猿島坂東三十三観音

【猿島坂東】2025年3月17日~4月17日に御開帳

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坂東市をはじめとする茨城県南部に札所が広がる「猿島坂東観音霊場」の公式サイトが装いを一新し、来年(2025年)3月17日から4月17日までの1カ月間、巳年恒例の御開帳を行う旨が告知されている。

来年は霊場開創から300年の節目に当たり、御開帳も前回以上に盛大に行うようだ。

このところのコロナ禍で、関東地方の御開帳霊場は安房国札観音のように御開帳を見合わせる例が続いていた。
猿島坂東や別項で述べる安房郡札観音の御開帳は、これまでの流れを変えるきっかけになりそうな気がする。生活圏の霊場ということもあり、私も気合を入れてお参りしたい。

猿島阪東観音巡り(その19)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東とも書く)の巳歳総開帳巡礼記の続き。

33番札所 長谷寺

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32番さんから県道をさらに北に進み、33番札所の長谷寺(ちょうこくじ)さまに向かう。これで結願である。
日常は地域で管理されているお寺のようで、境内は本堂(観音堂)のほか、大師堂などの小堂がある。札所本尊は十一面観音。

巡礼案内書には、本尊は真言宗豊山派の総本山で西国霊場8番を務める長谷寺の十一面観音と同じ霊木から造られたとある。ただ、こちらの本尊はいわゆる長谷寺式の錫杖を持った十一面観音ではなく、通例の十一面観音である。こちらの札所では結願証をいただける。坂東33番の那古観音さまでいただけるとの同じ感じの、立派なものである。

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結願札所ということもあってか、境内は展示物が数多い。夫婦仲良く並んでいる蛇の展示を見て、妻と一緒に回らなかったことをちょっと悔やむ。

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猿島阪東の札所ではおなじみのそっち系の展示物もある。福の神の股間には、黄金色に輝くアレがついている。その脇に立つ「お宝地蔵」も、もちろんアレを象ったもの。写真には見えない裏側の部分も、それなりにリアルに作られていたとだけ記しておこう。

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真新しい大師堂の前にはスカイツリー?の小型版が建っている。電飾されていたから夜はきれいなんだろうな。

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説明板によると、この辺りにはもともと高さ635メートルの観音塔があり、スカイツリーはそれを模したものだとか(もちろん洒落である)。賽銭額により金運にも恵まれるとの文字に、ちょっとドキリとする。

おかげ様で、足掛け4日間で全てのお札所を巡ることができた。いろいろと相談に乗っていただいたお札元の萬蔵院さまをはじめ、札所や地域の皆さまに本当にお世話になったことに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいである。
12年後の次の御開帳は、どのような姿になるのだろうか。世代交代の動きも進んでいるようで、ちょっと楽しみである。
(茨城県坂東市長谷1850-1=真言宗智山派)

猿島阪東観音巡り(その18)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東とも書く)の巳歳総開帳巡礼記の続き。

31番札所 観音寺

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30番さんを出て、芽吹大橋の手前から進路を変え、31番札所の観音寺さまに向かう。
空模様が怪しくなってきたが、あと少しと思いそのままお参りを続ける。
私が訪ねた時、境内は白衣姿の巡礼者でいっぱいだった。どこかのお札所の関係の団参のようである。境内にある観音堂は朱塗りが鮮やかで、御開帳に合わせて整備をしたのかもしれない。札所本尊は聖観音。

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展示物は、巳年にちなんだ大蛇である。蛇が巻き付いているのはこのお寺のシンボルとなっているカヤの木で、樹齢400年を超すとは思えない勢いがある。
(茨城県坂東市莚打418=真言宗豊山派)

32番札所 地蔵院

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さらに車を北に進め、32番札所の地蔵院さまに向かう。街道沿いの分かりやすい場所に建つお寺だ。
こちらのお寺も、境内は団参の人たちでいっぱい。境内はきれいに整備されていて、とても清々しい感じがする。札所本尊は千手観音。

こちらのお寺では、独自にいろいろな授与品を扱っている。白檀でできたお守りは財福のご利益があるそうで、一緒にお参りできなかった妻に渡そうと、一体を授けていただいた。
(坂東市小山977=真言宗智山派)

猿島阪東観音巡り(その17)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東ともいう)の巳歳総開帳巡礼記の続き。

