足立坂東三十三観音

足立坂東観音霊場(札元・蕨定正寺)の札所一覧

日記 観音霊場 足立坂東三十三観音 霊場巡礼

仕事部屋の片づけをしていたら、4月に御開帳が行われる足立坂東三十三観音(お札元が蕨の定正寺さまの方)の札所一覧表が出てきた。この前の半開帳の折にお参りした際、どこかの札所で頂いたもののはずだ。
もうすぐ午歳本開帳だし、いい機会なのでPDF化しておくことにした。

足立坂東観世音霊場札所一覧(PDF)
※この一覧表の利用は、あくまでも自己責任でお願いします。また、元の用紙はA3判なので印刷時にはご注意ください。

足立坂東の札所は分かりにくい位置にあることが多く、こういう資料は歩き巡礼の方に役立つのではないだろうか。また、近郊にお住まいの方なら、結構回り甲斐のある巡礼路であることにも気付かれるかもしれない。マイカー巡礼でも、しっかりお勤めをしながら回ると3日弱かかる筈である。

【御開帳情報】足立坂東観音(札元・桶川知足院)は原則4月1~8日

御開帳情報 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音

JR高崎線の沿線に札所が点在するということもあり、動向が気になっていた足立坂東三十三観音(桶川の知足院さまが札元の方)の午歳総開帳ですが、知足院の和尚さまと電話でお話ができ、開帳の概略を教えていただくことができました。

日程は原則として4月1~8日の約1週間ですが、札所によって異なる日程で開帳するケースがあるほか、一部では開帳を見合わせる札所もあるそうです。和尚様は「地区管理のお堂が多く、人手を確保できないケースがある」と話しておられました。
また、お納経についても「あまり期待しない方がいい」との由でした。札所の一覧表などは現在制作中とのことです。

なお、この霊場の札所があるエリアは、10番東光院の移転を取り上げた当ブログでも書いた通り、圏央道やそれと接続する国道17号バイパス(通称上尾道路)の整備が進められており、それと併せて大型商業施設や物流施設の建設も進んでいるため、行田の宝積寺さまが案内書を出版された当時とは周辺の様相が一変しています。案内書に記されたランドマークが存在しないケースもありますので、お参りにはカーナビや携帯ナビがあった方がよいでしょう。

【御開帳情報】足立坂東観音(札元・定正寺)は4月6~12日

御開帳情報 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音

出先で食事を取ろうと入った店で、置いてあったフリーペーパーを読んでいると、「足立坂東三十三観音」の御開帳についての記事が掲載されていた。埼玉県内には「足立坂東」と称する観音霊場が2カ所存在するが、蕨の定正寺さまをお札元とする、さいたま市から川口市(1カ寺のみ東京都北区)にかけての方である。

記事にはお札元の連絡先も掲載されていたので、電話で御開帳の概要などをお尋ねした。ちなみに定正寺さまは実質的にはムラ堂で、霊場を開創した高橋休山翁の末裔に当たる方が管理されている。この方は最近まで、埼玉県内某農協の組合長を務められていた。

電話でお札元に開帳の要綱を伺うと、開帳期間は4月6日~12日の1週間で、各札所では朝9時ごろから夕方4時ごろまでお納経を扱うそうだ。指定の納経帳は特になく、「市販の納経帳を用意してお参りしてほしい」とのことである。また、別の情報によるといくつかの札所では開帳を見合わせるようである。

鴻巣市からさいたま市にかけて札所が点在する同名の「足立坂東観音」(札元・桶川知足院)やさいたま市内の新秩父霊場でもこの春に御開帳があるはずで、情報が分かり次第お伝えしようと思う。

