観音霊場

坂東三十三観音巡り(4)

お出かけ 坂東三十三観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

10月4日の日曜日に、久しぶりとなる坂東札所巡礼に出かけてきた。

 

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札所18番 中禅寺(立木観音)

宇都宮日光道路に入ったあたりから雨が降り出してきたが、いろは坂を過ぎ中禅寺湖畔まで来ると雨は上がっていた。標高が高いだけあって、長袖シャツ1枚+袖なし笈摺という格好ではさすがに肌寒い(笑)。
札所18番の中禅寺は日光のシンボル的なお寺だけあって、観光客の姿が目立つ。

山門をくぐると鐘を撞けるようになっているので、志納金を箱の中に入れ、撞かせていただいてからお参り。担当のお坊さんが付いて境内を案内してくださる。こちらは天台宗のお寺で、本尊の千手観世音菩薩は、日光の地を開山した勝道上人が桂の立木を使って彫り上げたと伝えられることから、「立木観音」の別名を持つ。素朴さが滲み出る、やさしいお顔だ。

こちらでは、私と同じような格好で巡礼しているご夫妻と一緒になった。大阪から来られているそうで、すでにお四国のほか西国や秩父も回られたとか。
坂東の札所を回っていると、関西から来た人によく出会う。信心は向こうの人の方が厚いのだろうか。

(2009年10月4日巡礼=栃木県日光市中禅寺歌ケ浜2578)
※中禅寺公式HPはこちら

 

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札所19番 大谷寺(大谷観音)

山を下りて、札所19番の大谷観音に向かう。こちらも観光客で結構な人出。 お坊さんがガイドしてくれるのも、中禅寺と同じである。大谷観音は天台宗のお寺で、本尊は千手観世音菩薩。大谷石を刻んだ上に朱を塗り、細部を粘土で飾って仕上げた、国内でも珍しい仏さまである。お寺の堂宇が、大谷石の洞窟にめり込むように建っているのも珍しい。

参拝を終えると、お世話になっている金剛院のご住職のブログで紹介されていた平和観音にもお参り。像高88尺8寸8分(26.93メートル)というから、奈良の長谷寺、東京なら永平寺別院の大観音の2倍以上の大きさ。その迫力を味わってから、次の札所に向かう。

(2009年10月4日巡礼=栃木県宇都宮市大谷町1198)

 

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札所20番 西明寺(益子観音)

札所20番の西明寺に着いたのは、お昼を少し過ぎてから。こちらは真言宗豊山派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。

中禅寺や大谷寺とは打って変わって、山寺の風情があふれる境内は静かで、ゆったりした時が流れているようである。こちらの方が坂東のお札所に似つかわしいと思うのは、私のわがままだろうか。
両脇に坂東各札所の写しの石仏が並ぶ石段を上ると、本堂からお経の声が聞こえてくる。月例の護摩法要の真っ最中だったが、入り口にいらっしゃった檀家総代の方のご厚意で中に入れていただくことができた。私も護摩木を供えて、お勤めさせていただく。護摩法要に参列するのは坂東のお札所では初めてで、それ以外を含めても2回目。ちょっと緊張する。

こちらのご住職は、がんセンターの勤務経験もあるお医者様でもある。終末期医療に力を入れている診療所や介護施設を運営していることで知られる。このお寺の見所の一つ、「笑う閻魔さま」との縁を感じるのは、私だけか。
(2009年10月4日巡礼=栃木県益子町大字益子4469)
※西明寺公式HPはこちら

江戸観音巡りを再発願(5)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

26日の土曜日も、豊島八十八カ所の巡礼に引き続いて江戸三十三観音にもお参りする。

今回は4番・回向院に出かけてきた。この秋、両国一帯では「ぶらり両国街かど展」というイベントが行われていて、回向院では本堂内のロビーで、このお寺の歴史を紹介するパネル展が行われている。
回向院で相撲や出開帳が行われていたのは知っていたが、昔はその他の催し物もたくさん開かれていて、回向院が「文化ホール」の役割を担っていたのが分かる。

個人的に興味があったのは、「屁ひり男の見世物」。このブログにあるような内容だったのか。見てみたいのは山々だが、こういう芸を現代の日本で上演した日には間違いなくアレのお世話になる。

