葛飾坂東観音巡礼記(6)

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葛飾坂東観音巡礼記の続き。

番外札所 長谷寺(長谷観音)

お参りの2日目は、古河市の中心部にほど近い、番外札所の長谷寺さまから打ち始めることにした。地域では「長谷観音」の通称で親しまれ、お正月などはかなりのにぎわいになるお寺だ。

こちらでは、葛飾坂東のお参りの人は本堂に上がってほしい旨の張り紙があった。札所本尊の十一面観世音菩薩に手を合わせてから、お納経をする仕組みだ。
納経所では、「1つなめると5年長生き」という触れ込みの、「長谷観音の黒玉」なる飴を有償で分けていただける。妻を置いてお参りに来たせめてもの罪滅ぼしにと、1袋を分けていただいてお土産にした。

妻は飴の味を気に入ったようで、「おいしい」と言いながらなめている。どのくらい長生きするのだろうか。
(真言宗豊山派 茨城県古河市長谷町5-1=地図

31番札所 中谷観音寺

車を北東に走らせ、31番札所の中谷観音寺さまに向かう。

こちらは、葛飾坂東の札所の中で唯一、栃木県内にある札所である。もっとも、観音寺さまがある野木町は歴史的に古河地域との結びつきが強いうえに、目と鼻の先は古河市内という立地にある。

地区管理のお堂とお見受けしたが、御開帳に合わせて手入れをされたらしく朱塗りが目にも鮮やかで、堂内には札所本尊の十一面観世音菩薩が祀られている。展示物は「昔の生活用品」がテーマで、見覚えのある品々も多く、しばし懐かしい気分にさせてくれた。
(真言宗豊山派 栃木県野木町中谷栗山251=地図

30番札所 普門院

今度は車を南に走らせ、30番札所の普門院さまに向かう。ここからは再び、茨城県内の札所となる。札所の敷地は国道125号に面しているのだが、お堂が奥まった場所にあるため、目印の幟に注意しないと見過ごしてしまう恐れがある。札所本尊は聖観世音菩薩。

境内では、三陸の漁師さんらが参加した震災復興のイベントが行われていた。そういえば、震災で被害を受けながら再興を果たした「気仙三十三観音」のお参りにまだ行けていない。
(真言宗豊山派 茨城県古河市西牛谷92=地図

32番札所 如意輪堂

国道125号を東に進み、小堤交差点を北に入って32番札所の如意輪堂様に向かう。なかなかそれらしいお堂が見つからずにちょっと不安になったが、ちょっと小高い場所にある墓地の周囲に御開帳を知らせる幟が立っており、ほっとした。

お堂は墓地の中にあり、札所本尊はお堂の名の通り如意輪観世音菩薩である。

今回の御開帳では各札所でさまざまな出店がなされているが、こちらのお堂では農機具の安売りが行われていた。これも地域性なのだろう。
(真言宗豊山派 茨城県古河市小堤1122-4=地図

33番札所 円満寺

来た道を戻って国道125号の小堤交差点まで来ると、33番札所の円満寺さまはすぐ近くだ。

境内はかなり広く、「地域の大寺」という感じのお寺であり、それ故か葛飾坂東観音霊場会の事務局を務められている。本堂の脇にある観音堂に札所本尊の十一面観世音菩薩が祀られている。お納経をお願いすると、帳面に御開帳記念の特製散華を添えていただいた。いい記念になりそうだ。
(真言宗豊山派 茨城県古河市小堤1405=地図

29番札所 千手堂

再び小堤交差点に戻り、今度は南に下って関戸交差点近くの29番札所の千手堂さまに向かう。近くのコンビニの裏手が駐車場になっており、そこに車を置いてお参りに向かう。札所本尊は千手観世音菩薩である。地名を取って「関戸観音」の通称がある。

お堂出るとき、境内の一角に小さな大師堂があるのを見つけた。詳しい縁起などは分からなかったが、地域性を考えるとこの地でもかつて送り大師の風習があったと見るべきなのだろうか。
(浄土宗 茨城県古河市関戸1229=地図

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