【午年総開帳】埼玉県内は各地で

御開帳情報 日記 足立坂東三十三観音

先日のこのブログで取り上げた、埼玉県内のローカル観音霊場の御開帳の件、情報があまりにも簡略過ぎたので、現在こちらで把握しているものを備忘を兼ねて書いておく。

・足立坂東三十三観音(桶川・知足院さまが札元の方=高崎線沿線)
・足立坂東三十三観音(蕨・定正寺さまが札元の方=京浜東北線沿線)
※上記2霊場は同一名称だが異なる霊場なので、注意が必要。
・武蔵国三十三観音(埼玉県東南部)
・新秩父三十四観音(さいたま市周辺)

このほか、すでに定例総開帳が絶えてしまった観音霊場でも、札所により開帳が行われるケースもありそうだ。できるだけ情報を集めようと思う。

【足立坂東観音】10番東光院は移転です

日記 足立坂東三十三観音

用事で桶川方面に出掛けた帰り、昨年(2012年)11月29日のこのブログで取り上げた、足立坂東三十三観音(桶川の知足院さまがお札元の方)の10番札所・東光院さまの状況が気になり、桶川から久喜方面に向かう県道(通称・菖蒲県道)を東に向かって車を走らせる。

東光院さまのある辺りは圏央道の桶川インター予定地と重なるようで、菖蒲県道を替え道しての圏央道の道普請の真っ最中。盛り土が始まった向こう側に東光院さまのお堂の屋根が見える。
その少し先に真新しい銅葺きの屋根が見えたので、反対側に回り込んでみると、新しいお堂が出来上がっていた。

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墓地ともども移転した新しいお堂は、かつての場所から100メートルほど北に行った場所にある。古いお堂がまだ残っているということは、まだご本尊の遷座が済んでいないのかもしれない。境内には移転の経緯を記した石碑も建てられており、「平成二十五年春彼岸」とある。お彼岸に合わせて落慶法要を行うのだろうか。
お堂の右奥には、今度の落慶法要で使われるものなのか、2本の角塔婆が立てかけてあった。ここのお堂は手元の資料によれば真言宗智山派に属しているようだが、法人格はないようで、どのお寺が別当を務められているのかは分からない。この近くには、それぞれご住職が異なる複数の智山派寺院が存在する。

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山号が「氷川山」ということは、江戸時代までは近くにある氷川神社の別当を務めていたということか。「上品上生観世音」がどのような観音様なのかも興味がある。

いずれにせよ、来年春に行われる筈の午歳総開帳では、新しいお堂にお参りすることができそうだ。札所へは、これまでの菖蒲県道からではなく、県道と南北に交わる、地元では国道17号の間道として使われている市道からのアクセスになるようだ。周辺の道路事情は県央道の工事に伴って一変しており、行田の宝積寺さま刊のガイド本に載っている地図は現状と合わなくなっているので、お参りには注意が必要だ。

ちょっと気になるお堂の行方

日記 足立坂東三十三観音

先日、埼玉県桶川から菖蒲に抜ける県道を用事で通った。
かつてトナミ運輸の営業所のあった辺りまで来ると、有刺鉄線で囲まれている場所が目立つ。どうやら圏央道の敷地になっているようで、トナミ運輸もそのせいで移転したらしい。

トナミ運輸のすぐ脇にある墓地には朱塗りの小さなお堂があり、ここが午年の春に総開帳される「足立坂東三十三観音」(1番・桶川知足院)の10番札所・東光院ということは知っていた。見た時は墓地やお堂は現状を保っているようだったが、周囲の様子を見る限りそこも圏央道の敷地と化すことは間違いない。

お堂も墓地も移転を余儀なくされるのだろうが、旧浦和市東部にある薬師霊場の寅年総開帳をお参りしたとき、公共事業(区画整理)に伴う移転で地域管理の薬師堂が酷い扱いを受けていたのを見聞しているだけに、お堂の今後が気になる。住職がお見えでなく、地域の方が日常管理しているのも、件の薬師堂と共通している。