掛所 小泉観音堂

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29番さんから車を南に走らせ、「非公式番外」のような位置付けである、掛所の小泉観音堂さまに向かう。県道からかなり西に入ったところにあり、道標も整備されていたのだが、お堂が道路から奥まった位置にあり、行き過ぎてしまった。札所本尊は十一面観音である。

共同墓地の中心に立つお堂という趣きで、通常は地元の方が管理しているようだ。お堂は左甚五郎の手によって造られたという伝承が残る。お納経は宝蔵寺さまと同様、公式納経帳と同じ大きさの書き置きを用意してくださっていた。ありがたい限りである。
(茨城県坂東市小泉=天台宗)

30番札所 大安寺

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県道に戻ってさらに南に車を進め、30番札所の大安寺さまに向かう。駐車場が一杯で、空くのをちょっと待ってからのお参りとなる。堂々とした伽藍が、歴史を感じさせるお寺だ。札所本尊は聖観音。

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こちらの展示物は、三遊亭円朝の怪談噺「牡丹灯籠」の一コマ。
人間が近づくと後ろ側の人形(お米)が動く仕掛けだ。
円朝の怪談噺で思い出したが、その代表作の一つ「怪談乳房榎」の舞台となったのは、こちらのお寺と同じ宗派に属し、豊島・御府内の両弘法大師霊場の札所となっている、東京・早稲田は面影橋近くにある南蔵院さまである。何かの偶然なんだろうか…。
(坂東市矢作1856=真言宗豊山派)

猿島阪東観音巡り(その16)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東とも書く)の巳歳総開帳区切り打ち巡礼記の続き。

掛所 宝蔵寺

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新8番さんを出て、「準公式番外」ともいえる掛所の宝蔵寺さまに向かう。細い道を入った先にあるお寺の境内はかなりの広さで、山門を入ってすぐ右側にある観音堂で御開帳が行われている。札所本尊は聖観音。

関宿にある掛所では帳面を持っていかないと納経が難しい様子だったが、こちらでは公式納経帳とサイズや綴じ穴の位置を揃えた紙に書き置きしたものを用意してくださっていた。ありがたい限りである。

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境内にはお大師様の像と思しき石造物が目立つ。何となく気になってお寺を出る時に振り返ると、山門の脇に石でできたお大師様の像がずらりと並び、板碑からお四国写しのミニ八十八ケ所であることが分かる。ただ、苔むしているのと風化で、年代までは読み取れなかった。
(茨城県坂東市中里=真言宗智山派)

29番札所 泉福寺

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いったん県道に戻り、29番の泉福寺さまに向かう。公園のように整った境内が清々しいお寺だ。札所本尊は聖観音。

掲示してあったお寺の縁起によると、開山は724(元亀元)年で、行基菩薩の開山という。札所本尊になっている聖観音も、行基菩薩が自ら彫ったものという言い伝えが残る。

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境内の展示物も多彩で楽しい。上の写真は、かつて地域の共同作業として行われていた、「もくとり」を再現したものだ。未婚の男女の出会いの場ともなっていたという。
その隣には地域の古い写真がいろいろと展示されていた。
(坂東市大谷口381=天台宗)

猿島阪東観音巡り(その15)

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3月30日、再び猿島阪東観音霊場(猿島坂東とも書く)の区切り打ちに出掛けてきた。引き続きの巡礼記である。

28番札所 延命院

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本日の打ち始めは28番札所の延命院さまから。タブレット端末のナビアプリが随分と遠回りのルートを示したが、途中で気づき事なきを得る。境内はかなり広く、奥まった場所に広い駐車スペースが取られていた。札所本尊は聖観音。

お堂の前に建てられた角塔婆は、気合の入った御影石造り。地元の並々ならぬ熱意が伝わってくるが、「12年ごとに石造りの角塔婆を建て替えるのだろうか…」との下世話な思いも頭をよぎる。

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展示物替わりということなのか、こちらには「穴蔵大師」なるものが祀られている。かつてはお寺近くの小高い場所に掘られた横穴にお大師様の石像が祀られていたようだが、河川工事の際に山が崩されてしまったという。境内に仮設の土盛りがなされ、そこに掘られた横穴に、当時のままのお大師様が祀られている。

境内には毘沙門堂もある。この地と関連の深い平将門ゆかりのものなのだろうか。
(茨城県坂東市神田山715=真言宗智山派)

