葛飾坂東三十三観音

葛飾坂東観音巡礼記(8=完)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

葛飾坂東観音巡礼記の続き。

22番札所 宝蔵寺

24番札所の円能寺さまを出て、案内板に従い22番札所の宝蔵寺さまに向かう。

幼稚園も経営されている大きな寺院で、祀られている仏像から鎌倉時代の創建と考えられているようだ。本堂と向かい合うように建つ観音堂で御開帳が行われている。札所本尊は聖観世音菩薩である。

こちらは布教に特に力を入れている寺院のようで、お茶を頂いた客殿にはいろいろな催しの告知が張り出されていた。掲示板にはご住職の略歴も張り出されていたが、民間企業出身の由で、その時の経験を生かされているのかもしれない。
(真言宗豊山派 茨城県古河市諸川342-1=地図

23番札所 長性寺

23番札所の長性寺さまは、宝蔵寺さまから目と鼻の先にある。車を宝蔵寺さまの駐車場に引き続き置かせていただき、徒歩で長松寺さまに向かう。

個人病院の敷地を回り込むように延びる路地を進むと、その傍らに長性寺さまのお堂が建っている。1間半四方くらいだろうか、小さなお堂の中に札所本尊の十一面観世音菩薩が祀られている。

観音堂の隣には、さらに小さな地蔵堂があり、観音堂とともにきちんと手入れがされている。地元の方の信仰がしのばれる。
(真言宗豊山派 茨城県古河市諸川430=地図

番外札所 永光寺

車を東に進め、番外札所の永光寺さまに向かう。駐車場から境内までは結構標高差があり、少し汗をかきながら石段を上る。

こちらも幼稚園を経営されている規模の大きな寺院だ。札所本尊は十一面観世音菩薩である。春には牡丹を目当てに多くの人がお参りに訪れるようだ。

こちらは北関東三十六不動関東八十八カ所(東国遍路)の札所にもなっている。北関東三十六不動には以前から興味があり、回り方などを教えていただいた。パンフレットのようなものがあるか尋ねてみたが、あいにく在庫切れの由だった。
(真言宗豊山派 茨城県古河市尾崎954=地図

21番札所 遍照院

車を北に進めると、街道沿いの広場に御開帳を知らせる幟が立ち、地元の方が車を誘導している。指示された場所に車を止め、路地を入った先にある21番札所の遍照院さまに向かう。

お堂は路地に面して建っており、その中に札所本尊の馬頭観世音菩薩が祀られている。葛飾坂東で馬頭観音を札所本尊にする唯一の存在である。

私は午歳生まれということもあり、煩悩を食べていただこうと念じながらお勤めしてきた。馬頭観音様に願いは通じただろうか。
(真言宗豊山派 茨城県古河市尾崎880=地図
※地図の位置はお堂付近であることにご注意ください。

34番札所 養性寺

葛飾坂東のお参りもいよいよ大団円である。車を南に走らせ、34番札所の養性寺さまに向かう。近くにある地区の施設が駐車場になっており、そちらに車を止めてお参りする。路地の先にお堂があり、札所本尊の十一面観世音菩薩が祀られている。

無事に結願できたことを感謝しながらお勤めをさせていただく。御開帳の伝統を守る地域の方の優しい心にも触れ、気分を新たにすることができたお参りだった。霊場会の公式サイトによると期間中にお参りされた方は延べ3万人にも達したようで、首都圏のローカル霊場としてはかなり大きな部類に入る筈だ。12年後の御開帳には、再びお参りさせていただこうと思っている。
(真言宗豊山派 茨城県古河市恩名2362=地図

葛飾坂東観音巡礼記(7)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

前回の更新から間隔が空いてしまったが、葛飾坂東観音巡礼記の続きである。

28番札所 福智院

29番千手院さまから街道を東に進み、28番札所の福智院さまにお参りする。例によって御開帳を知らせる幟に従って進むと、駐車場の交通整理をする方が見えた。ネット情報の一部では開帳場所について異なる記載もあったようだが、札所本尊の十一面観世音菩薩を祀るお堂で御開帳が行われていた。

お堂のある地区では、今でもなお十九夜講や二十日講の伝統が続いているという。関東でこういった講が続いているのは珍しいのではないだろうか。
(真言宗豊山派 茨城県古河市稲宮1079=地図

