日記

豊島八十八カ所巡り(1)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

江戸三十三観音巡礼を結願して、もうすぐ1カ月。次に回る都内の霊場をどこにしようか考えていたのだが、旧豊島郡(現在の板橋、練馬、北、新宿区など)のお寺を回る、四国八十八カ所の「うつし霊場」である「豊島八十八カ所」を巡礼してみることにした。

東京23区内で現在巡礼できる弘法大師霊場としては、豊島以外にも都内全域を回る「御府内八十八カ所」と多摩川沿いのお寺を巡る「玉川八十八カ所」があるし、“簡略版遍路”としては「隅田川二十一霊場」も巡礼可能のようだ。以前にも書いたように、私の都内社寺巡礼はメタボ対策のウオーキングを兼ねたもの。できるだけ歩く距離が取れる方が良いし、埼玉県北部に位置する我が家から通う便を考えると、豊島八十八カ所が一番便利が良い。1番札所に電話してみると、応対もしっかりしていて感じが良い。御府内や玉川と違って、指定の朱印帳も特にないそうだ。いつも使っている東京楠堂製の朱印帳2冊を鳩居堂で買い求め、昨日の土曜日から早速回ることにした。

ただ問題なのが、札所の並び順。本家四国八十八カ所や江戸三十三観音では、ほぼ札所番号順に回るようになっているはずだが、豊島八十八カ所は札所の順番が完全にランダム。とてもじゃないが番号順に回るわけにはいかず、札所一覧を表計算ソフトに入れて住所を基準に並べ替えた上で都内の「歩き用地図」に落とし込み、近接する札所をまとめて回る方法を取った。

 

20090328_toshima01_hondou 20090328_toshima01_sekichu
札所1番 武王山安養院

池袋で東武東上線に乗り換え、上板橋で降りる。家からざっと1時間半で、通勤時間とほぼ同じだ。札所1番の安養院さんは、上板橋駅南口の賑やかな商店街を抜けて、城北学園高校を目印に20分ほどの歩き。閑静な住宅街といった趣で、あちこちに植えられている桜は見ごろを迎えているものも多い。

安養院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は阿弥陀如来。山門の前には、豊島八十八カ所の札所1番であることを示す古びた「弘法大師霊場」の石柱が立っている。境内もかなり広く、四国八十八カ所のお砂踏み霊場や西国三十三観音のうつし霊場もある。本堂左手に大師堂があったので、そちらで読経してから、本堂にもお参りする。庫裏を訪ねて御朱印をお願いする。お茶を頂き、応対してくださった御住職の奥様としばらく世間話。こういうお寺さんとの触れ合いが楽しいのは、江戸三十三観音と同じである。

20090328_toshima01_sakura 
お寺の前の道に植えられている桜もまさに見ごろ。奥様の話では「桜川」の地名の通り、この辺りは桜の名所という。
(安養院 板橋区東新町2丁目30-23)
※安養院の地図はこちら

 

20090328_toshima58
札所58番 医王山荘厳寺

安養院から札所50番の長命寺に向かったのだが、お留守のようで納経ができず、来た道を半ば戻る形で札所58番の荘厳寺に向かう。途中の桜並木もきれいに咲いていて、心が和まされる。安養院からまっすぐ歩けば、15~20分ほどか。長命寺には改めてお参りすることにした。

荘厳寺も境内はかなり広い。近所の方だろうか、お参りする人が多い。お庭も手入れが行き届いている。こちらは真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。庫裏の玄関横に簡単な納経所が設えてあって、呼び鈴を押すとそちらを開けて納経の対応をして頂いた。御住職が不在とのことで書き置き対応だったが、こちらは大小2種類の用紙を用意してある。紙質もクリーム色のちょっと珍しいもの。

参道入り口の所には法話の掲示板があるが、よくある本山で印刷したものではなく、御住職の直筆と思われる長文が張り出されている。人間が何も持たずに生まれてくることを例えに、昨今の経済状況への対応について述べられている。確かに、今の不況は人間の欲が暴走した結果引き起こしたもの。厳しくも温かく励ます文面に感心する。
(荘厳寺 練馬区氷川台3丁目14-26)
※荘厳寺の地図はこちら