足立坂東観音の次の御開帳まであと1年半。それまでにお堂の移転がしっかりと行われると良いのだが…行く末が気になる。

足立坂東観音めぐり(8=完)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音 霊場巡礼

足立坂東観音霊場の丑年中開帳最終日となる11日の土曜日も、絶好のお参り日和。最終日は片付けやお別当の閉扉法要の関係で早仕舞いのお札所が多いと聞いていたので、早めに家を出る。今回は駅から近いお札所が多く、電車利用だ。

 

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札所2番 廓信寺

大宮からJR京浜東北線で北浦和へ。この駅を利用するのは大学入試のとき以来のはずだが、当時の記憶があいまいでどのくらい変わったか覚えていない。まあ、落ちた大学だし仕方がないかw

廓信寺は浄土宗のお寺で、札所本尊は聖観世音菩薩。北浦和駅から与野方向に数分戻った所にあって、幼稚園などがある境内は結構広い。観音さまは本堂と路地を挟んで向き合う、客殿兼用の地蔵堂で御開帳されている。回向柱は路地に建っていて、そこから善の綱が観音さまに延びる。回向柱が建つ路地は近所の生活道路を兼ねていて、「御開帳のため自転車は押してお通り下さい」という立て看板が、いかにもローカル霊場の趣。

御朱印を頂くと、「針が谷観音寺(廓信寺管理)」の文字がある。もともとのお札所は観音寺で、それが廓信寺に合寺された結果、廓信寺が札所2番を務めているのでこう表記しているとのこと。地蔵堂は以前火事に遭って建て直されている由だが、焼け残った梁や柱は再利用され、かすかだが往時の雰囲気を伝えている。

【御詠歌】みがけたゞ おのをもすりて はりがやと
                                 なりしためしに をのがこゝろを

(4月11日巡礼=さいたま市浦和区北浦和3-15-22)
※廓信寺の地図はこちら

 

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札所26番 並木堂

北浦和駅に戻り、再びJR京浜東北線に乗って西川口へ。札所26番の並木堂は、西川口駅東口から川口方向に進んだ所にある。西川口駅方面からだと、札所案内の表示が見えずらいので注意が必要。

こちらは浄土宗のお堂ということになっているが、実質的には地区が管理するいわゆるムラ堂で、本尊は聖観世音菩薩。現在は、かつての観音堂を建て直した町会会館の一室に観音様が祀られている。

観音様が祀られている仏間は6畳くらいの広さ。その狭さゆえに、間近に観音様を拝んでお勤めできるのがうれしい。茶菓の接待をしている休憩スペースでは、昔の写真や資料をいろいろと展示していた。戦後しばらくまで使われた観音堂は、茅葺きの建物だったようで、いかにも田舎のお堂らしく好ましい。

【御詠歌】これやこの なみきさくらのはなのはる
                                              たしようのゑんを むすぶいといふ

(4月11日巡礼=川口市並木2-37-5)
※並木堂の地図はこちら

 

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札所9番 二ツ堂

西川口から大宮方向に1駅戻って蕨へ。札所9番の二ツ堂は川口市地籍だが、JRの最寄り駅は蕨である。足立坂東札所を回って実感したが、京浜東北線の沿線は自治体の境界が入り組んでいるケースがとても多い。

二ツ堂は臨済宗のお堂とされているが、並木堂などと同じく、実質は地区管理のお堂。本尊は聖観世音菩薩。臨済宗建長寺派に属する川口市の長徳寺がお別当を務められているようだ。

ここのお堂、名前の通り2つのお堂がくっついたような形をしている。1624年にお堂が建てられたとき、右側が土地の豪族だった須賀氏の菩提寺として千手観音を祀り、左側は長徳寺檀家の集会所や法事の場所として、聖観音を祀ったことに端を発しているようだ。二つのお堂をつなげたのはずっと後の話らしい。