新8番札所 妙音寺

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28番さんを出て、すぐ近くの新8番札所・妙音寺さまに向かう。御開帳に合わせて建て直されたのか観音堂は立って間もない趣きで、周囲のコンクリートも、いかにも打ち立てという感じだ。札所本尊は聖観音。

こちらが新8番を名乗ったのは戦後もだいぶ経ってからのようだ。本堂が休憩スペースとして開放されていたので、上がらせていただきご本尊の大日さまを拝んでからお寺を後にした。
(坂東市神田山727-1=真言宗豊山派)

猿島阪東観音巡り(その14)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東とも書く)巳歳総開帳巡礼記の続き。

26番札所 自性院

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25番さんを出て、すぐ近くにある26番の自性院さまに向かう。総開帳に合わせて手を入れられたのか、広い境内には清々しさが漂う。本堂もかなりの大きさで、相当の寺格とお見受けした。札所本尊は十一面観音。

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こちらは猿島阪東のほか、関東八十八ケ所(東国遍路)の札所にもなっている。お納経を済ませた時、東国遍路のパンフレットをいただいた。私が住む鴻巣の近くにも札所がいくつもあり、以前から興味があったのだ。御住職のお話では「結願札所になっている妻沼の聖天様で、納経帳などは分けていただける筈」とのことで、時間を掛けて回ってみようと思う。
(茨城県坂東市馬立593-1=真言宗智山派)

27番札所 歓喜寺

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26番さんを出て、27番札所の歓喜寺さまに向かう。こちらは旧岩井市の中心部に近くにあり、桜の名所ともなっているようだ。札所本尊は聖観音。

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観音堂の前には、坂東や秩父ではお馴染みの、一休さん?を象った案内板がある。猿島阪東の札所で見かけたのは初めてだ。

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名物の桜はちょうど真っ盛り。境内には花吹雪が舞っていた。
お日様もだいぶ傾いてきたので、今回の区切り打ちはここで終わりにする。
(坂東市辺田978=真言宗豊山派)

猿島阪東観音巡り(その13)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東とも書く)の巳歳総開帳巡礼記の続き。

24番札所 浄泉寺

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23番さんから車を南に走らせ、24番札所の浄泉寺さまに着く。お寺のある辺りは周囲より小高くなっていて、見晴らしが良い。外観的に何か特徴があるわけではないが、静かな時が流れる感じがする境内だ。札所本尊は聖観音。

ここは浄土宗のお寺のはずだが、境内にはやはりお大師様の石像を祀っている。他の札所の例と同じく、地域の弘法大師霊場の札所ともなっているようである。
愛知県では禅宗のお寺に大師像が祀られているケースもあったはずで、大師信仰が普遍的なものだったのを裏付けているのだろうか。そういえば、御府内八十八ケ所にも臨済宗の札所があった筈である。
(茨城県坂東市上出島821=浄土宗)

25番札所 延命寺

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今度は車を西に走らせ、25番札所の延命寺に向かう。茅葺の山門を入るとすぐ正面に弁柄塗りの薬師堂があり、その奥に本堂が建つ。御開帳は本堂で行われており、札所本尊は千手観音。

薬師堂は、平将門の守り本尊と伝えられる薬師如来像を祀っているそうだ。「島の薬師」として知られており、4月8日の縁日は境内が身動きできないほどの人出だったという記録が残っている。
(坂東市岩井1111=真言宗豊山派)

猿島阪東観音巡り(その12)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東とも書く)の巳歳総開帳巡礼記の続き。

22番札所 正光院

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できるだけ札番順に回ろうとは思っているのだが、車巡礼ということもありできるだけ一筆書きで回りたいのも事実。そのため、22番札所の正光院さまに先にお参りさせていただく。

田園地帯の中にあるお寺だが、境内はよく整備されていて、ちょっと近代的な感じも漂う。御開帳は朱塗りの観音堂で行われている。札所本尊は十一面観音。

観音堂のそばには小さな祠があり、その中にお大師様の石像が祀られている。ここも、地域の弘法大師霊場となっているようだ。
(茨城県坂東市弓田1704-3=真言宗豊山派)

21番札所 照明院

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22番さんを出て、21番の照明院(しょうみょういん)さまに向かう。道中に北関東三十六不動霊場の35番札所になっている弓田不動尊こと慈光寺さまがあるはずなのだが、見落としてしまったようだ。

