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足立坂東観音めぐり(2)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音 霊場巡礼

5日の日曜日は、足立坂東観音霊場の御開帳の初日。この日は、見沼田んぼ周辺のお札所を中心に回る。

この辺りは公共交通が不便で、あったとしてもJRや地下鉄(埼玉高速鉄道)の駅に向かうものが大半。観音さま巡礼に使えるものではなく、今回は車を使って回る。また、限られた時間で効率よく回るため、巡礼コースはできるだけ一筆書きになるように組んだ。そのため、札所番号順になっていないことをお断りしておく。

 

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札所3番 富岡山瑞岸寺

さすがに日曜日の朝は道が空いている。裏道を使わずに国道17号を南下してJR浦和駅に近い札所3番の瑞岸寺に向かうが、家を出てからちょうど1時間で着いた。

瑞岸寺は、「本太観音堂」の通称で知られる天台宗のお堂で、本尊は聖観世音菩薩。現在は無住で、近くにある延命寺の境外仏堂扱いのようだ。周囲の掲示物もすべて延命寺名義である。

こちらの本尊は、さいたま市の指定有形文化財になっている。総高65.7センチの玉眼入り寄木造で、南北朝時代の作とされる。また、1840(天保11)年のものなど3枚の連経講(観音講)絵馬も、同様に文化財指定されている。

残念だったのは、瑞岸寺は今回の中開帳を「辞退」していることだ。御朱印の対応もなし。従って境内には回向柱や善の綱もないし、御開帳を知らせるポスターさえ見当たらない。本堂の扉は固く閉ざされていて、お賽銭を入れるようにガラスを切ってある所から中を覗くと、お堂の内部は前回2002年の総開帳の時のままのようで、御詠歌を書いた紙が、やや変色した状態で張られていた。燭台には途中で消された蝋燭が付いたままになっている。扁額の隅に小さく書かれた「足立坂東三番」の文字だけが、ここが観音札所であることを示している。

ある札所で、3番の開帳辞退について「高齢化で堂守の人手のやりくりがつかなかったようだ」とも聞いたが、瑞岸寺は浦和周辺に住む人にとって足立坂東の第一印象になる札所である。何より、御開帳は干支が一回りする間に2回しかない、観音さまとご縁を結ぶ貴重な機会。堂守の人手のやりくりがつかなかったのが事実としても、お別当の延命寺では御開帳終了の翌日にジャズ奏者の坂田明氏らを招いて盛大に花祭りの法要を行うのだから、書き置き朱印やごく限られた時間などの開帳など、違った対応ができたのではないかと残念でならない。
ボランティア的な観音講を作って、そちらが対応するわけにはいかないか。私は喜んで参加する。

【御詠歌】うへてみよ とみをかやまのふじがえも
                                             はなのうてなは むらさきのくも

(2009年4月5日巡礼=さいたま市浦和区本太2-23-5)
※瑞岸寺の地図はこちら

 

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札所5番 馬場観音堂

気を取り直して、札所5番の馬場観音堂に向けて車のハンドルを握る。駒場スタジアムの近くを通って、札所3番からは車で15分ほどか。区画整理が進んだ、住宅と農地が混在する一角にある。

馬場観音堂は、「三室堂」の通称で親しまれるお堂。一応天台宗に属しているが、実質は地区で管理する集会所兼用のお堂で、本尊の聖観世音菩薩はその一角に祀られている。

お伺いすると、別当寺の御住職による開帳法要がちょうど終わったところで、地区の方々と御住職が一緒になって内部の飾り付けを直されていた。前回の御開帳から7年が経つわけで、当時の記憶が薄れてしまっていてもやむを得まい。御朱印は私が第1号のようで、「やり方を教えてほしい」と言われ、御住職に確認しながら墨書のゴム印と札所番号の朱印を押す。本来あるはずの「御宝印」が見当たらず、菱形の札所番号印を中央に押す。以前、火災に遭った時に焼けてしまい、その後は御宝印を作らなかったらしい。

【御詠歌】こよいしも しんによのつきを みむろどう
                                                               くもゝさはりも はらふあきかぜ

(2009年4月5日巡礼=さいたま市緑区馬場2-38-3)
※馬場観音堂の地図はこちら

 

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札所4番 太田窪山普門寺

馬場観音堂から南に下り、札所4番の普門寺に向かう。浦和競馬場の真裏にあたる奥まった場所にあるが、見当をつけて適当に街道から路地に入ると、程なく札所への道案内があった。私のような余所者の巡礼者にとって、何よりありがたいお接待である。