お堂の中には西国三十三観音の掛け軸がずらりと並べられている。観音さまの上半身には赤い布がかけられ、拝むことができなかった。お世話役の女性の一人は、開帳初日の田島観音での忘れ物を教えて下さった方で、あらためてお礼をする。

【御詠歌】ゑんむすぶ みはつかばらの さしもぐさ
                                           さしもまそをの すぐになれつゝ

(4月11日巡礼=川口市芝塚原2-18-12)
※二ツ堂の地図はこちら

 

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札所33番 塚越瑞塚山定正寺

結願となる札所33番の定正寺には、二ツ堂から歩いて向かう。定正寺は蕨市地籍になるが、歩いて20~25分というところか。途中にはひなびたいい感じの御嶽山神社もあり、そちらにもお参り。

定正寺は真言宗智山派のお寺ということになっているが、こちらも事実上は地区管理のお堂。本尊は正観世音菩薩。足立坂東霊場のお札元である。

このお寺、塚越稲荷神社の境内に同居し、神仏習合の名残をとどめている。かつては稲荷神社の別当も務めていたようだが、神仏分離のときに観音堂だけが残り、今のような姿になった由。お堂の横には、往時は新四国霊場だったことを示す石碑も建っている。

お勤めをして御朱印を頂くと、「結願」の印を押してくれた。結願印を頂くのは江戸観音に続いて2回目だが、この達成感は格別のものである。

境内にはテントが張られて、巡礼者へ茶菓のお接待をしている。私も御厚意に甘え、花吹雪の中で冷たいお茶を頂く。「お前さんに似合わず風流だな」という声が聞こえてきそうだが(笑)。

お茶を頂きながら、一つ面白い話を聞いた。札所の地元に住むある男性、本家坂東、秩父、西国の百観音を回り、さらに本四国でお遍路をしている時、ある札所で百観音を全部回ったことを話したら、そこの札所の人に「地元には足立坂東の観音霊場があるはずだが、地元の霊場をないがしろにするとは何事か」と叱られ、菅笠においずる姿でこの御開帳期間、足立坂東の巡礼をしているそうだ。ここの霊場、全国のローカル霊場を網羅した「全国霊場巡拝事典」(大法輪閣)にも載っていないので知る人ぞ知る存在とばかり思っていたのだが、お四国の札所にこの霊場の存在を知っている人がいたとは意外である。観音様の力、やはり侮れず。

【御詠歌】まよいしも いつかこしぬる みづせがわ
                                               ふかきめぐみに うかぶうれしき
ちゝはゝと たのみをかけし をいづりを
                                               かたじけなくも をさむこのてら

(4月11日巡礼=蕨市塚越3-2-14)
※定正寺の地図はこちら

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天候にも恵まれ、いい気分で番外含め35のお札所を回ることができて良かった。どこのお札所でも、地元の方々による心のこもったお接待があり、ありがたい限り。瀬戸内の「島遍路」と同じ温かさである。一部の札所で御開帳を見合わせたのは残念だったが、5年後の総開帳では、全部のお札所で観音様とのご縁を深められるのを願って、つたない巡礼記をひとまず「打ち納め」とさせていただく。

※本巡礼記の内容について、各町内会や札所・別当寺など関係先への問い合わせは御遠慮いただくようお願いします。内容についてのご質問は、左側メニューの「お問い合わせ」からどうぞ。

足立坂東観音めぐり(7)

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7日の足立坂東三十三観音巡りの続き。まだ時間があるので、戸田・川口方面のお札所を頑張って回る。

 

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札所22番 龍光山不退院常福寺

海禅寺からさらに東に向かい、札所22番の常福寺に向かう。裏手にある「参詣者用駐車場」には止めるスペースがなかったが、山門側にちゃんと巡礼者用のスペースが確保されていた。