 

20090328_toshima10_sanmon
札所10番 大明山光傳寺

札所10番の光傳寺へは、荘厳寺から地下鉄の氷川台駅方向へ歩いて10分ほど。ただ、入り口がバス通りに面しておらず、墓地の塀を目印に路地をぐるっと回り込む形になるので、ちょっと迷うかもしれない。

光傳寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。本堂前には練馬区の登録天然記念物になっている、コウヤマキの巨木がそびえ立つ。境内にはこれも区の登録文化財になっている三十三観音菩薩像などが祀られている。

20090328_toshima10_hengaku
本堂左側には豊島八十八カ所の札所であることを示す細長い扁額が掲げられているが、その反対側には「豊島廿一カ所第十番」などと書かれた、明治と大正の年号入りの扁額が下がっている。田上善夫氏の論文や手元にある「全国霊場巡拝事典」(大法輪閣)によると豊島八十八カ所は1908(明治41)年に開創された由だが、札所番号も同じだし、何となく気になる。

納経の時に御住職に伺うと、豊島八十八カ所が開創される前、「豊島二十一カ所」という弘法大師霊場があり、件の扁額はその名残だとか。豊島八十八カ所は、その二十一カ所霊場の札所を受け継ぎ、22番以降を加えて開創されたものという。だとすれば札所番号が巡礼路にかかわらずランダムに振られているのも納得できる。
ただ、この2枚の扁額はいずれも豊島八十八カ所の開創以降に奉納されたもの。この巡礼路が四国うつしの八十八カ所として認知されるまで、時間が掛かったということか。

賽銭箱には、来月16日に開かれる寄席の案内が張ってあった。定期的に行われているもののようで、地域と密着したお寺なのだろう。
(光傳寺 東京都練馬区氷川台3丁目24-4)
※光傳寺の地図はこちら

————————–

回り始めがお昼になってしまったこともあり、今回は3カ寺で打ち納め。円覚寺百観音を回る時に騎西の龍興寺の御住職がおっしゃられたように、ガツガツせずのんびり結願を目指そうと思う。

また、お参りを終えて何気なく岡山の山陽新聞のホムペを見ていたら、私が学生時代にお世話になったベテラン記者による本四国巡礼のルポが始まっていた。長いことお目にかかっていないが、感謝と遍路の無事を祈って、トラックバックさせていただく。無事の結願を祈ります>横田様

定額給付金申請書キタ━━━(゜∀゜)━━━

日記

豊島八十八カ所巡り(後述)から帰宅して、自宅のポストを開けると、「定額給付金申請書在中」と書かれた市役所からの郵便が届いていた。

早速開封してみたが、記入とか証明書類のコピーとか意外に面倒臭い。
振り込み先の口座確認用の通帳コピーも必要なんだが、漏れが持っている口座って、ほとんどが通帳レスのタイプ。銀行によってはこうしておくと機械の手数料が安くなるからなんだが…こういう時には不便。

結局通常使う口座で唯一通帳がある郵便貯金を指定することにしたが、振り込みが遅くなるらしい。普通の銀行と同じように振り込みができるようになっているはずなのだが、どういうことなんだろうか。

ぜいたくな悩み(笑)

七福神 寺社巡礼 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音

東京都心部では昨日、早々と桜の開花宣言。どうも各地とも大幅に桜の開花が早まりそうだ。
ここ数年、花見の時期には長野県の高遠に出掛けるのを常にしているので、気象台の参考情報を見ると…昨年より1週間、平年に比べると2週間近く早い、4月2日の開花予想。

ありゃりゃ…ダブルブッキングだ
というのも、来月の5~11日は、さいたま市周辺の巡礼路「足立坂東三十三観音」の中開帳なんである。名前から察しがつく通り、坂東三十三観音の「うつし霊場」なのだが、江戸や本家坂東と違って、こちらは大半の札所が地区で管理する観音堂。御開帳期間でないとお参りすらできない札所がある可能性も否定できない…。こちらの三十三観音の御開帳は午年の「総開帳」と丑年の「中開帳」だけ。したがって今回の機会を逃すと次のチャンスは5年後ということになる。この機会にぜひお参りしたい。