江戸観音巡りを再発願(4)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

13日の日曜日は、豊島八十八カ所巡りに引き続いて江戸三十三観音のお札所にもお参りしてきた。

今回は19番東円寺→17番宝福寺→18番真成院の順で回る。

宝福寺は、観音堂が火災に遭いお参りできるかどうか心配だったが、本堂の一部が仮の観音堂になっていて、焼失を免れた札所本尊がお祀りされている。まだ普請の最中のようで、巡礼の際は足元に御注意を。

(2009年9月13日巡礼)

江戸観音巡りを再発願(3)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

8月15日は、坂東札所のお参りに併せ、京浜急行沿線にある江戸三十三観音のお札所を回ってきた。

30番一心寺→31番品川寺→番外・海雲寺の順にお参りする。
一心寺の御朱印の墨書きが前回のお参り時と違っているのに気づくが、ここは2パターンの御朱印があるようだ。納経の有無で分けているのだろうか…。

(2009年8月15日巡礼)

坂東三十三観音巡り(3)

お出かけ 坂東三十三観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

先の週末、15日と16日は坂東三十三観音と江戸三十三観音のお札所を回ってきた。

 

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札所13番 浅草寺(浅草観音)

今回のお参りは坂東の札所13番・浅草寺から。雷門に着いたのは10時過ぎだったが、既に結構な人出。

浅草寺は聖観音宗の本山に当たるお寺で、本尊は秘仏の聖観世音菩薩。でも、浅草寺の宗派とか本尊って、「知る人ぞ知る」の典型のように思うのは、私だけか。

今回も例によってお内陣に上げていただいてのお参り。この日は旧盆の法要があるせいか、いつもより内陣でのお参りが多いような気がする。お納経も江戸観音の時と同じく、影向(ようこう)堂で。こちらでもお坊さんがお経を上げていた。浅草寺には何度もお参りしているが、影向堂での法要は初めて見た。
(2009年8月15日巡礼=東京都台東区浅草2-3-1)
※浅草寺の公式ホムペはこちら

 

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札所14番 弘明寺

浅草から都営浅草線と京浜急行を乗り継いで、札所14番の弘明寺へ。経路上にある「江戸三十三観音」の3つのお札所にも、途中下車してお参りする。

弘明寺は高野山真言宗のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。
駅を出ると程なくお堂の屋根が見えるのだが、すり鉢の底のような場所に山門があり、結構歩かされる。知名度の高いお寺だし大伽藍を想像していたのだが、境内の広さもお堂の大きさも21番日輪寺くらいか。

こちらはお内陣でお参りするのは拝観料300円が必要とのことで、納経料とは別にお納めして中でお勤めさせていただく。本尊の十一面観音は行基作といわれ、鉈の彫り目が残る木像。国の重要文化財に指定されている。ちょっと優しそうな表情が印象的だ。

本堂には来春に行われる、近隣の薬師霊場のご開帳を知らせるポスターが張ってあった。来年は寅年で、私の住まいの近所の薬師霊場でも御開帳があるはずだ。

駅に戻る途中、見知らぬ年配の女性から「巡礼ご苦労さまです」と声を掛けられる。おいずる姿で回っているせいだろうが、何となく嬉しくなる。
(2009年8月15日巡礼=神奈川県横浜市南区弘明寺町267)

 

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札所1番 杉本寺(杉本観音)

まだ時間があったので、金沢八景でバスに乗り換え、札所1番の杉本寺にもお参りする。

杉本寺は天台宗のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。拝観料200円を払って境内に入る。日が傾きかけた時間だったが、そこは観光地・鎌倉のこと、結構な人出。長い石段で知られるお寺だが、本堂付近は回り道をするように指定されている。

源頼朝との関係ゆえか、禅宗のような簡素な造りの茅葺きの本堂には、行基、慈覚、京心の3師がそれぞれ作ったとされる、本尊の十一面観音が祀られている。拝観料にはお内陣の分も含まれているようなので、納経所の方に一言断ってから、入堂してお勤めさせていただく。せっかく拝観料を払っているのに、本堂の前で手を合わせて帰る人が目立つ。何か勿体ないような気がするのは、私だけか。