番外札所 小久保堂

続いて車の進路を北に変え、番外札所の小久保堂さまに向かう。街道から延びる農道に案内の幟が立ち、お堂のある屋敷に巡礼者を導いている。

こちらの札所は個人が管理されており、お堂の名の「小久保」は持ち主の方の姓から取ったもの。古くから続く豪農の家系のようである。屋敷内の奥まった場所に小さなお堂があり、札所本尊である金銅仏の十一面観世音菩薩を祀っている。この観音様はここちらのお宅の守護仏であり、古河市の文化財に指定されている。

お納経とお接待は庭先で行われていた。管理者の方の娘さんかお孫さんなのだろうか、幼稚園くらいのかわいい女の子が、「ようこそお参りです」と挨拶しながらお茶を運んでいたのが印象に残る。
(真言宗豊山派 茨城県古河市上大野1489=地図

27番札所 真定院

小久保堂さまから27番札所の真定院さまに向かう番地は少し飛んでいるが距離はほんのわずかで、番外さんを出るとすぐ、27番の幟が見えてくる。

こちらは地区管理のお堂で、境内に入って右側の堂宇で御開帳が行われていた。札所本尊は十一面観世音菩薩である。
境内の奥にある建物では、おなじみの人形展示などが行われていた。校舎のような造りの建物だったが、境内に隣接して学校でもあったのだろうか。
(真言宗豊山派 茨城県古河市上大野1999=地図

26番札所 一乗院

いったん国道125号に戻り、幟を頼りに車を東に進めて26番札所の一乗院さまに向かう。かつての寺院跡地とおぼしき場所に地区のコミュニティー施設が建ち、その一角にある観音堂で御開帳が行われている。札所本尊は十一面観世音菩薩である。

お堂はやや古びた感じだが、御詠歌を記した扁額は取り付けられて間もない感じがした。今回の御開帳に合わせて整備したのだろうか。
(真言宗豊山派 茨城県古河市下片田364=地図

24番札所 円能寺

再び国道125号に戻り、諸川交差点を北に入って案内板の通りに進むと、24番札所の円能寺さまに着く。こちらは22番札所の宝蔵寺さまの末寺で、札所本尊は聖観世音菩薩。かつては安産の観音様として信仰を集めていたようだ。

こちらでは、2日目の巡礼で何度も見かけた方と再びご一緒する。お接待をされていた地域の方が、「国会議員の先生」だと問わず語りで教えてくれた。
(真言宗豊山派 茨城県古河市五部348=地図

葛飾坂東観音巡礼記(6)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

葛飾坂東観音巡礼記の続き。

番外札所 長谷寺(長谷観音)

お参りの2日目は、古河市の中心部にほど近い、番外札所の長谷寺さまから打ち始めることにした。地域では「長谷観音」の通称で親しまれ、お正月などはかなりのにぎわいになるお寺だ。

こちらでは、葛飾坂東のお参りの人は本堂に上がってほしい旨の張り紙があった。札所本尊の十一面観世音菩薩に手を合わせてから、お納経をする仕組みだ。
納経所では、「1つなめると5年長生き」という触れ込みの、「長谷観音の黒玉」なる飴を有償で分けていただける。妻を置いてお参りに来たせめてもの罪滅ぼしにと、1袋を分けていただいてお土産にした。

妻は飴の味を気に入ったようで、「おいしい」と言いながらなめている。どのくらい長生きするのだろうか。
(真言宗豊山派 茨城県古河市長谷町5-1=地図

31番札所 中谷観音寺

車を北東に走らせ、31番札所の中谷観音寺さまに向かう。

こちらは、葛飾坂東の札所の中で唯一、栃木県内にある札所である。もっとも、観音寺さまがある野木町は歴史的に古河地域との結びつきが強いうえに、目と鼻の先は古河市内という立地にある。

地区管理のお堂とお見受けしたが、御開帳に合わせて手入れをされたらしく朱塗りが目にも鮮やかで、堂内には札所本尊の十一面観世音菩薩が祀られている。展示物は「昔の生活用品」がテーマで、見覚えのある品々も多く、しばし懐かしい気分にさせてくれた。
(真言宗豊山派 栃木県野木町中谷栗山251=地図

30番札所 普門院

今度は車を南に走らせ、30番札所の普門院さまに向かう。ここからは再び、茨城県内の札所となる。札所の敷地は国道125号に面しているのだが、お堂が奥まった場所にあるため、目印の幟に注意しないと見過ごしてしまう恐れがある。札所本尊は聖観世音菩薩。

