弘法大師霊場

【御開帳情報】三河新四国霊場は6月10日まで

三河新四国 弘法大師霊場 御開帳情報 日記 霊場巡礼

当サイトをご覧いただいている日本山岳修験学会の会員さんから、「愛知県東部の三河新四国霊場で、3月1日から6月10日まで霊場再興50周年記念の総開帳が行われています」との情報提供を頂きました。

当管理人が1番札所の総持寺様に確認したところ、ご教示いただいた情報の通りで、各札所でお大師さまの像に善の綱を結び御開帳を行っているとのことでした。今年いっぱいは、お納経の際に特別な御宝印も頂けるそうです。いろいろと行事もあるようで、お参りの人で各札所ともにぎわうのではないでしょうか。
なお、お納経は札所で頒布している専用の帳面を使ってほしいとの由でした。

弘法大師霊場の御開帳は、首都圏では千葉県南部の「安房八十八ケ所」で50年ごとの総開帳(次回は2034年の由)が行われている例を知るのみで、ちょっと新鮮な感じもします。愛知県やその周辺は弘法大師信仰が非常に強いと聞いていますが、お土地柄もあるのでしょうか。

何はともあれ、情報をご教示ただいた方にこの場を借りて厚くお礼申し上げます。

埼玉県内にもあった送り大師

日記 観音霊場 送り大師 霊場巡礼

昨日の土曜日は、ちょっと気乗りのしない休日出勤。半日で仕事を切り上げられたので、帰路はさいたま市の埼玉県立浦和図書館で開かれている企画展「資料でたどる埼玉の札所」を見に行くことにした。

図書館の入り口付近に特設コーナーができていて、県内に札所がある坂東や秩父についての資料はもちろん、県内の主だったローカル霊場についての所蔵資料を1カ所にまとめて展示している。

立地ゆえか県南地域の霊場に関する資料がほとんどだが、私にとって特に興味深かったのは、かつて川越周辺にあった三十三観音についてまとめた資料と、県内の弘法大師霊場についてまとめた資料だ。その中でも浦和周辺の「北足立八十八ケ所」に関する資料は、著者の方が全文コピーに同意してくださっているとの由で、ご厚意に甘えて資料の全量を複写させていただいた。戦後の高度経済成長期まで何度も行われた、札所の再編成の足跡をまとめた貴重な資料である。

また、展示されている資料からは、この北足立八十八ケ所と羽生市周辺の二十一大師(簡略版のお四国写しである)が、送り大師方式で巡礼されていたことも読み取れる。千葉や茨城で盛んに行われていた送り大師の風習が、埼玉県内にも存在していたことはいろいろな意味で興味深い。

また、展示されていた資料には、熊谷在の「幡羅(郡)八十八ケ所」や県西部の「比企西国観音」、「高麗坂東観音」といった、高度成長期を境に巡礼者が途絶え、現在では歴史の彼方に忘れ去られようとしている霊場についてまとめた書物も多い。これらの資料が末永く保存され、できれば早期にデジタル化されて今後の調査・研究に役立てられるように願う。

この展示会は、今年の春に県内各地の観音霊場で午歳総開帳が行われるのに併せて企画されたもの。県内の文化施設が連携して開催しており、他館での展示も楽しみである。

【宗教民俗学会】フィールドワークのチラシが出来ました

お知らせ 弘法大師霊場 日記

昨年12月20日のこのブログでご紹介した、3月に四国・高知で行われる日本宗教民俗学会のフィールドワーク「補陀落信仰と廃仏毀釈~四国八十八霊場に学ぶ」のチラシが出来ました。
主催者の方のご厚意で、私にもチラシを分けていただいております。ご興味のある方はチラシをお送りいたしますので、当サイトの「お問い合わせ」メニューからご連絡ください。
※お預かりした個人情報は、チラシの発送目的のみに使用いたします。

余談になりますが、送っていただいたチラシを見ていてびっくりしたのは、フィールドワーク中に霊場を案内していただける先達様の経歴。会社は違いますが、整理屋の大先輩でもあったのです。