ちなみに、こちらのお姿は3体1組での授与。従ってお姿代は300円。私のように納経料やお姿代をあらかじめポチ袋に入れてお参りする人は、十分御注意を。
(2009年8月15日巡礼=神奈川県鎌倉市二階堂903)

 

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札所15番 長谷寺(白岩観音)

翌16日は、先日買ったカーナビのテストも兼ね、群馬県内のお札所を回る。

最初にお参りした札所15番の長谷寺(ちょうこくじ)は金峯山修験本宗のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。

駐車場から直接本堂の前に出られるようになっているが、ちょっと遠回りして山門からお参りする。すると、山門を入ってすぐ、右側に朱塗りの鐘楼が目に入ってくる。100円納めると鐘を撞けるようなので、1回撞かせていただく。坂東札所では初めての体験で、力の加減を誤っていい音が出なかったw

このお寺は拝観料200円をお納めすると、入堂してお勤めができる。修験道のお寺ということもあってか、本堂の内部はどことなく神社の雰囲気も漂う。心ゆくまで観音さまを拝みながらお勤めさせていただいた。

参拝後、お納経をしながらご住職から修験道のお話をいろいろ伺う。戦前は苦難の歴史が続き、天台宗に属していたのだとか。現在の宗派名「金峯山修験本宗」にピンと来ない向きも多いだろうが、御本山は桜で有名な吉野山にある金峯山寺と言えば、分かっていただけるだろうか。
(2009年8月16日巡礼=群馬県高崎市白岩町448

 

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札所16番 水澤寺(水澤観音)

続いて札所16番の水澤寺に向かう。広い駐車場に車を止めてから、門前のうどん屋さんで昼食を取る。まあ、ここまで来て名物の「水沢うどん」を食べぬ手はない。

水澤寺は天台宗の寺院で、本尊は千手観世音菩薩。
伊香保温泉の近くにあるせいか、境内は浅草寺並みの結構な人出。こちらでも鐘が撞かせていただいてからお参りする。私の後に撞いた人は「戻り鐘」のようにも思えたのだが、教えてあげた方が良かったのだろうか。

こちらはお願いすると入堂してお参りできることもあるようだが、この日は祈祷の予定が立て込んでいて、外からのお参り。あまりに人出が多いので、脇に寄ってお経を上げる。

本堂の横には、お地蔵様を祀る「六角堂」がある。京都の有名寺院と同じく六角形をしているのだが、こちらのお堂は六地蔵を祀る部分が回転するようになっていて、左回りに3周してお参りすると願いが叶うのだとか。私もお地蔵様の真言と願い事を交互に唱えながら、六地蔵を3回転させてお参り。子どももはしゃぎながらお地蔵様を回している。子どもの目には、「石でできた仏さまが乗ったメリーゴーランド」にしか見えないのだろうが、もともとお地蔵様は子どもの守り本尊だから、これが自然な姿なのかもしれない。

無料拝観中の釈迦堂では「東上州観音霊場」のガイド本を入手。機会があればお参りしたい。
(2009年8月16日巡礼=群馬県渋川市伊香保町水沢214)
※水澤寺の公式ホムペはこちら

江戸観音巡りを再発願(2)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

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8日の豊島八十八カ所巡りに併せ、近くにある江戸観音のお札所にもお参りしてきた。
早稲田周辺は両方の札所が近接しているのだ。

今回は13番護国寺→14番金乗院→15番放生寺の順でお参り。

護国寺の境内は骨董市が開かれていて、結構賑やか。いい味を出している観音さまも並んでいたが、薄給の身に買える値段ではないw
放生寺では、車に寝泊りしながら全国のローカル霊場を回っている男性に出会う。お手製の納経帳を持って回られているのだが、すごい厚さである。

写真は15番放生寺。

坂東三十三観音巡り(2)

お出かけ 坂東三十三観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場

先の3連休は珍しく世間並みの休み。長時間の歩行はまだやめておいた方が良いとのことだったし、近くまで車で行ける坂東三十三観音のお参りに出かけることにした。今回は、埼玉県北部の我が家からはかなり遠い、茨城県北部のお札所を中心に巡る。

 