境内では、三陸の漁師さんらが参加した震災復興のイベントが行われていた。そういえば、震災で被害を受けながら再興を果たした「気仙三十三観音」のお参りにまだ行けていない。
(真言宗豊山派 茨城県古河市西牛谷92=地図

32番札所 如意輪堂

国道125号を東に進み、小堤交差点を北に入って32番札所の如意輪堂様に向かう。なかなかそれらしいお堂が見つからずにちょっと不安になったが、ちょっと小高い場所にある墓地の周囲に御開帳を知らせる幟が立っており、ほっとした。

お堂は墓地の中にあり、札所本尊はお堂の名の通り如意輪観世音菩薩である。

今回の御開帳では各札所でさまざまな出店がなされているが、こちらのお堂では農機具の安売りが行われていた。これも地域性なのだろう。
(真言宗豊山派 茨城県古河市小堤1122-4=地図

33番札所 円満寺

来た道を戻って国道125号の小堤交差点まで来ると、33番札所の円満寺さまはすぐ近くだ。

境内はかなり広く、「地域の大寺」という感じのお寺であり、それ故か葛飾坂東観音霊場会の事務局を務められている。本堂の脇にある観音堂に札所本尊の十一面観世音菩薩が祀られている。お納経をお願いすると、帳面に御開帳記念の特製散華を添えていただいた。いい記念になりそうだ。
(真言宗豊山派 茨城県古河市小堤1405=地図

29番札所 千手堂

再び小堤交差点に戻り、今度は南に下って関戸交差点近くの29番札所の千手堂さまに向かう。近くのコンビニの裏手が駐車場になっており、そこに車を置いてお参りに向かう。札所本尊は千手観世音菩薩である。地名を取って「関戸観音」の通称がある。

お堂出るとき、境内の一角に小さな大師堂があるのを見つけた。詳しい縁起などは分からなかったが、地域性を考えるとこの地でもかつて送り大師の風習があったと見るべきなのだろうか。
(浄土宗 茨城県古河市関戸1229=地図

葛飾坂東観音巡礼記(5)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

葛飾坂東観音の巡礼記の続き。

18番札所 久昌院

番外の鍋入観音さまを出て、18番札所の久昌院さまに向かう。こちらも直線距離はあまり離れていないような気がするが、車道中だと結構回り道になるようだ。

こちらのお寺は、昨年御開帳があった猿島阪東観音霊場9番札所を兼務している。ただ、葛飾坂東の札所本尊は十一面観世音菩薩で、お堂も葛飾坂東と猿島阪東(こちらの札所本尊は千手観世音菩薩)で分けられている。

猿島阪東の時と同様、境内には何軒かの露店が出ている。小腹が空いたので何か食べようと思ったが、折からの強風のせいか私が訪れた時には店じまいの最中だった。
(曹洞宗 茨城県古河市山田503=地図

19番札所 万福寺

久昌院さまを出て、19番札所の万福寺さまに向かう。

境内の奥に小ぶりな観音堂があり、札所本尊の如意輪観世音菩薩はそちらで御開帳されている。こちらの観音様は子宝や安産の御利益があるとして、地域の信仰を集めているようだ。観音様は最近の調査で、霊場が開かれた1714年に修復されたことが分かったという。

境内ではお参りの順路が示されており、本堂に上がってご本尊のお不動様もしっかり拝ませていただいた。お寺の公式サイトはこちら
(真言宗豊山派 茨城県古河市尾崎4477=地図

20番札所 観行院

万福寺さまから車を北に走らせ、20番札所の観行院さまに向かう。
通りを挟んで路地を入ったところにある神社の境内が駐車場に指定されていて、そちらに車を置いてお参りする。

通りに面して紅白に飾られた門が建てられ、葛飾坂東の札所であることをアピールしている。札所本尊は聖観世音菩薩。現在は地区管理のお堂のようだが、もともとは吉良上野介家臣と関係があるお寺のようで、かつては堂々とした伽藍を有していたとされる。
(真言宗豊山派 茨城県八千代町塩本15=地図

番外札所 八町観音

観行院さまから車を東に走らせ、番外の八町観音さまに向かう。

こちらのお寺は正式には「新長谷寺」という寺号で、札所本尊は寺号の通り十一面観世音菩薩。八町観音の通称は、境内が8町歩あったことにちなんでいる由。ご本尊などが町の有形文化財に指定されている。