というわけで、今年は高遠へのお花見は中止。お花見の時は木曽七福神伊那七福神にもお参りしたかったのだが、こちらはまたの機会ということか。木曽や伊那の七福神は御住職の法話など独自のお接待があるようで、いつか訪ねたい。

飛鳥山公園でプチ花見

お出かけ 日記

今日は朝から快晴。東京都北区の中央図書館で調べ物があったので、帰りに都内城北地区のお花見スポットとして知られる飛鳥山公園に出掛けてきた。住まいに戻ってから気づいたのだが、東京で桜の開花宣言が出ていたんだな…。

図書館から飛鳥山公園までは歩いて20分足らず。エスカレーターの設置工事とかで、JR王子駅側の入り口が使えず、結構遠回りさせられる。
公園内は近所の子どもたちの遊び場になっているようで、親子連れらで結構な人出。桜はまだほとんどがつぼみだったが、都電荒川線の線路側の広場で、山桜が1本だけ見ごろになっていた。

20090321_asukayama
個人的には、ソメイヨシノ系より山桜の方が好み。

—————————

春彼岸でお寺さんは書き入れ時なので、霊場めぐりは今週はお休みだw

分かりにくくなった車の保険

日記

勤めから帰宅すると、ポストに車の保険会社からの大きな封筒。間もなく任意保険の更新時期なんだが、その案内かと思って封を開けると、商品内容を変更する旨の通知と、その内容を解説する結構厚いパンフレット。更新の案内自体は、別便で担当の代理店から来るそうだ。

早速中身に目を通すが…分かりにくい。特約の内容が見直されたり、保障の内容を細分化しているっぽいが、どういう場合にどういう保障が得られるのか、望む保障内容に応じてどういう特約を付ければよいのか、何度読んでも見えてこない。ホムペではパンフに比べて少しは分かりやすいのだが…。

いつもの契約更新なら簡単なメールのやり取りで終わっているのだが、今回に限っては以前にも増してきちんと確認しないといけない。ちょっと面倒臭いがw

円覚寺百観音めぐり(5)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

日曜日(15日)の「大本山円覚寺百観音霊場」巡りの続き。
札所7~9番は円覚寺山外の札所になる。

 

 20090315_enkaku_7
札所7番 松岡山東慶寺

円覚寺の総門を出て、JR横須賀線の踏切を渡ると、札所7番の東慶寺はすぐそこ。「縁切り寺」と書いた方が分かりやすいだろうか。そう、現在は私がかつて暮らしていた諏訪市に居を構える、あの歌手のヒットソングのタイトルになっているお寺だ(はっきり書きたいのだが某著作権管理団体への許諾申請が烈しく面倒臭いので)。但し現在は男僧のお寺である。

東慶寺の本尊は釈迦如来で、札所本尊は聖観世音菩薩。私が訪れたときは宝物殿に当たる「松ヶ岡宝蔵」で一般公開されていた(5月末まで)。観音さまの横には、きちんと御詠歌入りの鎌倉三十三観音の扁額が掲げられていた。

境内はお庭がきれい。ここは「東国花の寺」の札所にもなっていて、四季それぞれにお花が楽しめる。入り口の脇にあるヒガンザクラがもう咲き始めていた。今度はイワタバコや花菖蒲の時期に、花の寺巡礼でお参りしよう。 境内の茶室では、若い女性が集まりお茶会を催していた。
(神奈川県鎌倉市山ノ内1367)
※東慶寺公式ホームページはこちら。(公式ブログもあり)

 

20090315_enkaku_8
札所8番 金宝山浄智寺

東慶寺を出て、鎌倉街道を市街地方向に少し進み、案内板に従ってJR横須賀線の踏切の手前で右折。だらだら坂を上っていくと、程なく札所8番の浄智寺に着く。

このお寺の本尊は阿弥陀如来など3体で、札所本尊は聖観世音菩薩。観音さまは本堂の裏手の一角を仕切ってお祀りされている。こちらのお寺も鎌倉三十三観音の札所になっていて、観音堂には御詠歌入りの扁額が掛かっている。