常福寺は浄土宗のお寺で、札所本尊は聖観世音菩薩(浄土宗寺院なので言わずもがなだが、お寺の本尊は阿弥陀如来)。観音さまは境内にある観音堂に祀られている。今回の御開帳はどこの札所でも茶菓のお接待があり、「お下がり」が頂ける。こちらの札所のお接待は葵の御紋の入った瓦せんべい。袋を見ると増上寺関連の品のようだ。そういえば、江戸観音めぐりでも浄土宗のお札所で瓦せんべいを頂いたことがあったが、瓦せんべいと浄土宗って何か関係があるのだろうか。お下がりを入れる袋には、観音さまのお姿が描かれている。大事にしないと。御詠歌入りの紙風船も頂けた。子供連れのお参りにもお勧めの札所である。

【御詠歌】しもとだに しらでつもりし をいのゆき
                                          きえなんのちを たのみおくかな

(2009年4月7日巡礼=戸田市中町2-4-11)
※常福寺の地図はこちら

 

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札所25番 最勝院

荒川の堤防に沿う形で、札所25番の最勝院へ。これより川口市内のお札所となる。駐車場が見当たらなかったので、向かい側のコインパーキングに車を止めてお参りする。

こちらは真言宗智山派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。
実はある札所で、「25番も開帳を見合わせているらしい」という話を聞いていて、不安を抱きながらのお参りだったのだが、参道の入り口に御開帳を知らせるポスターが張られていて、ちゃんと回向柱も建っており一安心。
こちらは本堂の2階に仏間があり、外からは九十九折の階段で上がっていくのだが、善の綱はちゃんと階段に沿って張られていた。作業が大変だっただろうに…。

最勝院には本尊の十一面観音のほか、屋外には石像の子安観音も祀られている。慈悲に満ちたいいお顔をである。

【御詠歌】ごくらくを いづことひとは いゝづかの
                                         とはぬさきより まつかぜのおと

(2009年4月7日巡礼=川口市飯塚1-15-24)
※最勝院の地図はこちら

 

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札所24番 平等山善光寺

荒川沿いにさらに西に進み、JR京浜東北線などのガードをくぐって、札所25番の善光寺へ。荒川の「スーパー堤防」上にある珍しい立地で、JRの電車から本堂がよく見えるから、ご存じの向きも多いかもしれない。

善光寺は真言宗智山派のお寺で、札所本尊は聖観世音菩薩。
本堂周辺には御開帳を知らせるポスターの類が一切張られておらず25番の一件もあったので不安だったが、本堂の扉を開けると中にちゃんと告知がしてあり、一安心。2階の仏間でお勤めさせていただく。

浄土宗と天台宗が事実上共管している長野の善光寺とは宗派が違うが、名前の通りにお寺の本尊は一光三尊の阿弥陀如来(いわゆる阿弥陀三尊)。阿弥陀三尊を祀る寺社でつくる「全国善光寺会」の会員でもある。江戸時代には手軽な江戸近郊からの善光寺参りや、足立坂東札所の玄関口として賑わったそうだ。御朱印を頂く時に、信州善光寺の御開帳の案内も頂戴する。そういえば、善光寺会の霊場もあるんだよな…。

【御詠歌】くらきより くらきにまよう われわれを
                                           みちびきたまへ よきひかりてら

(2009年4月7日巡礼=川口市船戸1-29)
※善光寺の地図はこちら

 

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札所27番 良光院

帰宅しようと北に進路を取ったのだが、札所27番の良光院の近くまで来た時に時計に目をやると午後4時半を少し過ぎた所。ダメもとでお参りすることにした。

良光院は浄土宗のお寺で、札所本尊は聖観世音菩薩。コンパクトな境内だが、本堂とは別に観音堂があって、札所本尊はそちらにお祀りされている。観音さまのお顔がちょっと優しげに見えるのは気のせいか。