太田窪(だいたくぼ)山普門寺は地区で管理するお堂で、本尊は千手観世音菩薩。
こちらでは、これまでの札所で見かけなかった札所の案内図やガイドブック、御詠歌集などを扱っていた。いい機会なので、一揃い求める。特に御詠歌集は、その後の巡礼で重宝した。

御朱印を頂くとき、集印帳をどこで求めたか尋ねられる。今回も例によって鳩居堂で求めた品を使っているのでその旨伝えると、「やはりあそこしかないんですかね」という言葉が返ってきた。無地の朱印帳で片面だけで三十三観音の集印ができる品、私が知る限り都内で扱うのは鳩居堂の限られた一部の店だけのはず。できればお札元で専用の品を授与していただけるとありがたいのだが…。

【御詠歌】なでしこの ながめにあかぬ だいたくぼ
       しめじがはらを めぐむちゝはゝ

(2009年4月5日巡礼=さいたま市南区太田窪4-9-10)
※普門寺の地図はこちら

 

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札所8番 福聚院

普門寺からさらに南に下り、8番札所の福聚院に向かう。こちらも地区で管理する集会所兼用のお堂で、本尊は正観世音菩薩。

福聚院は、馬場観音と比べるといくらかお堂らしい外観。内部は集会所としての使用を中心に考えて作られているようで、一番奥まった場所に観音さまが祀られている。こちらの札所ではお姿を頂くことができる。

【御詠歌】うどんげの みのりにいまぞ をゝやぐち
            ゆうもおろかや だいじだいひを

(2009年4月5日巡礼=さいたま市南区大谷口2295-1)
※福聚院の地図はこちら

 

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札所7番 観音院

札所7番の観音院は川口市の柳崎地籍になるが、福聚院からは車ですぐだ。

こちらは天台宗のお寺で、本尊は正観世音菩薩。入り口には「子安観世音霊場」の大きな看板が掛かる。安産や子育てに御利益のある観音さまのようである。周辺に植えられている桜は見事な花を咲かせている。

本堂でお勤めや御朱印を済ませると、檀家の方に階下の客殿に案内されてお接待。お漬物や茶菓でもてなして頂き、恐縮である。お勤めの時に御詠歌を唱えていたことから、「どこかの講に入っているのか」と尋ねられる。こちらのお寺は御詠歌の講が盛んで、御住職の奥様は天台宗ではかなり名を知られた、御詠歌の師範だという。客殿では江戸三十三観音など、あちこちの霊場巡りの話で盛り上がった。こういう触れ合いができるのが、ローカル霊場の醍醐味の一つ。メジャーな霊場ではなかなかこういう体験はできないはずだ。

【御詠歌】はるさめに いとくりかへす やなぎざき
        ながきめぐみを むすぶたのもし

(2009年4月5日巡礼=川口市柳崎4-11-30)
※観音院の地図はこちら

(4月5日巡礼分続く)

足立坂東観音めぐり(1)

お出かけ 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音 霊場巡礼

4月の5~11日に中開帳が行われる、さいたま市とその周辺に札所が広がる「足立坂東観音霊場」にお参りすることにした。

この霊場の存在を知ったのは、たまたまお参りした近所のお寺の観音堂に「足立坂東観音札所」の看板が掲げられているのを見たのがきっかけ。その時は御住職の奥様に「午年の御開帳の時でないと納経が受けられない」と伺ったのだが、ネットで調べるとこの霊場、いろいろと面白い点がある。

まず、同じ県内で巡礼路が異なる霊場に同じ名前が付けられていること。そう、「足立坂東観音霊場」は、埼玉県内に2カ所あるのである。

一つは、桶川市の古刹・知足院を1番札所に、JR高崎線やニューシャトル(埼玉新都市交通)の沿線を回ってさいたま市北区の満福寺を33番札所にするもので、1702(元禄15)年の開創とされる。こちらの札元は知足院。
もう一つは、その満福寺を1番札所に、蕨市の定正寺を33番札所にする番外2カ寺を含む35のお寺からなる巡礼路で、こちらは1705(宝永2)年の開創とされる。後者の札元は定正寺。

で、ここまで書くとお分かりだろうが「同じ名前の異なる霊場」で、両方の札所を兼ねているお寺があるのも面白い。ちなみに、私がたまたま発見した「足立坂東」は前者の知足院が札元の方で、今回お参りするのは後者の定正寺が札元の方である。