こちらは院号を名乗っているがお寺は廃寺になっており、かつての境内に建てられた集会所で御開帳が執り行われている。札所本尊は聖観音。

集会所の一室に観音さまが祀られており、そこから庭先に建てられた角塔婆まで善の綱が結ばれている。
こういう形態で御開帳が行われるのは、関東地方のローカル霊場では珍しいことではない。
形を変えつつもご本尊をお守りし、定期開帳の伝統を絶やすまいとする地域の皆さんの努力に、ひたすら頭が下がる。
(坂東市冨田635=真言宗豊山派)

23番札所 万福寺

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続いて23番札所の万福寺さまに向かう。21番さんからはほぼ一本道である。
道端の空き地に砂利を入れて仮ごしらえの駐車場としてあり、そちらに車を止めてお参りする。札所本尊は聖観音。

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境内では、地元の人たちの手作り展示物が巡礼者の目を引く。「住職」に浅田真央、福ちゃんなる女性…。どういうシチュエーションなんだろうか。お約束の「御開帳モノ」もちゃんと置いてあった。電動ではなく、紐を引くとお目当てのものが見られる仕組み。よく見ると男性のアレもしっかり置いてある。

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とりわけ面白かったのが、「整形前の壇蜜」。お堂でお納経の世話をしていた女性は「整形前だからね」とアピールしていたが、私にはそこら辺にいる「口うるさいオバハン」にしか見えない。実際のグラビアアイドルもこうなのか…。

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参道の入り口には、ここが観音霊場の札所であることを示す、古びた石柱が建つ。往来に面して、西国と坂東の同じ札番の札所名が刻まれ、参道側には秩父の同番札所名が記されている。その反対側には、弘法大師札所の27番であることも刻まれている。道案内の幟には「弘法大師」と書かれているものもあり、やはり送り大師の慣習が残っているのかもしれない。
(坂東市駒跿=真言宗豊山派)

猿島阪東観音巡り(その11)

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猿島阪東観音霊場(猿島坂東ともいう)の巳歳総開帳巡礼記の続きである。

番外札所 西村観音堂

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19番さんを出て、カーナビを頼りに番外札所の西村観音堂さまを訪ねる。街道が分かれる交差点に面してお堂が建っており、独特の書体で「西村観音堂」と書かれた看板が目印だ。札所本尊はこの霊場唯一の如意輪観音。御真言を思い出しながらお唱えする。

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境内に入ってすぐ右側には、小さな大師堂がある。その前には「第八十二番」と書かれた角塔婆が建っており、弘法大師霊場の札所にもなっているようだ。真新しいものだが、御開帳に合わせて建てたものなのか。ひょっとすると、千葉県北部のように送り大師の風習が残っているのかもしれない。
この霊場では車を止める場所を見つけられず、近くのスーパー駐車場をお借りした。駐車場代替わりに、お昼ご飯の弁当をそのスーパーで購入。
なお、お堂の場所はそのスーパー(エコス)の店舗はす向かいである。エコスと並びのように案内している資料もあるので、ご注意を。
(茨城県坂東市沓掛1589=真言宗豊山派)

新9番札所 龍泉寺

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街道を東に向かって車を走らせると、新9番札所の龍泉寺まではすぐの距離だ。境内は清々しい感じが広がる、ごく普通の「田舎のお寺」という趣きである。札所本尊は聖観音。

札番は「新9番」を名乗るが、巳歳総開帳の案内チラシの裏面には、1941(昭和16)年の総開帳の折にこのお寺で撮影されたスナップが2枚掲載されている。新番を名乗ったのは、そんなに最近の話ではないような感じもする。
(坂東市沓掛3683=真言宗豊山派)

20番札所 福寿院

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新9番さんから街道を番外さん方面に戻り、20番札所の福寿院さまに向かう。商店が並ぶ通りから少し奥まった場所にあり、お稲荷さんと並んでお堂が建っている。札所本尊は十一面観音。

ここは院号を名乗っているが、現在は地域のある一族の方が管理されているお堂の由だ。
御開帳に合わせて改築されたのか、まだ清々しい感じがするお堂である。駐車場からの道にはびっしりと開帳を知らせる赤い幟が立てられ、地元の方の熱意が伝わってくる。
(坂東市沓掛4011=真言宗豊山派)

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