山門を入ったときの印象とは裏腹に、このお寺の境内は結構広い。源氏山に食い込んだ谷がそれだけ深いということか。拝観コースは境内の縁をなぞるように造られているので、結構歩き甲斐がある。一番奥まったところにはシイタケの原木がたくさん並べてあって、肉厚でいい感じのシイタケが何本も生えているw 途中には布袋様も祀ってあって、掲示の通りにお腹を撫ぜてきたが、御利益はあるだろうか。
(神奈川県鎌倉市山ノ内1402)

 

20090315_enkaku_9
札所9番 錦屏山瑞泉寺

鎌倉市内の札所では、9番の瑞泉寺だけがほかの札所と離れている。鎌倉宮からさらに山側に15分ほど歩いたところにある。地図で見ると坂東三十三観音や鎌倉三十三観音の発願札所になっている杉本寺(杉本観音)からそう遠くない。

札所本尊は千手観世音菩薩。本堂裏手にある崖を利用した「石庭」は必見。お参りの後にゆっくり見たかったのだが、訪れた時はあいにく某県の「歩け歩けの会」が団体参拝中で、急き立てられるようにお庭を後にした。このご一行は参拝マナーも決して褒められたものではなく、結構なお年の人ばかりだったのにちょっと残念。
(神奈川県鎌倉市二階堂710)

円覚寺百観音めぐり(4)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

鎌倉の円覚寺百観音巡りの続き。

 

20090315_enkaku_4
札所4番 佛日庵

札所4番の佛日庵は、続燈庵から少し参道を下ったところにある。円覚寺の塔頭では数少ない、外来者ウエルカムのお寺だ。こちらは、円覚寺のとは別に拝観料がかかる。拝観だけの料金とお抹茶付き料金の2本立てで、小腹も空いていたし後者を選び、木戸で500円を支払う。

佛日庵は、円覚寺を開基した北条時宗の廟所として知られる。札所本尊の十一面観世音菩薩坐像は、本堂ではなく廟所にお祀りされている。お抹茶を頂いてから心行くまでお参りする。

こちらは、写経を納めないとお参りすらできないお寺があるなど、「難所」が多いことで知られる鎌倉三十三観音の結願札所にもなっている。朱印所で私のすぐ後ろに並んだ中年カップルは、「結願です」とにこやかに納経所を預かる女性に声を掛けていた。私も「おめでとうございます」と声を掛ける。あちらは、私が手にしていた納経帳に興味があるようで、朱印所で何か聞いていた。
(佛日庵 神奈川県鎌倉市山ノ内434)

 

20090315_enkaku_5
札所5番 南山寿徳庵

札所5番の寿徳庵は、佛日庵からさらに少し参道を下り、札所の看板を目印に急な石段を登ったところにある。こちらは札所3番と同じく、「寺用の方以外お断り」の掲示があるのだが、後ろがいやに騒がしいと思って振り返ると、日本人ガイド?に引率された外国人グループが後をついてくる。嫌な予感がしたが、件のグループは案の定、山門のところで御住職に追い返されていた。日本人がついているんだから、注意くらいすれば良いのだが、ひょっとして(以下自粛)。私は百観音参りの来意を伝えると中に入れて頂け、「本堂でお参りしてください」とのことで、お言葉に甘える。

こちらは、戦国の世に当地周辺を治めていた三浦一族との関係が深いお寺。札所本尊は室町時代の作とされる聖観世音菩薩。両手で長い蓮の花を持つ仕草が印象的だ。
(寿徳庵 神奈川県鎌倉市山ノ内444)

 