八町観音さまは葛飾坂東のほか、関東八十八カ所(東国遍路)と東国花の寺の札所を兼務されている。汎用の帳面で回るときは、葛飾坂東の納経と一声添えた方がいいかもしれない。
(真言宗豊山派 茨城県八千代町八町149=地図

25番札所 大善寺

陽が少し傾いてきたが、開帳受け付け終了の午後5時まで少し時間があったので、もう1枚打っておこうと25番札所の大善寺さまに向かう。

こちらのお寺は栃木県との境にほど近い場所にある。かつての境内だったと思われる場所が地域のコミュニティースペースになっており、その一角に朱塗りのお堂が建っている。札所本尊は十一面観世音菩薩。

葛飾坂東の御開帳でお約束になっている人形の展示では、懐かしいものと再会できた。昨年の猿島阪東の御開帳で某札所で展示されていた、立五郎氏と壇蜜姫のからくり人形で、投入口に100円玉を入れるとご本尊とは別のあるものが開帳されるという趣向である。このブログをこれ以上下品にしたくないので、立五郎氏の苗字の紹介は自粛させていただく。
面白半分で硬貨を投入口に入れた途端に親子連れがお参りに訪れ、ばつの悪いことこの上ない。日ごろの行いの悪さはこういう部分にも出るのである。

初日のお参りはこちらで打ち止めとした。
(真言宗豊山派 茨城県古河市上片田368=地図

葛飾坂東観音巡礼記(4)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

引き続き葛飾坂東観音の巡礼記である。

15番札所 真如院

14番さんから車を東に走らせ、15番札所の真如院さまに向かう。下妻方面に向かう県道から細い路地を入った先、道端に建つ小さなお堂が真如院さまだ。境内はかなり狭く、角塔婆を建てるのも大変だったのではないだろうか。車巡礼の人は駐車位置にも注意が必要だ。札所本尊は十一面観世音菩薩。

ご本尊は、かつてこの一帯を治めていた一族が祀っていた観音様との言い伝えが残る。
(真言宗豊山派 茨城県古河市葛生1654=地図

16番札所 龍蔵院

県道に戻り、車を東へ進めるとすぐに16番札所の龍蔵院さまである。お寺の隣には大きな公園があり、そちらの駐車場に車を置かせていただいてお参りする。札所本尊の聖観世音菩薩は、境内の三仏堂に祀られている。

こちらのお寺は、お大師さまがこの地を訪れた際に開かれたと伝承されており、葛飾坂東霊場を開創した秀伝大和尚の生家の菩提寺でもある。
今回の御開帳に合わせ、お寺の公式サイトが立ち上げられている。こちらからどうぞ。
(真言宗豊山派 茨城県古河市柳橋1178=地図

17番札所 華蔵院

17番札所の華蔵院さまは、16番さんから少し東に行った場所にある。歩いても行ける距離だが、車の場合は県道をはさんでお堂とは反対側に駐車場があるので、注意が必要だ。

こちらは、県道に面した敷地のやや奥まった場所にお堂が建っている。札所本尊は千手観世音菩薩。

かつては独立した寺院だったようだが、明治維新の際の廃仏毀釈で廃寺になってしまい、それ以降は地域の方々が組合(講のようなものか)を作って管理に当たっている。
(真言宗豊山派 茨城県古河市1163-1=地図

番外札所 鍋入観音堂

17番さんの前から南に延びる道に入って、番外札所の鍋入観音堂に向かう。ちょっとした集落の外れに当たる場所に小さなお堂が建ち、お参りに来る人を迎えている。札所本尊は十一面観世音菩薩。

こちらの札所は、資料によっては「安産観世音」と記述されている通り、安産に御利益のある観音様とされ、今でもお参りに来る人が結構いるらしい。お堂の横には、こちらの札所の縁起を記した手書きの張り紙があった。
(真言宗豊山派 茨城県古河市葛生1825=地図

18番札所 久昌院

今度は車の進路をいったん北に取り、18番札所の久昌院さまに向かう。鍋入観音からだと直線距離は近いのだが、地形などの関係で一番距離の長くなるルートを取らざるを得ないのだ。

