寺社巡礼

【御開帳情報】足利市で11月22~23日に文化財一斉公開

御開帳情報 日記

栃木県足利市は恒例となっている秋の文化財一斉公開を、今年は11月22、23日の両日に行うそうだ。

足利の文化財一斉公開2014の公開場所が決定しました!(足利市公式サイト)

サイトにアップロードされていたPDF版のチラシを見ると、市内の多くの寺社が一斉公開に参加する由で、この機会でないと拝むことのできない仏像や寺宝が市内各地で開帳されるようだ。
ただ、ちょっと残念なのは円空仏を祀る某寺院様が、今年の一斉公開への参加を見合わせられたこと。いろいろとご事情があるのだろうが…。

「巡礼遍路研究会」が発足しました

お知らせ 寺社巡礼 日記

お四国や西国・坂東・秩父の観音霊場をはじめとする全国各地の霊場巡礼に関する研究発表の場として、高野山大学密教文化研究所内にこのほど、「巡礼遍路研究会」という組織が発足しました。

巡礼遍路研究会公式サイト

巡礼文化についての学会的な組織として、各方面からの注目も高いようです。第1回の研究発表会は11月24日、和歌山県高野町の高野山大学で開かれます。当サイト管理人ほか合計3人が研究発表を行う予定です。
興味のある方は、ぜひ上記の公式サイトをご覧ください。

【遍路展】来月22日から多摩美術大学美術館で

寺社巡礼 弘法大師霊場 日記

今年は四国八十八ケ所が開創されてから1200年目に当たる、記念の年。四国はもちろん、全国各地で記念の行事が行われている。
知人から「多摩美の美術館でも遍路展があるらしい」と聞いていたが、今月に入り、多摩美の公式サイトに告知が出た。

「祈りの道へ-四国遍路と土佐のほとけ-」(多摩美術大学美術館公式サイト)

会期は11月22日から来年1月18日までの約2カ月間。四国八十八ケ所の霊場会はもちろん、高知県の仏教会や青年部も後援する、大がかりな展示会だ。初日は展覧会を監修した多摩美の青木先生や、真言宗豊山派の宗務総長を務める、四国26番金剛頂寺の坂井住職による講演も行われるという。展覧会としての内容も、非常に充実しているようだ。

多摩美の遍路展が始まる11月下旬は、仕事関連や巡礼関係のイベントが重なり、公私とも予定が立て込んでいる時期。ただ、私は東京都内にあるお四国写し霊場である、豊島八十八ケ所の案内書の著者兼版元でもある。何とか日程のやりくりを付けて、遅くても年内には多摩美遍路展を見に行こうと思う。

お参りしたい病、再び・・・

お出かけ 佐久三十三観音 日記 観音霊場

仕事の関係で、マイカーを使って長野県の南部にお出かけ。時間の関係で職場には戻らずに自宅に直帰することにしていたので、下諏訪から和田峠越えで佐久平に出て、高速道路に上がるルートを取ることにした。
インターに向かって車を走らせていると、車窓越しにお寺の看板が見え、「佐久三十三観音霊場札所」の文字が見える。観音様のものだろうか、境内には赤い幟がいくつもはためいている。

気になって帰宅後に調べてみると、寛政年間に開創された霊場で現在でもお参りが可能となっており、一部の札所を除き納経もできるようだ。

天台宗医王院公式サイト

上記サイトによれば西国の写し霊場の由で、案内書もあるようらしい(現在でも入手可能かどうかは不明)。長野県内では近年になり諏訪平で「諏訪三十三観音」が発足していることもあり、地域の観音信仰が盛んなのかもしれない。諏訪平から伊那谷にかけては、お四国の写し霊場もあったはずである。

【宇津薬師堂】見事な天井絵・・・

お出かけ 寺社巡礼 日記

8月9日の土曜日は、台風の接近で北関東一帯は雨模様。楽しみにしていた、栃木県高根沢町にある「宇津薬師堂」の御開帳(一万燈祭)が行われるかどうか気がかりだったが、お堂を管理する宇津家が営む宇津救命丸の公式サイトには、「予定通り開催」とある。こちらも計画通り、高根沢まで車を走らせることにした。

お堂がある宇津救命丸の工場周辺には来場者用の駐車場がなく、臨時駐車場となっている近隣の学校などに車を置いてバスで工場まで向かうシステム。送迎バスは他の駐車場にも寄りながら、10分ほどで工場に着いた。
工場内の資料館などを一通り見学させていただいてから、薬師堂にお参りすることにした。。

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御開帳が行われている薬師堂は、道路を挟んで工場の向かい側にある敷地に建つ。建物は3間四方で、個人持の仏堂としては大きな部類に入るのでははないだろうか。欄間などの彫刻も立派で、お堂の建築には日光東照宮を造営した職人が携わったという伝承があると、説明係の方が教えてくださった。

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祀られているお薬師様は、風格を感じさせる堂々としたもの。代々製薬業を営む家系に由来したものなのか、お堂の天井絵はすべて薬草が描かれている。こういうのはちょっと珍しいかもしれない。

