美術館のロビーのようでちょっと戸惑うが、出てこられた女性はきびきびと御朱印の対応をして下さった。
(杉並区和田2-18-3)

この後は新宿で行われた、転勤する同僚の内輪の送別会に合流。

次回は虎ノ門の札所20番から回る。

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サーバーのレスポンスが異常に悪い状態が続いており、今回も取り急ぎ文字のみのアップとなること、悪しからず。
サーバー障害が長期化しそうなので、使うサーバー屋の乗り換えを検討中。

江戸三十三観音めぐり(2)

お出かけ 御朱印 日記 江戸三十三観音 霊場巡礼

先週の1月28日、江戸三十三観音巡りの続きに出掛けてきた。すぐブログを更新したかったのだが、風邪を引いたり借りているサーバーの調子が悪かったりで、アップするのが遅れてしまった。

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札所4番 諸宗山無縁寺回向院

お葬式の最中で前回お参りできなかった、両国の回向院から回っていく。
山門を一歩くぐると、大通りに面しているとは思えない静けさだ。参道両側の竹が美しい。本堂はホール形式になっていて、靴を履いたままお参りできる。大きなお葬式や法事が多いお寺では、こうした方が合理的なのだろう。

本尊の阿弥陀如来にお参りしてから、本堂の脇にある白いお堂に奉安されている、札所本尊の馬頭観音にお参りする。馬頭観音の周囲はペット用の納骨堂になっていて、愛犬や愛猫の名前が書かれた札がずらりと並んでいる。
馬頭観音といえば「怒りの表情」が一般的だが、ここの観音様は優しいお顔で、ペットの冥福を優しく祈っているようにも思える。

ここは浄土宗のお寺だが、「諸宗山無縁寺回向院」という正式な寺名が示す通り、大火や震災、戦災で亡くなった人の仏を供養するお寺。今はペットの供養に力を入れているようだ。お寺の方の対応も親切で、寺宝の文化財の絵葉書や仏教関係の雑誌を頂いた。この雑誌、「大黒天と恵比寿神のお話」という読み物が面白い。
(墨田区両国2-8-10)
※回向院ホームページはこちら

 

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札所7番 柳井堂心城院

両国から都営地下鉄大江戸線で上野御徒町に出て、札所7番の柳井堂心城院に向かう。

湯島天神の男坂のそばにあるこの札所は、天台宗のお寺。
札所本尊の十一面観世音菩薩ともに大聖歓喜天をお寺の本尊としていて、「湯島聖天」の通称で知られる。
本堂も境内も「田舎のお堂」然としていて、コンパクトだ(本堂は鉄筋コンクリートだが)。

御朱印を頂くとき、「お下がりです」とお菓子を頂戴する。一見何でもないことだが、霊場を巡礼しているとこういう心配りがすごく嬉しい。石段を登って湯島天神にもお参りするが、こちらはすごい人出。まあ学問の神様で、今は「書き入れ時」だが、境内のあちこちには合格祈願の絵馬が鈴なりに下げられていた。
(文京区湯島3-32-4)
※柳井堂心城院ホームページはこちら

 

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札所9番 東光山定泉寺

本郷3丁目まで歩き、そこから都バスに乗って吉祥寺前で降りる。札所9番の定泉寺は、バスが走る通りを少し本郷方向へ戻ったところにある。
この周辺はいくつかの札所が集まっているので、札所の番号にとらわれずできるだけ「一筆書き」になるように回る。
定泉寺は浄土宗のお寺で、札所本尊は十一面観世音菩薩。御朱印を頂きに庫裏の玄関を訪ねると、「御朱印を書いている間本堂でお参りしてください」とのことで、お言葉に甘える。
本堂にはお数珠の持ち方など、浄土宗のお参りの作法が分かりやすく掲示されている。

朱印帳を受け取る際、以前行田霊場を巡るときにも気になっていた「浄土宗のお寺で般若心経を唱えて良いのか」という疑問をぶつけてみた。
ご住職は「浄土宗には、唱えてはいけないお経はありません。心配せず般若心経を唱えていただいて大丈夫ですよ」との答え。ほっとした。
こちらのお寺では、半月状のお寺の名前が入った瓦せんべいをお下がりに頂く。三十三観音巡り関連のホムペやブログを見ると、どうやらここのお寺の名物らしい。もうしばらく神様に供えてから食べることにする。
(文京区本駒込1-7-12)