20090315_enkaku_6
札所6番 龍隠庵

結願札所を別にして円覚寺山内での打ち納めとなる札所6番の龍隠庵は、札所1番の横の小道を入って、九十九折の石段を登った小高い場所にある。

石段を登りきると、まさしく庵という感じの建物の隅に観音さまが安置されていて、その前には茣蓙が敷かれていて、お茶のお接待もある。茣蓙に上がってお参りしても構わないかと思って、お寺の人を呼ぼうと鐘を鳴らすと程なく人の良さそうな作務衣姿の若い僧侶の方が出てきた。百観音参りの来意を告げると、こちらでも「本堂でお参りしてください」とのことで少し離れた本堂に案内される。

札所本尊の聖観世音菩薩は丈が30~40センチほどだろうか。わざわざお灯明をつけて下さり、焼香してから読経する。読経が終わって御朱印が出来上がるのを待っていると、先ほどの若い僧侶の方が、お抹茶とお菓子を持ってきて下さった。僅かな納経代だけで申し訳ない…と思いながら頂き、いろいろと話が弾む。程なく御住職もお見えになり、百観音参りを始めた経緯をお話しして、いろいろとアドバイスを頂戴する。まだ回っていない札所でも無住のところなど「難所」があるようだ。「頑張って回りなさい」と励ましの言葉も掛けていただき、ありがたい限り。
あまりのお接待に、お寺を後にするとき賽銭箱の中に気持ちばかりの金額を改めて入れる。
こちらはいろいろな催しもあるようなので、また来たい。本当にいいお寺である。
(龍隠庵 神奈川県鎌倉市山ノ内450)

——————

円覚寺山外にある札所7~9番は、別稿で。

円覚寺百観音霊場めぐり(3)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場

昨日の土曜日から空模様は一転して、雲一つない青空が広がる絶好のお出かけ日和。「大本山円覚寺百観音霊場」巡りの続きに出掛ける。

 

20090315_enkaku1
札所1番 瑞鹿山円覚寺

円覚寺百観音巡礼記のその1に書いた通りの事情で、発願寺はわが家から近い騎西町の龍興寺さんに定めたのだが、1番札所をいつまでも放っておくのは気分が良くない。天気も良いことだし、鎌倉まで遠出をしてみたw

JR北鎌倉駅の下りホーム先端にある臨時改札を出ると、程なく円覚寺の総門に着く。ここで拝観料300円也を払って、境内へ。木戸のすぐ先に朱印所がある。話を聞くと件数が多く結構時間が掛かるようなので、先に納経帳を預けてから札所1番にお参りする。

こちらの札所本尊は大慈大悲観世音菩薩。お寺の本尊である釈迦如来を祀る仏殿のすぐそばにある、「選佛場」に観音さまが祀られている。選佛場は僧侶が座禅を組むためのお堂。写真の通り結構な人出で、他の人の邪魔にならぬように通路の一番端で読経する。観光地化されているし致し方ないのだろうが、手も合わせずに観音さまだけ「見仏」して帰る人の多いこと…数珠を手に読経する私を怪訝な表情で見る人もいるくらいだ…怪しい風体なのは認めざるを得ないがねwww
(円覚寺 神奈川県鎌倉市山ノ内409)
※円覚寺ホームページはこちら

 

20090315_enkaku_2
札所2番 伝衣山黄梅院

札所2~6番は、円覚寺山内にある塔頭寺院。札所2番の黄梅院は、その中でも一番奥まった場所にある。歩く距離も高低差も結構あり、円覚寺の広さを実感。

黄梅院の札所本尊は千手観世音菩薩と聖観世音菩薩の2体。いずれも本堂に安置されていて通常は拝むことができないようだが、「お前立ち」ということだろうか、境内にある観音堂には別の聖観音がお祀りされている。
札所の看板はあるのだが、納経所を示す類のものがない。本堂の玄関を訪ねたら、こちらで正解だった。「よくお参りです」と声を掛けていただき、御朱印を頂けた。

別の札所で聞いたのだが、黄梅院の御住職は山内の要職も務められているようで、お留守のことが多いらしい。「一度で御朱印を頂けるとは運がいいですよ」とのことだが、これも観音さまの御加護だろうか。
(黄梅院 神奈川県鎌倉市山ノ内428)

 