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薬師堂の近くには観音堂も建ち、中には立派な観音様が祀られている。説明係の方の話では、お堂の歴史は薬師堂より古いのだそうだ。

【御開帳情報】栃木県・宇津薬師堂は8月9日

御開帳情報 日記

先日当ブログでお伝えした栃木県高根沢町にある、「宇津薬師堂」のお祭り「一万燈祭」と御開帳が、8月9日に行われるそうです。

一万燈祭開催のお知らせ(宇津救命丸KKニュースリリース)

この薬師堂は小児薬「宇津救命丸」の創業・経営者一族が江戸時代から代々守ってきた個人持(企業持)の仏堂で、現在は同社の基幹拠点である高根沢工場の一角にお堂が建っています。
お祭りは昭和40年代まで続いていたそうですが、いったん中断された後に震災を契機として一昨年に復活しました。昨年は同社の事情で中止となった由ですが、地域の期待に応える形で今年から再び行われることとなりました。地域を挙げての賑やかなお祭りとなるようです。また、薬草を描いているという薬師堂の天井絵は一見の価値があるのではないでしょうか。

なお、駐車場は近隣施設に確保されており、そこからシャトルバスで会場の宇津救命丸高根沢工場に向かうシステムを取るようですので、お参りの方はご注意ください。

この情報は「御開帳カレンダー」にも反映してあります。

【宇津薬師堂】今年は開帳されます

御開帳情報 日記

個人持(企業持)の薬師堂として知られ、小児薬「宇津救命丸」の創業家が代々護持してきた「宇津薬師堂」(栃木県高根沢町)が、来月行われる「一万燈祭」に併せて御開帳されるようです。

今年はやります、「一万燈祭」(宇津救命丸社長ブログ)

震災を契機として、半世紀ぶりに一昨年に再開されたお薬師様のお祭りですが、昨年は諸事情で開催が見送られていました。このままお祭りや御開帳が絶えてしまうのかと心配していましたが、今年は実施するとのことで、うれしい限りです。

日程などは確認でき次第ご紹介させていただきます。

武蔵国三十三観音巡り(その18)

お出かけ 寺社巡礼 日記 武蔵国三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

武蔵国三十三観音巡りの続きである。

32番札所 岩平 観音寺

31番さんを出て、車を西に進めて32番札所の観音寺さまに向かう。ここからは再び、中川の東側(左岸)の札所となる。

中川に架かる「弥生橋」の東詰を左折し、案内に従って細い道に入ると、すぐに観音寺さまである。現在は地区の集会所となっており、道路に面したわずかばかりの敷地に角塔婆が建てられ、札所本尊の千手観世音菩薩に善の綱が結ばれている。

こちらも建物の周辺にお地蔵様などが建立されており、かつては仏堂が存在していたようだ。境内には石像のお大師様を祀った小さなお堂もあり、送り大師の風習があったことがうかがえる。

納経帳には、「松伏町岩平組 千手観世音菩薩 古利根三十二番」の墨書印が改めて捺された。この霊場、ひょっとすると「古利根三十三観音」という別名があるのかもしれない。

(地元持 松伏町下赤岩299−2)

33番札所 川藤 東泉寺

32番さんを出て中川沿いの街道を南へ下り、新川橋の交差点を東に入って33番札所の東泉寺に向かう。

こちらは曹洞宗のお寺で、境内は禅宗のお寺らしい佇まいだ。札所本尊の正観世音菩薩は、本堂手前にある観音堂で御開帳されている。
納経帳兼案内書では、できるだけ一筆書きで回れるようにとの配慮から、このお寺の先にある3番さんで結願するように記されているが、私はできるだけ順打ちになるよう回ってきたので、札番通りこちらのお寺で結願となる。
結願証などの扱いが分からないのでご住職に尋ねてみると、こちらのお寺で頂けるという。心ばかりの灯明料を包み、こちらで授与していただくことにした。

お納経や結願証の手続きを待っている間、お寺の方に勧められて、観音堂の近くに建つ薬師堂を見せていただいた。お薬師様も立派だが、十二神将が大変美しい状態で祀られており驚く。かなり古びた建物だが、天井絵も美しい状態で残されている。
聞けば、お薬師様も以前は定期的なご開帳があった由だが、ここ数十年はその伝統も絶えてしまい、お薬師様を拝む機会はほとんどないそうだ。お薬師様や十二神将、天井絵のいずれも特に文化財指定は受けていないという。行政の文化財担当者が、その存在に気付いていないようだ。もったいないことである。

(曹洞宗 吉川市川藤220)

武蔵国三十三観音巡り(その17)

お出かけ 寺社巡礼 日記 武蔵国三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

番外札所(非公式) 増森公民館

30番の宝生院さまに向かう途中で見つけた、納経帳兼案内書には載っていない御開帳の件、お札所で「非公式番外」であることを伺った以上、お参りしないわけにはいかない。
建物の前は広場のようになっており、ご厚意に甘えて車を置かせていただいてお参りする。

