足立坂東観音めぐり(4)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音


Warning: Attempt to read property "post_type" on null in /home/news-tool/news-tool.com/public_html/wordpress/wp-includes/post.php on line 6310

午後もいい時間になってきたが、見沼田んぼ周辺の足立坂東観音札所巡りを続ける。

 

20090405_adachi29_1
札所29番 功得山慈眼寺観音院

真乗院から車をさらに南へ進め、鳩ケ谷市にある札所29番の慈眼寺に向かう。入り口が分かりにくく、周囲をウロウロしてしまう。

慈眼寺は真言宗智山派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。現在は同じ宗派の地蔵院に合寺され、その観音堂として扱われている。

駐車場に車を入れて境内に入ると、「葬儀式場」を示す大きな立て看板が目に飛び込んでくる。観音堂に隣接する葬祭ホールでは、葬儀社や喪家の方が慌しく準備中。江戸観音巡りで放生寺にお参りしたときと同じ展開で、不安がよぎる。ダメなら日を改めようと観音堂へおじゃますると、御開帳は通常通りするのでお参りしてくださいとのこと。御厚意に甘えて本尊の前でお勤めさせていただく。観音さまは等身より少し大きい堂々たるもので、彩色されている。何でも以前火災に遭い、その修復時に彩色されたのだとか。

観音堂の上は仏教美術館になっていて、仏像や仏画などが多数展示されている。こちらも御厚意に甘えて、見せていただくことにした。いろいろな仏教美術が集められていて一言では言い表せないが、私の目を引いたのは、中国やベトナムの観音さまのコレクション。さすがに中国の観音さまは日本のそれと同じようなお顔をしているが、ベトナムの観音さまはずいぶんと柔らかな表情。国民性の違いが観音さまの表情にも表れるのか。
仏教美術館は日曜日の午後に開館。事前に地蔵院へ問い合わせてから訪問を。

なお、お葬式の準備中だったため慈眼寺では写真を撮影していない。後日改めて写真を撮ってこようと思う。

【御詠歌】ありがたや このうらでらに ほのみえて
                             ぐせいにはやく のりのをいかぜ

(2009年4月5日巡礼=鳩ケ谷市桜町5-5-39 地蔵院内)
※慈眼寺の地図はこちら

 

20090405_adachi32
札所32番 前川観音観福寺

目指す方向を西に変え、川口にある札所32番の観福寺に向かう。

こちらは「前川観音」の通称で親しまれる、真言宗智山派のお寺。本尊は千手観世音菩薩。
開基は平家の嫡流・平維盛の長子六大丸(六代)。現在の静岡県沼津市にあたる千本松原での処刑を免れ、川口の地に草庵を結んでこの地で生涯を終えたとの言い伝えが残る。

山門を入るとすぐに観音堂が見えるが、大回りするように順路が指定されている。その通りに進むと、本堂のすぐ前に回向柱が建てられ、長い善の綱が観音さまとのご縁を結んでいる。
近所の人が近道してお参りしようとすると、「折角苦労して角塔婆建てたんだから、ちゃんと順路通りお参りしてよ」と世話役の檀家の人に突っ込まれていた(笑)。

堂内でお勤めを終え、内陣を出ようとすると、お揃いの半袈裟をまとった30人ほどの団体とすれ違う。法衣姿の僧侶の方3人がお先達を務めているようだ。
全員が内陣に入ると、太鼓を鳴らしながら全員で観音経の読経が始まる。ものすごい迫力だ。聞けば、足立坂東の札所12番・沼影観音の講による団体参拝で、足立坂東のお札所では結構有名という。びっくりしたのは、講中に金髪・革ジャン姿の「どちらのロックバンドの方ですか」と聞きたくなるような、20代と思しき男性の姿があったこと。この男性も一心に観音経を唱えていた。若い人でも、信心深い人がいるんだなと驚く。

内緒だが、沼影観音一行のお先達の一人だったうら若き尼僧の方は、はっとするような美人。こういうところに目がいくあたり、私はまだまだ煩悩の塊のようである(笑)。御詠歌が意味深だ…。