20090315_enkaku_3
札所3番 万富山続燈庵

黄梅院から参道を少し下りて、札所の看板を目印に石段を上がったところに札所3番の続燈庵がある。
石段の横には「寺用の方以外はお断り」の掲示があるが、「百観音巡りは大丈夫だろう」と思って石段を上がる。本堂のガラス戸が開いていて観音さまを拝めたので、外から読経して本堂の玄関で来意を告げても、人の気配がしない。しばらくすると、本堂奥の墓地などがあるところから「お参りですか?」と作業服姿の男性がこちらに声を掛けてくれる。その方が御住職だった。

本堂に上がってお参りしてほしいとのことで、御住職の仕事を止めさせて申し訳ないと思いつつ、お言葉に甘える。こちらの札所本尊は聖観世音菩薩だが、童女のような可愛らしい表情をしている。南北朝時代の作とのことで、このお寺が関東大震災の被害にあった際に、法類(お寺の親戚関係のようなもの)に当たる札所7番の東慶寺から奉安されたものと御住職は説明してくださった。

百観音霊場を知ったきっかけなど、いろいろと話が弾む。こちらの御住職、龍興寺の御住職とも親しいようである。何としても結願しなければと気が引き締まる。
(続燈庵 神奈川県鎌倉市山ノ内431)

長くなるので続きは別記事で。

道明寺鯛焼き

わが町 日記 食べ物

今日は朝から雨というか、「春の嵐」。自宅警備プチヒッキーを決め込んでいたのだが、1週間分の食材買い出しをせねばならず、同じ市内のショッピングセンターへ。いつも食べている地元で取れるお米の2キロ入り袋、ここでしか売っていないのだ。

ショッピングセンターの中の食品スーパーで買い出しを終え、エスカレーターで駐車場フロアに上ろうとすると「桜 道明寺鯛焼き」の幟が目に入る。面白そうなので一つ買ってみたw

20090314_taiyaki_1 20090314_taiyaki_2
見た目は普通の鯛焼きだが、よく見ると桜餅に使う塩漬けの桜の葉みたいなものが、鯛焼きの皮からはみ出している。切ってみるとごらんの通り、鯛焼きの中に桜餅が入っているという寸法。一見ミスマッチのようだが、鯛焼きの皮と桜餅の相性が良くておいしい。塩味が効いた桜の葉と鯛焼きの皮も意外に合う。

この鯛焼きは4月15日までの限定販売だが、私の暮らす街は、「いがまんじゅう」という蒸し饅頭を赤飯で包んだ和菓子が昔から親しまれている土地柄なので、ひょっとすると隠れた人気商品になっているかもしれない。

円覚寺百観音めぐり(2)

お出かけ 円覚寺百観音 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

空模様が怪しいが、近所の「大本山円覚寺百観音霊場」巡りに出掛けてきた。

 

20090308_enkaku_39_1 20090308_enkaku_39_2
札所39番 常楽山養竹院

わが家からは荒川を渡って車で30分ほどの、札所39番の養竹院さんから回る。参道の入り口が県道に面していないため、ちょっと迷うw

山門の脇にひなびた観音堂があって、そちらに「大本山円覚寺百観音霊場三十九番札所」の扁額が掛かる。札所本尊は千手観世音菩薩。
観音堂でお参りして読経してから農家然とした本堂へお参りに伺うと、ご住職の奥様が出てこられ、「○○(管理人の苗字)さんですか?」と聞かれる。「龍興寺さんから電話がありましたから」とのことで、心配りに感謝。お話好きな奥様で、昔話やら霊場巡礼のことやら、いろいろと話が尽きない。札所本尊の千手観世音菩薩は地域で「子安観音」と呼ばれていて、安産に霊験あらたかなのだとか。「あなたはもうお子さんいらっしゃるの?」と聞かれたので「いえいえ、相手がおりませんで…」と答え、二人で呵呵大笑www
このお寺は太田道灌の子資家が父を供養するために開基したとされ、境内には「太田道灌の陣屋跡」の石碑がある。昔は隣接する八幡神社を含め境内地は広大だったそうだが、農地改革などで今のような姿になったのだとか。