札所本尊は聖観世音菩薩。武蔵国霊場の観音様では大きい方に入る部類ではないだろうか。上がってお参りをとのことで、ご本尊様の前で精いっぱいのお勤めをさせていただく。
堂守をされていた方に開帳の縁起を訪ねると、どうもかつて30番さんを務められていた観音寺さまに関係があるご本尊らしい。正規の番付に載っている札所ではないが、武蔵国霊場の総開帳に合わせて御開帳を行うのが習わしだという。ただし、お納経の扱いはしていないとのことだ。

札所名があるはずだが、聞き漏らしてしまったので、仮に施設名の「増森公民館」で表記させていただく。敷地の片隅には古い石碑も建っており、かつて何らかの寺院仏堂があったのはほぼ間違いないところだ。
地図はこちらから。

(地元持 越谷市増森1775)

番外札所(非公式) 増森新田センター

増森公民館さまでお参りした時、「近所でもう1カ所、同じように御開帳を行っている」というお話を伺った。どうもわかりにくい場所のようだが、粗々の道順を聞いてお参りに出かける。
案の定道に迷ってしまったが、道を聞きに立ち寄ったコンビニで、地域の方が分かりやすく説明してくださり、どうにかたどり着くことができた。ありがたいことである。

御開帳が行われていたのは、新方川の堤防に沿って建つ、地域の集会所のような建物。カーナビなら近くの「日産部品埼玉販売」を仮の目的地としてセットすると分かりやすいだろう。
こちらも建物の正面に角塔婆が建てられ、建物奥に祀られている札所本尊の聖観世音菩薩と善の綱で結ばれている。こちらの観音様も、武蔵国三十三観音のご本尊としては大きめの部類に入るのではないだろうか。

詳しい縁起を聞くことはできなかったが、増森公民館同様に、武蔵国霊場の総開帳に合わせて御厨子を開くのが習わしだという。建物の近くには墓地があり、やはりここにもかつて寺院仏堂が存在したのだろう。札所名は増森公民館と同様、仮に施設名の「増森新田センター」で表記させていただくことにする。
地図はこちらから。

(地元持 越谷市増森2丁目)

31番札所 増林 林泉寺

2つの番外さんのお参りを済ませ、県道平方線に戻り、31番札所の林泉寺さまに向かう。大した距離ではなく、道案内の看板も分かりやすかったこともあり、ほんの数分でお寺の駐車場に着いた。

近くに越谷市の斎場が出来たのに合わせたのだろうか、境内はかなり整備されている印象を受ける。本堂とは別に立派な観音堂があり、御開帳はそちらで行われている。観音堂には札所本尊の正観世音菩薩のほか、子安観音が祀られている。
お参りの人がかなり多かったが、こちらでもお堂に上がってご本尊の前でお勤めすることができた。寺族の方がお寺の歴史などについて分かりやすく説明してくださったのはありがたい限り。なお、こちらのお寺の観音さまは、毎年4月18日前後の日曜日に御開帳されるという。

(浄土宗 越谷市増林3818)

武蔵国三十三観音巡り(その16)

お出かけ 寺社巡礼 日記 武蔵国三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

武蔵国三十三観音巡りの続き。

29番札所 東方 観音寺

番外さんを出て大聖寺さまの駐車場に戻り、納経帳兼案内書の指示に従い、街道を東に向かって車を走らせる。
29番札所の観音寺さまは、大相模公民館のところで街道から北に入ったところにある。こう書くと28番さんや番外さんから近そうに思われるが、地籍は越谷市東部の大成町に属しており、イオンのレイクタウンモールにほど近い場所である。

こちらの札所本尊は十一面観世音菩薩。高度成長期以降、寺域は何度も整備を重ねられた由で、境内はよく整った印象だ。かなり立派な大師堂もあるが、このあたりの弘法大師霊場の札所にもなっているのだろうか。
納経所では御影をいただくことができた。札所本尊の観音様は慈覚大師作と伝えられているが、御影に描かれているのは錫杖を持った長谷寺式の十一面観世音菩薩である。

(真言宗豊山派 越谷市大成町1-2262)

30番札所 増森 宝正院(観音寺)

29番さんを出て、30番の宝正院さまに向かう。直線距離はそれほど離れていないのだが、川に橋が架かっておらず遠回りの移動となる。おまけに国道4号バイパスの東埼玉道路の部分開通で、私の以前の記憶や納経帳兼案内書の地図と実際の道路状況が食い違っており、ナビを頼りに移動する。移動の途中で、地区の集会所のような建物の前に角塔婆が建てられ、善の綱が結ばれていることに気付く。

こちらのお寺も寺域の整備が進んでおり、何となくすがすがしい印象を受ける。観音堂に祀られる札所本尊は正観世音菩薩である。
札所名にカッコ書きで別の寺号が記されているのは、かつて観音寺が札所であったことを伝えるものだ。

お納経の時に、来るときに気付いた集会所に建てられた角塔婆の件について尋ねると、「期間を武蔵国霊場にそろえる形で、御開帳を行っている」と教えていただいた。やはり非公式番外が存在するのだろう。

(真言宗豊山派 越谷市増森1680)

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