こちらは巳年に御開帳される猿島阪東観音霊場の9番札所を兼務している。ただ霊場ごとにお堂と札所本尊は異なっていおり、葛飾坂東の御開帳では本堂隣のお堂に祀られる十一面観世音菩薩が開帳される。猿島の時と同様、境内には食べ物を扱う屋台が出ているが、私がお参りした時は強風のためか早仕舞いのようであった。
(曹洞宗 茨城県古河市山田503=地図

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御開帳の模様を伝える、茨城新聞社の動画ニュースを見つけた。せっかくなのでこちらでご紹介させていただく。

葛飾坂東観音巡礼記(3)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場

葛飾坂東観音霊場巡りの続きである。

11番札所 浄林寺

道順の関係で、9番札所から先に11番札所の浄林寺さまにお参りすることにした。こちらは集会所の敷地の一角に観音堂があるが、敷地がかなり広い。かつて、ここにそれなりの規模のお寺があった名残なのだろうか。札所本尊は十一面観世音菩薩。

こちらでは、集会所で寺宝の五智如来像も御開帳されていた。高さは70~80センチほどあるだろうか、堂々としたお姿で歴史を感じさせる。古河市の文化財に指定されていると聞き納得である。
(曹洞宗 茨城県古河市駒羽根208=地図

10番札所 金乗院

続いて10番札所の金乗院さまに向かう。釈迦小学校の向かい側にお堂があり、小学校の駐車場をお借りしてお参りする。

現在では地区管理とお見受けしたが、観音堂のほかに立派な本堂もある。札所本尊は聖観世音菩薩。
お参りした時は風が強く、体重のある私でも歩くのがつらい時があるほど。境内には懐かしい記憶を髣髴とさせる射的屋さんが露店を構えていたが、景品があちこちに飛ばされ店番のおじいさんは相当大変なご様子。景品には妻の好きな某キャラクター商品もあったのだが、ここは大人しく退散することとした。
(真言宗豊山派 茨城県古河市釈迦105=地図

12番札所 吉祥寺

続いて12番札所の吉祥寺さまに向かう。こちらはJR宇都宮線沿線に多い時宗のお寺で、整備が進んだ境内が大変美しい。

境内では、札所本尊の三面六臂観世音菩薩を祀る観音堂に加え、本堂の前にも角塔婆が建てられ、御開帳が行われている。三面六臂観音は弘法大師作というが、初めてお参りする観音様であり、どのような御真言を唱えるべきか迷ってしまった。考えた末に聖観音の「おん あろりきゃ そわか」を唱えたが、本当にこれで良かったのだろうか。
(時宗 茨城県古河市水海3026=地図

13番札所 高野観音堂

12番さんから車を道なりに走らせると、程なく13番札所の高野観音堂さまに着く。
共同墓地の一角にある観音堂で、札所本尊は聖観世音菩薩。

お堂が新しい感じがしたので尋ねてみると、2002年に行われた前回の御開帳に合わせ、お堂を建て直したのだという。お寺の宗派は時宗の由だが、12番さんの兼務寺なのだろうか。
(時宗 茨城県古河市高野西坪571=地図

14番札所 宝性院

車の進路を北向きに変え、カーナビを頼りに14番札所の宝性院さまに向かう。里道が複雑に入り組んだコースを指示されたが、御開帳を知らせる幟を目印に無事到着。

こちらは300年前に霊場を開かれた秀伝大和尚が住職を務めていたお寺で、葛飾坂東霊場のお札元を務めている。かなりの広さがある境内には、観音堂やコミュニティーセンターが建つ。往時はかなりの規模を誇る寺院だったのだろう。札所本尊は十一面観世音菩薩。

観音堂の御宝前でお勤めをしてから、傍らにある秀伝大和尚のお墓にお参りをしていると、世話役と思しき方が来られ、お寺の縁起などについて説明していただいた。ありがたいことである。
(真言宗豊山派 茨城県古河市久能596=地図

葛飾坂東観音巡礼記(2)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

葛飾坂東観音巡礼記の続きである。

5番札所 勝光院

番外の地蔵堂さまから道なりにしばらく車を走らせると、5番札所の正光院さまに着く。小手指集落内の香取神社境内にある観音堂で、かつて勝光院さまが香取神社の別当職を務めていた名残だろう。札所本尊は十一面観世音菩薩である。観音堂は5年ほど前に建て直されたもののようだ。