観音堂で堂守をされていた女性に来意を告げると、「どうぞお参りしてください」とのこと。御厚意に甘えて、本堂にある納経所にいらっしゃった御住職に朱印帳を預けてから、観音さまの前でお勤めさせていただく。
お勤め中には背後で随分と人の気配を感じたのだが、最後に御詠歌を唱えてからお礼をしようと振り返ると、お寺や手伝いの方がずらり勢ぞろいw 御住職の前で下手糞な読経と御詠歌を披露したわけで、穴があったら入りたい気分だが、「ご詠歌まで唱えて頂いて…」と言われ、少しほっとする。

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コンパクトなお堂だが、中には御詠歌の入った大正時代の扁額が掲げられている。よく見ると、「足立坂東拾七番観音」とあり、居合わせた皆さんと首をひねるが、経緯の分かる方は誰もいない。埼玉県のホームページで見ることができる足立坂東霊場の開山記原本の絵図には27番となっているし、戦前の一時期、札所番号が入れ替わったことでもあったのだろうか。謎である。

【御詠歌】よろづよを ふれどまつばの しもあをき
                                                   みのりのはるは ときはなりけり

(2009年4月7日巡礼=川口市中青木4-15-3)
※良光院の地図はこちら

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残るお札所は、2番、9番、26番、33番の4枚。何とか御開帳最終日の11日に回れそうである。

足立坂東観音めぐり(6)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 足立坂東三十三観音 霊場巡礼

2009年4月7日巡礼分の続き。
お昼を過ぎた所なので、まだまだ頑張って回る。

 

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札所16番 三宝山自性院徳祥寺

普門寺からさらに南に下って、札所16番の徳祥寺に向かう。北関東系の大型家電系の店の角を曲がる所があるのだが、マナーの悪い車が多く、危ないこと。

徳祥寺は真言宗智山派のお寺だが、今回回るお札所の多くと同じように、実質は地区管理のお堂のようである。お別当は同じ戸田市内の慈眼寺の由。本尊は正観世音菩薩。

近くには首都高速の高架も通っているのだが、境内は静かなもの。向かい側には「村の鍛冶屋」のような趣の、どこからか焼玉エンジンの音が聞こえてきそうな小さな農機具屋さんが現役で頑張っていて、この一角だけは別の時間が流れているようだ。

昭和の終わりに建て直されたというお堂の中には、観音講中が千手観音を囲み読経する姿を描いた「千手観音供養図絵馬」が掲げられている。但しこの絵馬は戸田市の指定文化財で、お堂に掲げられているものはレプリカだとか。

【御詠歌】みほとけに はなをさゝげし わたづみの
                                                みめそのまゝに うかぶこのてら

(2009年4月7日巡礼=戸田市美女木7-4-1)
※徳祥寺の地図はこちら

 

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札所17番 普門山平等寺

進路を東に変えて、札所17番の平等寺に向かう。ここからはしばらく、東に向かってほぼ一直線上にお札所が続く。

平等寺は真言宗智山派のお寺で、本尊は正観世音菩薩。ここからはしばらく有住の札所となる。
参道の中間あたりに枝垂桜が植えられていて、お伺いした折はちょうど見ごろ。納経の対応をされていた御住職と、花の話などで盛り上がる。

こちらのお寺は保育園や幼稚園も経営されている。10日が入園式の由で、「桜がそれまで持つかなあ」と、御住職は気がかりな御様子だった。

【御詠歌】あられふる おとにをどろく たまざさめ
                                           うきよのゆめを さとるあけぼの

(2009年4月7日巡礼=戸田市笹目6-5-4)
※平等寺の地図はこちら

 

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札所18番 観音寺

そのままバス通りを東に向かい、札所18番の観音寺へ。

観音寺は真言宗智山派のお寺で、本尊は如意輪観世音菩薩。
境内は広く手入れが行き届いていて、桜が真っ盛りのお庭が美しい。伽藍も堂々としたものだ。
ここの札所もなかなかフレンドリーなお寺で、本堂の前ではお寺の子どもら数人が遊んでいる。御住職の奥様が巡礼者への対応をしていて、本堂でお勤めを終えると、内陣の一番奥にある観音さまの前に案内してくださって「心行くまで拝んでください」と心配りをして頂いた。