 

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札所8番 東梅山花陽院清林寺

札所8番の清林寺は定泉寺からは歩いて10分足らず。

こちらも浄土宗のお寺。札所本尊の聖観世音菩薩は、庫裏玄関の左側にあるガラス窓の内側に安置されていて、山門が開いている時間は気軽に拝むことができる。

このお寺は、毎年秋に開いている「講演の夕べ」や般若心経の英訳など、ご住職の文化的な取り組みが有名なお寺。
建設中の三重塔も知る人ぞ知る存在。
朱印帳と一緒に納め札を差し出すと、きちんと観音様の前に供えてくださった。ありがたい限り。
(文京区向丘2-35-3)
※「清林寺さんがの会」ホームページはこちら

 

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札所10番 湯嶹山常光院浄心寺

札所10番の浄心寺は、本郷通り沿いにあって、彩色された大きな布袋尊がお寺の目印。浄土宗のお寺で、鉄筋コンクリートの立派な本堂を備える。札所本尊は「子育て桜観音」と呼ばれる十一面観世音菩薩。
ご住職が不在とのことで、この三十三観音めぐり初となる書き置き朱印を頂く。こちらのご住職は、生命と仏教の問題に造詣が深く、生命倫理学会や仏教ホスピスなどの活動で知られているほか、仏前結婚式も手掛けられている。
(文京区向丘2-17-4) ※浄心寺ホームページはこちら

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札所23番 金龍山大円寺

江戸三十三観音霊場が「昭和新撰」となって再編成される時に欠番を埋める関係だろうか、向丘周辺でこのお寺だけが20番台の札所番号を持つ。山号は浅草寺と同じだが、こちらの札所は曹洞宗のお寺。都立向丘高校の裏手にあり、八百屋お七ゆかりの「焙烙(ほうろく)地蔵」が有名なお寺だ。札所本尊は聖観世音菩薩。
こちらも本堂の前でお参りしてから庫裏に御朱印を頂きに伺うと、応対してくださったご住職の奥様が「本堂でお参りしてください」とのことで、お言葉に甘える。お寺の中は何やら普請の最中でお忙しいはずなのに、奥様が御本尊やもともとは高村光雲の作だった七つの観音像について丁寧に説明してくださる。光雲の手による観音像は戦災に遭ってしまったが、難を逃れた胎内仏を基に戦後になり光雲の弟子らが再現したものが、現在の七観音という。金色に輝く大きな観音様を間近に拝むのは初めてで、しばし迫力に圧倒される。
このお寺では、私が持っていた数珠が切れているのに気付いた奥様が代わりの数珠を下さったり、曹洞宗の暦を頂いたりした。早くお礼参りをせねば。
(文京区向丘1-11-3)

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札所11番 南縁山圓乘寺

境内に八百屋お七の墓があることで知られる、天台宗のお寺。札所本尊は聖観世音菩薩。細い道に面して八百屋お七の墓があって、その脇を参道が入っていくちょっと奥まった場所にあるお寺だ。
本堂は鉄筋コンクリート造りだが、田舎のお堂然としたコンパクトな大きさだが、ちゃんと納経所が設えてあるのは、さすが江戸観音の札所。お七の墓があるせいだろうか、参拝者が絶えない。参道は周辺の生活道路になっている。
(文京区白山1-34-6)

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札所12番 無量山傳通院壽経寺

3時を過ぎて雲行きも怪しくなってきたが、頑張ってもう少し回る。圓乘寺からは少し距離があり、急な坂を上る。途中には善光寺の別院もあった。
傳通院は、徳川家との関係が深いことで知られる浄土宗のお寺。札所本尊は無量聖観世音菩薩。
木像の観音様は本堂の中に祀られているが、それとは別に納経などを扱う「観音堂」の中にも、金色の観音様が祀られている。こちらの観音様の前にはテーブルや椅子が設えてあって、暫しの休息ができる。観音様の近くでお茶を頂けるなんて、ありがたいことだ。
(文京区小石川3-14-6)
※傳通院ホームページはこちら