また、葛飾坂東は「下総坂東」という別名があるようで、一部のお札所では扁額にその記載がある。
(真言宗豊山派、茨城県五霞町小手指74=地図

番外札所 蓮華庵

いったん関宿に向かう通り出て、1番・実相院さまの方向に戻る形で番外札所の蓮華庵さまに向かう。

こちらは独立した堂宇がなく、地区の集会所の一角にご本尊を収めた御厨子がある、埼玉県内の観音霊場や薬師霊場でよく見られる形態となっており、集会所の前に角塔婆が建っている。札所本尊は十一面観世音菩薩である。

私はできるだけ一筆書きで回るようにしているので5番に続けてお参りしたが、ガイドブックを見る限りは1番にお参りしてからこちらに向かうのが順打ちであるようだ。
(真言宗豊山派、茨城県五霞町新幸谷231=地図

6番札所 浄雲寺

再び街道に戻り、車を国道4号線方面に走らせて6番札所の浄雲寺さまに向かう。ただ、道なりに進むとミスコースとなってしまうので、車巡礼の方はカーナビを活用された方がいいだろう。通りから札所に向かう里道はごく狭いので、通行の際は注意が必要だ。

こちらは地域で管理する、いわゆるムラ堂のようだがなかなか立派な堂宇である。お堂の近くには県指定文化財の穴薬師古墳があり、その案内板が札所への道しるべだ。

札所本尊は如意輪観世音菩薩。恥ずかしい話だが如意輪観世音菩薩の御真言が暗記できておらず、ガイドブックを開きながらのお勤めと相成った。
(浄土宗、茨城県五霞町川妻246=地図

7番札所 萬福寺

いったん国道4号に出て、利根川橋を渡って7番札所の萬福寺さまに向かう。道すがらにはいろいろと煩悩を掻き立てられる施設があるのがちょっと困ったところ。

ここからはしばらくの間、茨城県古河市内にあるお札所をめぐる。萬福寺様は4号線の中田町交差点近くにあるお寺で、境内左側に観音堂がある。札所本尊は十一面観世音菩薩。

境内周辺の通りは往来が結構激しいのだが、境内は静寂そのもの。観音堂もなかなか立派な伽藍である。境内の様子を紹介する動画を見つけたのでご紹介しておこう。

(真言宗豊山派、茨城県古河市中田1040=地図

8番札所 東光寺

7番さんから下妻方面に車を走らせ、東北新幹線を越えた上砂井交差点を右折し、御開帳を知らせる赤い幟を目印に8番札所の東光寺さまに向かう。札所本尊は千手観世音菩薩。

立派な長屋門のそばには、このお寺の目印となっているスダジイの巨木がそびえている。古河市の文化財に指定されており、樹齢は千年を超すと推定されている。伝承によると、天承年間に堂宇が再建された際に植樹されたものらしい。
(真言宗豊山派、茨城県古河市前林1765=地図

9番札所 金蔵院

国道354号を越え、陸上自衛隊古河駐屯地にほど近い、商店が立ち並ぶ一角にある9番札所の金蔵院さまに向かう。境内の小ぶりな観音堂で御開帳が行われており、札所本尊は如意輪観世音菩薩である。

観音堂の近くでは、茨城県坂東市にある福祉施設「慈光学園」が店を出し、産品の販売を行っていた。慈光学園は、昨年お参りさせていただいた猿島阪東観音のお札元を務める真言宗豊山派の萬蔵院さまが経営されており、同じ宗派というご縁で出店されていたのだろうか。肩こりが少しでも楽になればと、ツボ押し棒を求めて次の札所に向かった。
(真言宗豊山派、茨城県古河市下辺見2821=地図

葛飾坂東観音巡礼記(1)

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

午歳総開帳が始まった、茨城県古河市周辺の葛飾坂東観音霊場をお参りしてきた。
自分の備忘を兼ね、ほんとにささやかなお参りの記録を残しておくことにする。

1番札所 実相院

いつものことだが、自分の妙なこだわりで打ち始めはできるだけ1番札所にするようにしている。今回も、五霞(ごか)町内にある1番札所の実相院さまからお参りする。

境内に入ると、何となく他のお寺より厳かな感じが漂う。こちらは真言宗豊山派に属するお寺だが、かつては本山長谷寺の直末檀林所(仏教を学ぶ場所)だったというガイドブックの記載を読んで、厳かさにも納得する。札所本尊は千手観世音菩薩。