【御詠歌】たがうへし ぽたへのたねの もへいでて
                                       いまぞむかしの はなをみるかな

(2009年4月7日巡礼=戸田市新曽1791)
※観音寺の地図はこちら

 

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札所19番 瑞光山海禅寺

観音寺から中央通りをさらに東に進み、札所19番の海禅寺に向かう。

海禅寺はある程度寺の名前で察しがつくように臨済宗建長寺派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。
境内は禅宗のお寺らしく、簡素な佇まい。こちらでも御住職自ら納経の対応をして頂いた。霊場の縁起を記した開山記も置いてあって、一冊求める。

足立坂東霊場で、海禅寺は有住札所唯一の臨済宗寺院。無住札所まで含めれば札所9番の二ツ堂のお別当も臨済宗のお寺である。

【御詠歌】ひたすらに いのれふくじゆの かいぜんじ
                                 なみかづかづに ふかきちかいを

(2009年4月7日巡礼=戸田市上戸田3-7-18)
※海禅寺の地図はこちら

 

(2009年4月7日巡礼分続く)

足立坂東観音めぐり(5)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音 霊場巡礼

7日の火曜日は、有給休暇を取って足立坂東三十三観音巡りの続きに出掛ける。土曜日と日曜日だけじゃ、番外さんを含め35札所はとても回れないw
今回は、JR埼京線沿いのお札所を回るが、公共交通機関の関係からマイカー巡礼にした。

 

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札所13番 寶栄山如意輪寺

ちょっと朝寝坊してしまい出発が遅れる。平日だし裏道を使ったが、家から札所13番の如意輪寺までは車で1時間40分ほどかかった。ここの札所は駐車スペースがなく、数百メートル離れたダイエーのコインパーキングに車を止めてお参りする。

札所13番の如意輪寺は、「田島観音」の通称で知られる。お札元発行のガイドブックには真言宗智山派の寺とあるが、実際には地区で管理しているお堂のようだ。お寺の名前からも察しがつくだろうが、本尊は如意輪観世音菩薩。

境内は結構広く、参道沿いに吊るされている「開扉」と書かれた赤い提灯が巡礼者を迎えてくれる。境内の奥には鐘楼があり、ちゃんと鐘が吊るされている。除夜の鐘をつくことができるのだろうか。境内には集会所もあって、文字通り地域の拠り所となっているようである。

私がお勤めを済ませるのと入れ違いに、札所9番・二ツ堂の講の皆さんが20人以上で参拝に訪れる。お揃いの手拭いを半袈裟のように下げて、なかなか粋である。

【御詠歌】みわたせば あきのたじまの ほむしろに
                                         しくものもなき のりのにはかな

(2009年4月7日巡礼=さいたま市桜区田島3-28-9)
※如意輪寺の地図はこちら

 

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札所14番 四谷観音寺

車を止めたダイエーの駐車場から南に下り、札所14番の四谷観音寺に向かう。こちらは境内に車を止めることができた。田島観音からは歩いても10分ほどの距離である。

四谷観音寺は一応真言宗智山派に属するが、田島観音と同じく地区で管理するお堂。本尊は聖観世音菩薩。
お堂でお勤めしようとすると…般若心経の経本がない。どうやら田島観音に忘れてきたようだ。以前浅草寺で頂いた、十句観音経を唱えるのに使う経本に般若心経も載っているので、とりあえずそちらを使う。

お勤めを済ませると、先ほどの二ツ堂の講の皆さんがやってきた。年配の女性が私を見つけて、田島観音で経本を預かっていただいていることを教えてくれる。恥ずかしい限りだが、心配りに多謝。