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札所13番 大本山護国寺

傳通院から地下鉄三田線の白山駅に出て(今考えると春日駅を使った方が良かった)、千石駅で都バスに乗り換えて護国寺に向かう。
ここは、真言宗智山派の大本山。札所本尊は如意輪観世音菩薩。大本山だけあって、とにかく境内が広い。本堂に「お参りご苦労さま」というイラストを添えた張り紙がしてあるのが、微笑ましくいい感じだ。その本堂の前では、大きな仮設舞台の普請で職人さんらが大忙し。節分会で使うのだろうか。
御朱印はモダンなオフィスビルという趣の本坊(寺務所)で頂く。ここは多数の霊場の札所になっているので、浅草寺と同じく「江戸三十三観音の巡礼」と伝える必要がある。対応してくださったのは修行中と思しき若いお坊さんだったが、きびきびと仕事をされていた。
ここのお寺の特徴は、「大本山」でありながら地域の人たちの暮らしに溶け込んだお寺であることのようだ。境内では中学や高校の部活のトレーニングが行われていたし、親子で境内を散歩する光景も見られた。小さな男の子を連れた若いお母さんは、本堂の前で「なむなむしてから帰ろうね」と坊やに話し掛け、本堂の前で揃って手を合わせていた。若いお母さんでも、こういう人がいるんだな。
※護国寺ホームページはこちら

次回は札所14番の目白不動から回るが、次の休みまでに風邪が治るかな…。

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歳のせいか、風邪を引くと体力もそうだが気力を消耗するようになった。写真のアップは後日になるが、重ねて御容赦の程を。

江戸三十三観音めぐり(1)

お出かけ 御朱印 日記 江戸三十三観音 霊場巡礼

先日のこのブログにも書いたが、「昭和新撰江戸三十三観音霊場」を回ることにした。
もともとは江戸時代に開創された霊場だが、その後の変遷を経て戦後になってから現在の姿になった。札所1番の浅草寺から、札所33番の目黒不動尊まで、番外1カ所を含む34のお寺が、東京23区の各地に散らばっている。
歩き甲斐が有りそうだし、私の通常の行動パターンからは完全に外れている中野区や世田谷区のお寺もあり、いろいろな発見もありそうだ。インターネット上の情報では、法話好きのご住職が巡礼者をなかなか帰してくれない「難所」とされる札所もあるようで、その点でも楽しみである。

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札所1番 金龍山浅草寺

昨日は一時小雪が舞うあいにくの空模様だったが、予定通り札所1番からお参りしていく。
札所1番の浅草寺は、言わずもがなの「浅草の観音様」。訪れたのが土曜日の昼前ということもあるが、雷門から本堂(観音堂)まで人の波が続く。
浅草寺の札所本尊は聖観世音菩薩。ちなみに浅草寺は「聖観音宗」という独立した宗派である。
本堂にお参りして、奥まった場所にある納札箱へ納め札を入れてから朱印所へ向かったのだが、こちらも長い行列。境内が相当混雑していても朱印所だけは空いていることが多いのだが、どういう風の吹き回しだろうか。列が長い上に七福神と観音様両方の御朱印を頂く人が多く、列は長くなる一方。私の番が来るまで15~20分ほどかかっただろうか。
浅草寺は坂東霊場の札所も兼ねているので、御朱印を受ける時は「江戸三十三観音の巡礼」と朱印所の人にきちんと告げないと、坂東札所の朱印が押されてしまう。
(台東区浅草2-3-1)

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札所2番 江北山清水寺

仲見世を少し雷門方向へ戻り、伝法院通りとの交差点を右に曲がり、あとは伝法院通りをひたすら合羽橋方向に歩く。清水寺は正午から午後1時まで御朱印を受け付けていないことは知っていたので、途中の「浅草テプコ館」で時間調整を兼ねた小休止。1階のロビーでは一コマ漫画の展覧会をしていたが、知り合いが出展していてちょっとびっくり。
清水寺は「せいすいじ」と読み、天台宗のお寺で札所本尊は千手観世音菩薩。ここは合羽橋道具街のメーンストリートに面していて、鉄筋コンクリートのモダンな造りのお寺だ。本堂は2階にあり、例によって外で「般若心経」を誦んでから御朱印を頂きに寺務所に伺うと「本堂でお参りしてください」とのことで、お言葉に甘える。お線香を上げ、般若心経を再び誦んでから寺務所に伺うと、ご朱印が出来上がっていた。
ここのお寺、平日の日中は法事などが行われていない限り、本堂内でお写経ができるという。快く本堂に上げて頂いたことといい、できるだけ地域に開かれた運営を心掛けているお寺のようだ。
(台東区松が谷2-25-10)