この足立坂東観音霊場、さいたま市とその周辺に札所が点在している(札所一覧と地図はこちら)。ご開帳は午年の本開帳と丑年の中開帳である。この辺の観音霊場や薬師霊場は地区で管理しているお堂が札所になっているケースが多く、この機会を逃すと次の御開帳までお参りできないケースも考えられる。このチャンスにぜひ回っておきたいと考え、正確な御開帳期間の把握など準備を進めた。

 

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札所1番 楽邦山満福寺

何はともあれ、せっかくの御開帳だし1番札所から回るのが筋というもの。ただし、御開帳期間中の休みは公休の2日間と有給1日が確保できたのみで、この3日間だけで番外を含め35ある札所を全部回るのは、これまでの巡礼の経験から考えるとかなり厳しいというか、まず不可能。そこで一計を案じ、前もって有住の札所をいくつかお参りすることにした。

札所1番の満福寺は地籍は日進町だが、公共交通機関で行くなら大宮からニューシャトルに乗って、鉄道博物館前で降りた方がいくらか便利かもしれない。こちらは真言宗智山派のお寺で、札所本尊(脇本尊)は正観世音菩薩である。ちなみにお寺の本尊は不動明王。

満福寺では本堂の大普請が始まっていて、現在は基礎がほぼ出来上がった段階。札所本尊の観音さまは京都の仏師へ修理に出しているとのことで、今回は御開帳を見合わせるとのこと。やむを得ないが、本堂の方を向いてお勤めをして、仮の本堂となっている庫裏で御朱印を頂く。

ここが2つの「足立坂東観音霊場」の札所を兼ねているのは、どうやら明治維新のときの廃仏毀釈に端を発しているらしい。これから回る方の足立坂東観音霊場の1番札所は、もともとは大宮氷川神社の別当だった観音寺で、観音寺が廃寺になる際、法縁(お寺の親戚)だった満福寺に本尊や札所をすべて移したことでこちらが札所1番を兼ねることになったようである。

工事中の境内には、当時の遺構と思われる石碑が無造作に積み上げられたりしている。それらを見ながら、当時に思いを馳せるのも一興だろう。

【御詠歌】ふだらくや ねがいもかなう まんぷくじ
                                  いつもたへせぬ のりのともしび

(2009年3月29日巡礼=さいたま市北区日進町2-1003)
※満福寺の地図はこちら

 

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札所10番 大谷場宝性寺

札所10番の宝性寺は、JR京浜東北線と武蔵野線が接続する交通の要衝、南浦和駅のすぐそばにあるお寺。京浜東北線などからはこのお寺の大きな看板が見えるので、ご存じの方も多いかもしれない。

こちらは真言宗智山派のお寺で、本尊は聖観世音菩薩。本堂には足立坂東観音のほか、お不動様や新四国霊場の扁額が掛かる。大きいとはいえないお堂だが、いろいろと由緒深いお寺のようである。
寺務所で御開帳の準備をされていた御住職が、仕事の手を休めて対応をしてくださった。有難い限りである。

【御詠歌】しらまゆみ かりにいるみの やばやぐも
                          おぼへずあたる のりのおしへに

(2009年4月4日巡礼=さいたま市南区南本町2-13-4)
※宝性寺の地図はこちら

 

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札所23番 無動山妙智院観音寺

南浦和から赤羽経由で、札所23番観音寺最寄りのJR埼京線の北赤羽駅に向かう。目指す観音寺へは、北赤羽駅の浮間口から歩いて10分ほどか。

こちらは足立坂東霊場で、唯一東京都内にある札所。といっても、もともとこの辺りは現在の埼玉県に属していたらしいから、足立坂東の札所に名を連ねていても当然か。真言宗智山派のお寺で、札所本尊の聖観世音菩薩は独立した観音堂に祀られている(お寺の本尊は不動明王)。

観音堂の前には回向柱が建てられ、善の綱が既に結ばれていた。境内入り口にある桜が見事。

【御詠歌】きようまでは たびのかりねの うきまくら
                               かねにめざめて かへるふるさと

(2009年4月4日巡礼=東京都北区浮間4-9-2)
※観音寺の地図はこちら

 

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番外札所 園通山法福寺

一度赤羽に戻り、国際興業バスで鳩ケ谷へ。番外札所の法福寺に向かう。やや分かりにくい場所にあるが、サミットストアを目印にすると良い。

こちらは真言宗智山派のお寺で、本尊は十一面観世音菩薩。こちらも回向柱が建ち、受け入れ準備は万端のようだ。突然の参拝に対応してくださった御住職夫妻、道順のことをしきりに気にされていた。こちらは札所巡りに最適な地図を持ち歩いている旨を伝えると、ひと安心された様子。
こちらも境内の桜が見事。帰りにはお供物も頂き、恐縮する。