【豊島霊場案内書】アマゾンの在庫復活は来週前半

お知らせ 日記 豊島八十八カ所

いつも、「新聞屋の道具箱」をご覧いただき、ありがとうございます。

さて、拙著『お大師様と共にあゆむ 豊島八十八ケ所巡礼』ですが、アマゾンドットコム扱い分が再び品切れとなっております。

在庫補充の手続きを進めておりますが、在庫が復活するのは来週前半の見込みです。
ご迷惑をおかけし申し訳ございません。

御急ぎの方は、当サイト「お問い合わせメニュー」からご連絡ください。

よろしくお願い申し上げます。

【豊島霊場案内書】アマゾンの次回入荷は来週前半

お知らせ 日記 豊島八十八カ所

いつも拙サイト「新聞屋の道具箱」をご覧いただき、ありがとうございます。

さて、拙著『お大師さまと共にあゆむ 豊島八十八ケ所巡礼』がアマゾンで品切れ状態となっております。おかげさまでこのところ引き合いが増えており、アマゾン上で再三再四品切れ状態となっておりますことをお詫び申し上げます。
アマゾンで「在庫あり」状態に戻るのは、来週前半になる見込みです。

お急ぎの方は、
中山書房仏書林様(東京都文京区)での店売り
・一部札所寺院様での取り扱い
・拙サイト「お問い合わせ」からの直接ご注文
をご利用いただきますようお願い申し上げます。

送り大師を伝える努力

弘法大師霊場 日記 送り大師 霊場巡礼

先日のブログで送り大師のことを取り上げて以来、首都圏各地の送り大師風習のことをいろいろ調べるようになった。さまざまな情報に当たる中、非常に興味深いサイトを見つけたので、ご紹介する。

新四国相馬靈場八十八ヶ所を巡る会

相馬霊場は茨城県の取手市周辺に札所が点在する、江戸時代に開創されたお四国の写し霊場である。現在は地域の篤信家の皆さんを中心に「巡る会」を作り、霊場の護持に当たっている由。
現在は年に5回ほどウオーキング形式の区切り打ちを行い、2年で結願になるそうだ。公式サイトは大変分かりやすく、資料も充実している。区切り打ちイベントの実施やら資料の作成やら、いろいろとご苦労がおありのはずで、ただただ頭の下がる思いである。

相馬霊場もかつては送り大師の風習があったのだろう。ただ、送り大師は農閑期と農繁期を区切るイベントとしての意味合いもあったはずで、地域の都市化・住宅地化が進むに従い、古来の姿をそのまま伝えるのは困難になるのは否めない。区切り打ちになるのも、現代社会ではやむを得ない(この点において、取手から東京寄りの柏や印西で、送り大師の風習が受け継がれているのは特筆される)。

何はともあれ、お参りの人が増えないと霊場の護持が難しくなるのは歴史の示す通り。
昨今の巡礼ブームで、地元の霊場に目を向ける人が増えてくれるといい方向に回りだすはずなのだが…。

素朴な巡礼の歴史がいっぱい

お出かけ 日記 葛飾坂東三十三観音 観音霊場 送り大師

以前のこのブログで取り上げた、柏市郷土資料室の「送り大師」展と、古河市三和資料館の「観音信仰」展を見に行ってきた。

送り大師の万灯

最初に行ったのは、柏の送り大師展。市の沼南庁舎2階にある資料室の入り口には、送り大師が結願した時のお練りで使う万灯が飾られている。

展示は巡拝経路を記した絵馬や納経帳などの巡礼用品はもちろん、慶応2年に送り大師を再興した時の世話人名簿や各地区の大師講に関する文書類、御影の版木など盛りだくさん。
配布物もなかなか面白い。展示目録には送り大師の歴史やしきたり、運営などがコンパクトにまとめられ、それ自体が大きな資料的価値を持っている。今年の送り大師で使われた順路図の写しも配られていて、こちらも大変な価値がある。

20131104_koga

続いて、古河市の三和資料館(さんさん館)で開かれている観音信仰展を訪ねた。図書館と入り口が共通で場所が分かりにくいが、玄関を入って左側の奥が、観音信仰展が行われている資料館である。

資料館に入ってすぐのところでは、ミニチュアの角塔婆から切り絵の観音様に「善の綱」が結ばれ、御開帳の光景を再現している。そのわきにはスタンプと納経帳に似せた台紙が置かれている。ちょっとでも気分を盛り上げようという趣向なのか。
展示物は地域での観音信仰を示す資料や葛飾坂東、猿島阪東各霊場の納経帳など、こちらも盛りだくさん。観音信仰や12年ごとの観音霊場総開帳が地域に根差していることが分かり、興味深い。