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札所3番 大観音寺

清水寺を出た後、実は先に札所4番の回向院にお参りしようと菊屋橋から両国行きの都バスに乗ったのだが、バスを降りると目の前の回向院では檀家さん? のお葬式の最中。とてもお参りできる状況ではなく、そのまま人形町にある札所3番の大観音寺に向かう。
大観音寺は浅草寺の末寺に当たり、札所本尊は聖観世音菩薩。人通りが多い人形町通りに面しているお寺だが、日中は本堂に上がってお参りやお写経をすることができる。私ももちろん、本堂に上がって、前立ち本尊の前で般若心経を誦む。ご住職の奥様と思しき女性がご朱印の対応をして下さったが、なかなか力強い墨書きである。朱印所には巡礼用品が結構品揃えされていて、本寺の浅草寺の授与所や朱印所では見かけなかった物も多い。
(中央区日本橋人形町1-18-9)

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札所5番 新高野山大安楽寺

大観音寺を出てから、人形町通りをまっすぐ岩本町方面に進み、札所5番の大安楽寺に向かう。
ここは高野山真言宗のお寺で、札所本尊は十一面観世音菩薩。隣接する身延山別院と併せ、時代劇によく出てくる「小伝馬町牢屋敷」の跡にあるお寺として知られる。やや古めかしい鉄筋コンクリート造りの本堂だが、関東大震災に遭った本堂を1929(昭和4)年に再建したものという。その後の戦災はこの一角だけは被害を免れた由。
御朱印は本堂脇の庫裏で受けるのだが、ご朱印と一緒に小さなお姿を頂いた。300円の朱印代ではちょっと申し訳ない気分…。
このお寺でお参りしていて気になったのが、参拝者のマナー。私が本堂前で心経を誦んでいる最中、後ろからやってきた50代くらいのカップルは本堂に手を合わせることすらなく、お経を誦む私に訝しげな視線を送りながら庫裏の玄関へ直行し、朱印帳を差し出していた。ご住職から朱印帳を受け取った後、私に大観音寺への道順を聞いたが、こちらが説明しても「ありがとう」の一言すらない。こういう方は、浅草寺で朱印を受けると合紙代わりに添えてくれる、「ご朱印について」という印刷物を33回、いや108回ほど読むといい。情けない限りだが、浅草寺や清水観音堂で最近多い西洋系外国人の方が参拝や朱印を受けるときのマナーはしっかりしている。
そういえば、先日東海七福神を回った時も某寺社に「朱印帳は開いて渡すこと」という張り紙があったが、あの世代の参拝マナーって本当に良くない。
(中央区日本橋小伝馬町3-5)

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札所6番 東叡山清水観音堂

小伝馬町から地下鉄で仲御徒町へ。「鈴本演芸場」に好きな噺家が出ていたら寄って行こうと思って前を通るが、顔ぶれを見て寄るのをやめ、上野公園内を散歩。日が暮れかかっていたが、「清水観音堂」が開いていたのでお参りする。
札所2番とは違い、こちらは清水を「きよみず」と読み、同じ上野にある天台宗寛永寺の末寺に当たる。その名の通り、京都の清水寺の舞台を模した造りだ。
場所柄もあるのか散歩感覚でお参りしている人が多い。朱印帳を手にした外国人の姿も目立つ。
(台東区上野公園1-29)

本日の巡礼はここまで。次回は回向院にお参りしてから、湯島など文京区方面の札所を巡ろうと思う。
ところで、観音霊場や弘法大師霊場を回る時に欠かせないのが納札とも呼ばれる「納め札」。私も札所で奉納しようと思い、浅草の巡礼用品店で探したが、江戸札所用のものはないようだ(秩父札所や坂東札所向けには、専用の納札があったのだが)。試しに自作してみたので、PDF形式にしてここで公開させていただく。次に江戸札所を回る誰かのために、私からの「お接待」だ。
江戸三十三観音納札(PDF)
※別ウインドウで開きます。
※利用するにはPDF閲覧ソフトが必要です。

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