縁側に持ってきて下さった朱印を納める箱の中に「中武蔵三十二番札所」という印があったので尋ねると、この地域のお薬師様の巡礼路とのこと。来年の寅年が御開帳だそうで、ちょっと楽しみだ。鬼に笑われそうだがw
山門の脇には、「中武蔵札所」であることを示す新しい石碑も建っている。
(養竹院 埼玉県川島町表9)
養竹院の地図はこちら

 

20090308_enkaku_38_1 20090308_enkaku38_2
札所38番 大龍山清河寺

札所39番から再び荒川を渡り、札所38番の清河寺(せいがんじ)さんへ。ここも県道からの入り口が分かりにくく、ちょっと迷う。やっぱり車にナビをつけないとダメか…www

本堂や庫裏を建て直して間もないようで、木の香りがしてきそうな感じだ。足利一族との関係が深い古刹で、札所本尊は千手観世音菩薩。山門を入って左側にある「慈水堂」と名付けられた観音堂の中にお祀りされている。

路地から100メートルほどの参道の両側には、見事な梅の並木。いい香りが漂っていた。簡素ながら美しい、いかにも臨済宗という感じのお寺だ。
(清河寺 さいたま市西区清河寺792)
※清河寺の地図はこちら

 

20090308_enkaku_41
札所41番 寶王山少林寺

札所38番から国道17号を北上し、上尾卸売市場がある交差点を右折して、札所41番の少林寺さんへ向かう。

上尾市の文化財に指定されている朱塗りの山門の脇に、百観音霊場の幟が立っている。1288年開基の古刹で、本尊は聖観世音菩薩。
このお寺のある一帯は西門前という地籍なのだが、その「門前」とはこの少林寺門前のことを指している。昔は相当大きなお寺だったようだ。境内では四季の草花が楽しめるが、その美しさも伝統のなせる技か。本堂にはおびんずる様も安置されている。

お寺から頂いた略縁起の末尾に、大本山円覚寺百観音と並んで「足立新秩父34ヶ所第十二番札所」の文字があった。ご住職に伺うと、江戸時代に始まった秩父札所の「うつし霊場」で、現在では廃寺になっている札所もあって、全部回るのは難しいのでは…とのこと。午年ごとの総開帳の連絡も30年以上絶えているそうで、「音頭取りをする人がいなくなっているのだろうなあ。うちのお寺の御詠歌もあるのですが」と、残念そうなご様子だった。
(少林寺 埼玉県上尾市西門前399)
※少林寺の地図はこちら

 

20090308_enkaku40
札所40番 瑞露山密厳院

上尾市の西北部、歩いて数分で桶川市という場所にある札所40番の密厳院(みつごんいん)さんを訪ねる。

このお寺、実は先週も一度訪れている。その時はデジカメを家に置いてきてしまったのと、無住のようで納経先などが分からず、龍興寺さんで教えて頂いて改めて出直した次第。札所本尊は如意輪観世音菩薩。山門に百観音霊場の扁額が掛かる。養竹院と同様、太田家との所縁が深いお寺という。境内には新しい六地蔵と並び、古びた「馬頭観世音」の石碑が建つ。お堂の横に妙な空間があるのは、馬頭観世音を祀っていたことの名残か。

密厳院は、桶川市の知足院を札所1番とする坂東札所のうつし霊場、足立坂東(北足立)三十三観音の20番札所でもある。別のお寺で聞いた話では、足立坂東三十三観音は午年ごとの総開帳の伝統は守られているようだ。百観音の納経は、養竹院で受けて頂ける。
(密厳院 上尾市藤波2-196)
※密厳院の地図はこちら

————————————–

先日書き漏らしてしまったが、円覚寺百観音の大半の札所は、通常の檀家寺。この点は江戸三十三観音も同じなのだが、こちらはまだまだ巡礼者が少ないし、事前にお寺にお参りの日時を連絡しておいた方が良い。ご住職が不在の場合は納経が受けられないお寺もある。

< 153 154 155 156 157 158 159 >