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札所21番 八溝山日輪寺

札所21番の日輪寺は茨城、栃木、福島の3県が境界を接する、札所の山号と同じ標高1022メートルの「八溝山」の頂上近くにあるお寺。標高が高いのに加え道が険しかったことから、坂東札所で最も厳しい難所として知られ、遥拝だけで済ます巡礼者も多く「八溝知らずの偽坂東」という言葉が今なお伝えられている。

日輪寺は天台宗のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。673年、修験者の開基と伝えられている。
現在は車道が通じているが、3ナンバー車だとちょっと厳しい程度の広さ。通常はバスで移動する団体参拝者も、ここだけは麓でタクシーに乗り換えて移動するようだ。
駐車場には結構な台数の車が止まっている。短い階段を上って本堂に向かうと、入堂してお参りくださいとの掲示があったので、お言葉に甘える。鉄筋コンクリートの大き目のお堂だが、ぴんと張り詰めた厳かな雰囲気が漂うのは、修験者の開基の故か。

ここの札所の隠れた名物は、駐車場に接して建っている農産物直売所のおじさん。巡礼の歴史などいろいろ面白い話を聞けるので、ぜひお立ち寄りを。
(2009年7月19日巡礼=茨城県久慈郡大子町上野宮字真名板倉2134)

 

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札所22番 妙福山佐竹寺(北向観音)

来た道を戻り、常陸太田の市街地に近い札所22番の佐竹寺に向かう。こちらは「北向観音」の愛称で知られる真言宗豊山派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。寺号が示すように、長くこの地を治めた佐竹氏との縁が深いお寺である。ちなみに寺号の読み方は「さたけでら」。漢字を音読みするのが一般的な日本の寺院にあって、特徴的な読み方をするのも佐竹氏との関係故か。ちなみに愛称の北向観音は、佐竹氏が居を構える太田城の鬼門除けとしてお寺が北向きに建てられたことに由来する。

山門脇の空き地に車を置かせていただいてお参りする。境内は犬や猫が多いと聞いていたが、天気がよくないせいか一匹も見かけない。
国の重要文化財に指定されている本堂は茅葺きで、武家との関わりが深い寺らしく、飾りを極力省いた造りで、質実剛健の趣だ。一面に張られた千社札が、坂東巡礼の歴史を物語っているようである。

(2009年7月19日巡礼=茨城県常陸太田市天神林町2404)

 

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札所23番 佐白山観世音寺(佐白観音)

家に帰ろうと国道50号を西へ車を走らせていると、「坂東23番・観世音寺まで1キロ」の看板が目に入る。まだ4時過ぎだし、ダメもとでハンドルを観世音寺の方向に切る。

観世音寺は焼き物とお稲荷様で有名な笠間市にある、普門宗のお寺。本尊は秘仏の十一面観世音菩薩。
山門向かいの市営駐車場に車を止め、階段を少し上ると小さな本堂が見えてくる。本堂では20代のカップルが仲良くお勤めをしていたので、それが終わるのを待って私もお経を上げる。

この札所の名物は、何といってもご住職。坂東札所会の理事長も務められた方なのだが、フレンドリーな人柄で、巡礼者一人一人に麦茶を振る舞われている。お納経の時の法話も身近なことを題材にされていて、分かりやすい。美川憲一のような話し振りも、お坊さんらしくなくて面白い。巡礼者が来ないのを良いことに、ついつい30分ほど話し込んでしまった。

もう一つこのお寺でぜひ見てほしいのは、所狭しと飾られている写仏の数々。ほのぼのとした、穏やかな表情の癒やし系の仏さまの絵が並んでいる。ほとんどはお守りなどとして授与していただける。ご住職によると、その多くが「手伝いに来てくれる若い女の子」の作品なのだとか。ご住職は「写仏をする人に悪い人はいない」ともおっしゃる。写仏は最近密かなブームのようで、都内でも小岩の密蔵院などで体験できるようだ。私も1回やってみようか。
(2009年7月19日巡礼=茨城県笠間市笠間1056-1

 

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札所12番 華林山慈恩寺(慈恩寺観音)

翌日の20日は、埼玉県内の坂東札所で1つだけ残っていた、岩槻にある札所12番・慈恩寺にお参りする。我が家からは裏道経由で1時間ほどのドライブ。

慈恩寺は天台宗のお寺で、本尊は千手観世音菩薩。本堂は浅草寺並みの大伽藍である。納経所に断ってから、内陣でお勤めさせていただく。このお寺は徳川家との関係が深く、現在の本尊の千手観音も、徳川家に仕えた天海僧正が比叡山から勧請したものという。大きな伽藍もこのためか。