境内の一角には、「葛飾坂東観音開帳」と記された、観光地でよく見られる横長タイプの記念撮影用看板が設置してあった。地域の講などによる団参が多いのだろうか。
(真言宗豊山派、茨城県五霞町元栗橋1125=地図

2番札所 山王観音寺

車を東南に走らせ、五霞町の東南部に位置する2番札所の山王観音寺さまに向かう。江戸川と利根川が分流する地点の近くに観音堂が建っており、札所本尊には聖観世音菩薩を祀っている。

昨年御開帳が行われた猿島阪東観音と同じく、葛飾坂東観音でも札所ごとにいろいろな展示が行われている。こちらの札所では、かつて五霞町長を務められた方が撮影した、野鳥の写真が展示されており、しばらく見入る。お接待には、この方が以前出版されたハクチョウの立派な写真集を頂いた。あちこちの札所でお接待を受けてきたが、このような写真集を頂くのは初めての経験である。
(真言宗豊山派、茨城県五霞町山王290-2=地図

3番札所 天福寺

2番札所からは、しばらく堤防沿いのやや細い道を進む。3番札所の天福寺さまは、住宅や商店が集まる一角にある天神社境内に観音堂がある。明治維新時の神仏分離に伴い廃寺となり、観音堂が残されたようだ。

札所本尊は十一面天神本地仏。本地仏とは神様の正体とされる仏様のことで、この場合は十一面観音を指す。納経帳に「本地仏」と書かれるのも初めてのことだ。御真言は「おん まか きゃろにか そわか」で良かったのだろうか。
(真言宗豊山派、茨城県五霞町大福田947=地図

4番札所 正徳寺

堤防沿いの道をさらに進む。新4号国道を過ぎるとすぐ、4番札所の正徳寺様である。
立派な本堂のある境内の一角に観音堂が建つ。札所本尊は聖観世音菩薩。

こちらのお寺は新田義貞の開基という。義貞とかかわりのあるお寺は群馬県内各地や埼玉県北部に多いが、茨城県の端に当たるこの地にも関連の寺院があるのは、新田氏の勢力がそれだけ強かったことの証だろうか。
(浄土宗、茨城県五霞町大福田758=地図

番外札所 地蔵堂

番外札所の地蔵堂さまは、通りからちょっと入った利根川の堤防のすぐそばにある。
カーナビを頼りに車を進めると、真新しいお堂と集会所が見えてきた。目印の赤い幟がたくさん立っていて、ここが観音様の札所だと分かる。札所本尊は千手観世音菩薩。

納経所に詰めていた地元の方に話を伺うと、このお堂は、利根川の河川改修に伴って何度も移転を余儀なくされ、今のお堂も堤防工事によって引っ越すことになり、2月に新しい堂宇が完成したばかりだという。地元の方は、「心配していたが、何とか御開帳に間に合って良かった」と話しておられた。
お納経の時には、地元の方が心を込めて作られた折り鶴を参拝の記念品として頂いた。何でも、開扉法要の時に御坊様に拝んでいただいたものだそうだ。
(真言宗豊山派、茨城県五霞町釈迦字地蔵前2422-1=地図

葛飾坂東観音にお参り。

お出かけ 寺社巡礼 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

先の連休に、18日から午年総開帳が始まった葛飾坂東観音霊場のお参りに出かけてきた。正式の番付34カ所と番外7カ所の合計41の札所を回ってきたが、何とか2日間で全ての札所を打ち終わることができた。

観音様のご加護なのだろうか、2日間とも好天に恵まれ、清々しい気持ちでお参りすることができた。札所を守る地元の方々の温かい心にも触れることができ、私の気持ちも少しだけ優しくなれたような気がする。
各札所でお話を伺うと、今年は首都圏各地や遠方からのお参りも多い様子で、「公式サイトが出来たせいだろうか」という声をよく耳にした。首都圏からの距離も手軽だと思うので、一度首都圏特有の「御開帳霊場」の文化を体験されてみてはと思う。

巡礼記は後程アップします。

【葛飾坂東】明日からお参り

日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

明日から、茨城県と栃木県にまたがる「葛飾坂東観音」のお参りを始めることにした。
今夜は帰宅が遅くなってしまったが、晩飯そっちのけで経本やお袈裟など携行品の確認やら、巡礼ルートの確認やらに追われる。

明日はちょっと早起きして、できるだけ早く1番札所に入り、できるだけ順打ちを心がけながらしっかりお勤めして来ようと思う。

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