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こちらのお堂も参道沿いに提灯が飾られているが、地区の方の手書きの絵と言葉が面白く、思わず見入ってしまう。

【御詠歌】うまれくる しなのよつやは ありぬとも
                                   ひとつはらすに のりのみちかな

(2009年4月7日巡礼=さいたま市南区四谷3-7)
※四谷観音寺の地図はこちら

 

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札所12番 鶴住山広田寺観音堂

般若心経の経本を受け取りに田島観音へ寄ってから、札所12番の広田寺に向かう。四谷観音からは歩いて10分足らずである。こちらでは、札所に隣接する自治会館に車を止めさせていただく。

広田寺は「沼影観音」の通称で知られる、地区管理のお堂。本尊は聖観世音菩薩で、天台宗のお寺が別当を務められているようだ。

境内が児童公園になっていて、子どもたちが元気いっぱいに遊んでいる。時折訪れる巡礼者を、不思議そうに見つめて親に尋ねている子どももいた。桜がちょうど満開。あまり知られていないようだが、観音堂の裏手には文殊菩薩がお祀りしてある。どうも由緒深いお寺のようだ。
札所23番・前川観音の項でも記したが、こちらのお札所は講がしっかりしていて、団体参拝も熱心な御様子だ。

【御詠歌】むつのなみ たつともまゝよ ぬまかげの
                                               にごりにしまぬ はすのうてなに

(2009年4月7日巡礼=さいたま市南区沼影1-6)
※広田寺の地図はこちら

 

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札所11番 白幡観音堂

沼影観音から南西に進み、札所11番の白幡観音堂に向かう。こちらは、中山道に面した札所である。沼影観音からは歩いて15分ほどか。バス停がすぐ目の前にあり、浦和方面から公共交通機関で巡礼するときは、浦和駅からこちらまでバスで来て、お参りを済ませたら田島観音までバスで行ったほうがいいかもしれない。

白幡観音堂は地区管理のお堂のようだが、真言宗豊山派に属している。本尊は聖観世音菩薩。
こちらの札所は周囲を高層住宅に囲まれ、お堂の周囲だけが昔の雰囲気を漂わせている。ここでも境内の桜が見事。

お堂の中では、本尊の聖観世音菩薩と並んで如意輪観世音菩薩も祀られていて、併せて御開帳されていた。堂守をされていた地区の方に如意輪観音を祀るようになった由来を尋ねたが、詳しいことは分からないという。

ご朱印にお姿を添えていただいた。ありがたい限りである。

【御詠歌】むかいとり たもうときには ありがたや
                                           みなみのそらに たまのしらはた

(2009年4月7日巡礼=さいたま市南区白幡4-14-25)
※白幡観音堂の地図はこちら

 

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札所15番 普門寺

白幡観音から、裏道を辿ってさいたま市と戸田市の境が入り組んだ地域にある札所15番の普門寺に向かう。

こちらは地区管理のお堂で、本尊は聖観世音菩薩。
お堂の中には、本尊を含め3体の観音さまが祀られている。堂守をされていた方に由来を伺うが、先ほどの白幡観音同様、詳しい縁起は分からないという。

こちらはお堂の横に庫裏のような建物があって、ちゃんと表札が出ている。無住の札所と伺っていたが、どうやらお留守番の人を置いているようだ。同じような形態のお札所は豊島八十八カ所にもいくつかあるようだが、物騒な御時世、無住のお堂でもこうした管理が望ましいのは言うまでもない。

お昼は近くにある、埼玉県民おなじみのファミレス「馬車道」で頂く。ハンバーグとコーンコロッケのランチだったが、なかなか美味。

【御詠歌】ただたのめ あまねくかどに しなじなを
                                        もらさでてらす ありあけのつき

(2009年4月7日巡礼=さいたま市南区内谷5-16-3)
※普門寺の地図はこちら

(2009年4月7日巡礼分続く)

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