両展とも交通の便が良くない場所にあるが、巡礼やその歴史に興味がある人にはお勧めの展示会だと思う。

送り大師の歴史伝える展示会

寺社巡礼 弘法大師霊場 日記 送り大師

先日のブログ『偶然見つけた「送り大師」』を書いて以来、首都圏の送り大師風習のことが気になりいろいろと調べていたら、千葉県柏市の郷土資料展示室で送り大師の企画展が行われてることを知った。会期は12月23日までの由。

第16回柏の歴史企画展 送り大師 ―柏に伝わる県下最大級の巡礼文化―(柏市公式HP)

ホムペには展示目録も掲載されているが、送り大師の歴史を伝えるさまざまな資料が展示されている由で、地域の巡礼文化を知る上でもなかなか興味深い。

折しも、企画展の会場がある柏市の沼南庁舎から、車を使えばそれほど遠くない古河市の三和資料館では、11月から地域の観音霊場に関する企画展が始まる。何かの偶然だろうか。

偶然見つけた「送り大師」

弘法大師霊場 日記 街で見かけたもの

20131016_daishidou1

昨日は終日、仕事で栃木県の那須方面を回っていた。
取材先に車を止めるスペースがなく、近隣の「千本松牧場」の駐車場をお借りしようと車のハンドルを切ると、駐車場の傍らに1間四方くらいのお堂が建っている。

仕事を済ませてから駐車場に戻り、お参りしようとお堂に向かうと、「弘法大師」の扁額が掛かっており、ここが大師堂であることが分かる。お堂は荒れた様子はなく、周辺の除草も行き届いており、しっかりと管理されている。

20131016_daishidou2

20131016_daishidou3

国道端にはここが「下野国新四国八十八ケ所霊場」の札所であることを示す標柱と、大師堂の縁起を記した案内板が建っている。こちらも、きちんと整備されている感じ。縁起によれば、千本松牧場の運営会社が管理しているお堂のようだ。霊場の開創は明治の中ごろで、豊島八十八ケ所の開創よりちょっと古いくらいか。

駐車代がわりにと牧場内のレストランで昼ご飯を済ませ、レジの人に大師堂のことを聞くと、「総合事務所に分かる人がいる」とのこと。事務所を訪ね、頂ける資料がないかを尋ねると、手持ちの物をコピーしてくださるそうで、ありがたい限り。

頂いたコピーは、地元の雲照寺さま(真言宗東寺派)がお別当を務める大師講のパンフレット。毎年3月下旬に、送り大師方式で全札所を回るようだ。詳しいことは雲照寺さまでないと分からない由。年間を通じて納経ができるかどうかは分からない(おそらく無理だと思う)。

送り大師は千葉・埼玉・茨城といった利根川流域の限られたエリアだけの風習とばかり思っていたが、那須連山の麓にも存在していると知り、ちょっと驚いている。基本的には瀬戸内などの島遍路と同じシステムであり、全国各地にあっても不思議ではないのだが、ついつい固定観念が先立ってしまうのも事実。「知られざる送り大師」は、全国にまだまだあるのかもしれない。

【豊島霊場案内書】アマゾンの在庫復活は今週末ごろ

お知らせ 日記 豊島八十八カ所

いつも「新聞屋の道具箱」をご覧いただき、ありがとうございます。

拙著『お大師様と共にあゆむ 豊島八十八ケ所巡礼』が、アマゾンで在庫切れとなっています。WEB上で在庫が復活するのは、今週半ば過ぎから週末になる見込みです。

アマゾン上での欠品が多く、皆様にはご迷惑をおかけし申し訳ございません。
お急ぎの方は
中山書房仏書林様(東京都文京区湯島)での店売り
 ※所在地・定休日はこちらから。
・拙著取り扱い一部札所寺院様
・当サイト「お問い合わせ」メニューからのご注文
のいずれかをご利用ください。

システム上、アマゾンへの寄託部数積み増しが難しく、お参りの皆様にご迷惑をおかけすることが続いていることをお詫び申し上げます。

『お大師様と共にあゆむ 豊島八十八ケ所巡礼』著者
「新聞屋の道具箱」管理人 

< 1 2 3 4 5 6 7 >