【御詠歌】ふだらくの たきつながれの みづはやく
                                         こゝろのあかを すゝぐまへかわ

(2009年4月5日巡礼=川口市前川4-30-13)
※観福寺の地図はこちら

 

20090405_adachi20
札所20番 金亀山三学院極楽寺

御開帳終了時間の午後5時まではまだ間があるので、蕨市内のお札所にもお参りする。

札所20番の三学院は真言宗智山派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。蕨市は全国で最も面積が小さい部類の自治体に入るのだが、それとは逆に三学院は境内が広く幼稚園も併設されていて、伽藍も堂々としている。建築中の阿弥陀堂も立派なもの。

こちらは有住寺院なので、前日にも一度訪れている。その時は明日にしてほしいとのことで、この日に再訪した次第。で、長屋門をくぐって「御開帳入口」の張り紙がしてある本堂を目指すと、前日に庫裏の場所を教えていただいた普段は授香所にいるらしい女性が、「あっ、昨日の御開帳の朱印の人」と、大声で手招きしてくださる(笑)。こういうフレンドリーさ、何度も書くがローカル霊場でないと味わえない魅力だ。

本尊は高さ1.7メートルほどの、等身の大きなもの。平安時代の慈覚大師作とされる。「大きな観音さまですね」と声を掛けると、「ここのお寺は何でも大きなのが好きなんですよ。お金ないはずなのに」と、件の女性は納経所にいる若い僧侶の方を向いて大笑い。僧侶の方も苦笑いしておられた。言われてみると伽藍もそうだが境内の弘法大師像もほかのお寺の倍近くの大きさのような気がする。「裏に回るともっと大きな観音さまがありますよ」とのことで、教えられた通りに行ってみると、境内の一番奥に高さ7~8メートルにもなる平和観音が祀られている。戦争の犠牲者を祀る観音さまという。

帰り際、来年の4月に阿弥陀堂の落慶法要を行うのでぜひ来てほしいと言われる。その時はぜひお参りしなければ。

このお寺、古くは真言宗の檀林(学問所)に列せられ、現在は大学に通いながら修行に励む若い僧侶の学寮としても機能しているようだ。4月29日の花祭りでは、お稚児さんと僧侶がきらびやかな衣装に身を包んでパレードすることでも知られている。

【御詠歌】はなをみよ ついにこのみは ごくらくじ
                                   とそつのみねの あめのめぐみに

(2009年4月5日巡礼=蕨市北町3-2-4)
※三学院の地図はこちら

 

20090405_adachi21
札所21番 竜亀山無量寿寺三蔵院

まだ少し時間があるので、三学院近くの札所21番・三蔵院にもお参りする。

こちらも真言宗智山派のお寺で、本尊は正観世音菩薩で、行基作とする資料もある。日常の管理は地区の方が行い、仏事の際は三学院からお坊さんが来るようだ。三学院の末寺ということもあるのだろうか、立派な伽藍である。

お勤めをして朱印帳を差し出すと、ここでも「朱印帳をどこで買ったのか」という話になる。「鳩居堂で」と答えると、やはり「ああそうか」という顔をされる。ちなみに、私が知る限り両面使わずに35個の朱印が押せる、蛇腹式の朱印帳を扱っているのは鳩居堂でも銀座本店と池袋の東武百貨店内にある出店だけ。いつも使っている新丸ビル内の店には置いていないことのほうが多い。

時間が迫ってきたので、今回はここで打ち納め。三蔵院を出たところで道中に札所9番があったことを思い出したが、そちらは駅から近い札所なので次回にする。

【御詠歌】あのくたら ぼだいのたまを みつのくら
                                  つきずくちせぬ たからなりけり

(2009年4月5日巡礼=蕨市中央2-30-10)
※三蔵院の地図はこちら

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントは管理人の承認後に表示されます。時間がかかることがありますが、ご了承ください。