お納経は手伝いに来られていたお檀家の方がしてくださる。やはりお納経に来られた別のお参りの方も交え、しばし巡礼談義。善光寺へのお礼参りのことなど、いろいろと話が盛り上がった。
(2009年7月20日巡礼=埼玉県さいたま市岩槻区慈恩寺139
※慈恩寺公式ホームページはこちら

坂東三十三観音巡り(1)

お出かけ 坂東三十三観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

以前から興味があった、坂東三十三観音を回ることにした。一つくらいメジャーな霊場を回っておきたいという見栄のような要素も大きいのだが、関東全域にお札所が広がるこの霊場、私にとって「未開の地」を訪れることができるのも魅力である。

本来ならば鎌倉にある札所1番・杉本観音からお参りするのが筋なのだろうが、足の怪我が完全に治っているわけではなく、また住まいの近くに札所があるのが分かっていて後回しにするのも、何だか他人行儀。公式ホムペにも「回り方は自由」とあるし、ご近所の札所11番・吉見観音からお参りしていく。

 

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札所11番 岩殿山 安楽寺(吉見観音)

聖観世音菩薩を札所本尊とする、坂東札所11番・吉見観音にお参りするのは何回目だろうか。真言宗智山派の古刹であるこの寺は、「東国花の寺」「彩の国十二支霊場」などのお札所にもなっていて、お参りする人が絶えない。朝9時過ぎにお参りしたのだが、境内は結構な人出。「和顔愛語」のお手本のような、優しいご住職の人柄もあるのだろう。毎年6月18日の未明に行われる厄除け観音の大祭が有名なお寺なのだが、私はまだ行ったことがない。

境内では自転車で坂東巡礼をしているというお年寄りと出会う。道中ご無事でありますように。
(2009年7月12日巡礼=埼玉県比企郡吉見町御所374)

 

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札所10番 巌殿山 正法寺(岩殿観音)

東松山市の外れにある札所10番・岩殿観音は、吉見観音から車で30分足らず。大東文化大や県立子ども自然動物園の近くにあるお札所だ。広い通りに面した駐車場から「裏参道」が通っているのだが、公式ガイドブックの薦めに従い、表参道からお参りする。車だと参道の入り口が分かりにくいのが難点だ…。

こちらも真言宗智山派のお寺で、本尊は千手観世音菩薩。香炉の前に鐘があったので、一つ撞いてからお参りする。こちらも参拝者が多い。おまけにこの日は団体参拝があるようで、お寺の方は準備に懸命のご様子だった。
(2009年7月12日巡礼=埼玉県東松山市岩殿1229)

 

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札所9番 都幾山 慈光寺

途中で昼飯(別稿)を食べてから、今日の打ち納めとなる札所9番の慈光寺へ。カーブのきつい狭い山道をウネウネと登るが、交通量が多く気を使う運転になる。

慈光寺は天台宗のお寺で、札所本尊は十一面千手千眼観世音菩薩。札所本尊を祀る観音堂は本堂との高低差が結構あって、息を切らしながら石畳の道を登る。道の険しさは、その昔には天台宗の修行道場だったことの名残なのだろうか。宝物殿を拝観しながら、午後の納経受付が始まるのを待つ。

このお寺、坂東札所の「隠れた難所」として巡礼者の間では有名らしい。現在は山門のすぐ脇まで車道が通じているし麓からのバス便もあるので、道が険しいという意味の難所ではない。江戸観音にも一つ同じようなお札所があるのだが、ここの老僧はお説教好きで知られていて、何かあるとお納経の時にお説教が始まるので、「隠れた難所」として親しまれている?らしい。

お納経の時に住所や氏名、年齢を記帳するのがこの札所の決まりなのだが、「42」とか書くと、確率250%で「あなたは天才か?」などのお説教が始まる。よく見ると、納経所の机には「才は天才、才媛…年齢は歳を使え」と注意書きが張ってある。私はネットで事前に情報を入手していたので、もちろん「歳」と書いたことはいうまでもない。私の前に納経していた人はほぼ全員がお説教を受けていたが、何故か私はフリーパス。「輪袈裟に白衣、菅笠」の巡礼姿でお勤めを老僧の前でしたせいなのか、それとも単に風体が怪しすぎるせいなのか、真相は仏さまと老僧のみが知るところであるw
(2009年7月12日巡礼=埼玉県比企郡ときがわ町西平386

江戸観音巡礼を再発願

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 江戸三十三観音 観音霊場 霊場巡礼

春にお参りした、「昭和新撰江戸三十三観音」巡礼を再発願した。お守り代わりに、納経帳を両親に持っていてもらおうとの思いからである。

前回の巡礼で様子は分かっているし、豊島八十八カ所の霊場と隣接しているお札所もあるので、回りやすいコースでお参りしていこうと思う。今回は各札所で写経もお納めする。

とりあえず昨日の土曜日(20日)は、1番浅草寺→2番清水寺→3番大観音→5番大安楽寺→7番心城院→6番清水観音堂の順でお参り。

浅草寺は本堂改修工事の関係で、朱印所が雷門から見て本堂の左側奥にある「影向堂」(生まれ年本尊を祀るお堂)内に移っているので、御注意を。お写経は通常通り本堂内陣の入り口の警備の方が受け取ってくださる。

前回の巡礼と何か変わったことがあったら、順次お伝えしていこうと思う。

円覚寺百観音めぐり(7)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

朝から雨が降ったり時折強い風が吹いたりとあいにくの天気だが、近くの「大本山円覚寺百観音霊場」札所にお参りしてきた。

 

札所44番 吉祥寺

今回訪ねたのは、埼玉県栗橋町にある札所44番・吉祥寺。国道125号の高柳交差点の近くで、拙宅からは車で50分ほどである。

実はこのお寺には、大型連休前にも一度訪れている。その時は境内整備のためお参りできないとのことで、今回は事前に御都合を伺ってからあらためて巡礼した次第。

百観音専用の納経帳や札所案内のパンフレットに「TEL:なし」と書かれているように、このお寺は無住札所。お別当は高柳交差点に面した同じ円覚寺派の寶聚寺が務めていて、今回のお参りも前もって寶聚寺に伺う。法事を終えたばかりの若い御住職が待っていて下さり、少し離れた場所に札所があるので、檀家の方に案内して頂けるという。ありがたい限りだ。

境内での作務の手を休めて吉祥寺まで案内してくださったのは、「顔立ちが整った美人」という趣の、私より少し年上に見える女性。寶聚寺から数百メートル西に向かい、あぜ道や民家の敷地内を入った奥まった場所に、目指す吉祥寺がある。

ある札所の御住職から「あそこはお堂というより祠に近い」と伺っていたが、100メートル四方ほどの草刈りしたばかりの境内地のほぼ中央に広さ3畳ほどの小さなお堂が建っている。案内していただいた檀家の方がお堂の鍵を開けて下さり、本尊の聖観世音菩薩を拝むことができた。
観音さまは総高30センチほどの木像だろうか。黒く彩色されていて、玉眼入りの堂々とした風貌である。古びたお厨子が年月を感じさせ、檀家の方によれば「観音さまが作られてから400年ほど経っているのでは」とのことである。

吉祥寺は寶聚寺の隠居寺として、17世紀の初めに創建されたものらしい。古来よりこの周辺は水害が絶えない地だが、地域の人々の暮らしを守ってきた観音さまということだろうか。普通なら別の場所に移されて祀られるケースだが、こうして開基の地に祀られ続けているのは、地域の信仰の深さなるが故のことだろう。ちなみに、お別当の寶聚寺は足利一族との関係が深いお寺である。

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先に書いたように、吉祥寺は公道から直接入れず、民家の敷地内や田んぼの横を通らないとたどり着けない。一部の地図サイトでは住所を入れるとほぼ正確な場所が表示されるが、無断でのお参りはお寺や近隣の方に迷惑を掛けることになる。お参りの際は、必ず事前に寶聚寺に連絡して、日時などを打ち合わせてお寺の指示に従ってほしい。
また、このような事情があるため今回は写真の撮影をしていないことをお断りしておく。
(吉祥寺 埼玉県北葛飾郡栗橋町高柳1969)

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