【御詠歌】やまざとを めぐりたづねて ゆきみれば
                         のりのふくじゆに しらたきのおと

(2009年4月4日巡礼=鳩ケ谷市里1577)
※法福寺の地図はこちら

 

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札所28番 鳩井山千手院

やや日が傾き始めたが、頑張ってもう一つ回る。札所28番の千手院は、草加市との境に程近い場所にある。この霊場唯一の曹洞宗のお寺で、本尊は千手観世音菩薩。

山門の扉は閉まっていたが、その脇から出入りできるようになっていたので、本堂の前でお勤めする。庫裏では御住職の息子さんだろうか、若い僧侶の方が対応してくださった。
山門の脇には足立坂東札所であることを示す石柱が立っている。

なお、この札所は細い路地の奥まったところにあり、自動車での参拝は困難。路上駐車は近所の方の迷惑になるので厳禁だ。近くの商店街にあるコインパーキングなどを利用するか、バスでの訪問をお勧めする。

【御詠歌】はらみつの かいのはかりに はとがやの
                             とびたつほどに おもへだいひを

(2009年4月4日巡礼=鳩ケ谷市坂下2-15-5)
※千手院の地図はこちら

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各札所の所在地は定正寺発行の「足立坂東観音霊場巡拝案内図」に、御詠歌は同「足立坂東順礼歌」に準拠している。

豊島八十八カ所巡り(1)

お出かけ 寺社巡礼 弘法大師霊場 御朱印 日記 豊島八十八カ所 霊場巡礼

江戸三十三観音巡礼を結願して、もうすぐ1カ月。次に回る都内の霊場をどこにしようか考えていたのだが、旧豊島郡(現在の板橋、練馬、北、新宿区など)のお寺を回る、四国八十八カ所の「うつし霊場」である「豊島八十八カ所」を巡礼してみることにした。

東京23区内で現在巡礼できる弘法大師霊場としては、豊島以外にも都内全域を回る「御府内八十八カ所」と多摩川沿いのお寺を巡る「玉川八十八カ所」があるし、“簡略版遍路”としては「隅田川二十一霊場」も巡礼可能のようだ。以前にも書いたように、私の都内社寺巡礼はメタボ対策のウオーキングを兼ねたもの。できるだけ歩く距離が取れる方が良いし、埼玉県北部に位置する我が家から通う便を考えると、豊島八十八カ所が一番便利が良い。1番札所に電話してみると、応対もしっかりしていて感じが良い。御府内や玉川と違って、指定の朱印帳も特にないそうだ。いつも使っている東京楠堂製の朱印帳2冊を鳩居堂で買い求め、昨日の土曜日から早速回ることにした。

ただ問題なのが、札所の並び順。本家四国八十八カ所や江戸三十三観音では、ほぼ札所番号順に回るようになっているはずだが、豊島八十八カ所は札所の順番が完全にランダム。とてもじゃないが番号順に回るわけにはいかず、札所一覧を表計算ソフトに入れて住所を基準に並べ替えた上で都内の「歩き用地図」に落とし込み、近接する札所をまとめて回る方法を取った。

 

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札所1番 武王山安養院

池袋で東武東上線に乗り換え、上板橋で降りる。家からざっと1時間半で、通勤時間とほぼ同じだ。札所1番の安養院さんは、上板橋駅南口の賑やかな商店街を抜けて、城北学園高校を目印に20分ほどの歩き。閑静な住宅街といった趣で、あちこちに植えられている桜は見ごろを迎えているものも多い。

安養院は真言宗豊山派のお寺で、本尊は阿弥陀如来。山門の前には、豊島八十八カ所の札所1番であることを示す古びた「弘法大師霊場」の石柱が立っている。境内もかなり広く、四国八十八カ所のお砂踏み霊場や西国三十三観音のうつし霊場もある。本堂左手に大師堂があったので、そちらで読経してから、本堂にもお参りする。庫裏を訪ねて御朱印をお願いする。お茶を頂き、応対してくださった御住職の奥様としばらく世間話。こういうお寺さんとの触れ合いが楽しいのは、江戸三十三観音と同じである。

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お寺の前の道に植えられている桜もまさに見ごろ。奥様の話では「桜川」の地名の通り、この辺りは桜の名所という。
(安養院 板橋区東新町2丁目30-23)
※安養院の地図はこちら

 

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札所58番 医王山荘厳寺

安養院から札所50番の長命寺に向かったのだが、お留守のようで納経ができず、来た道を半ば戻る形で札所58番の荘厳寺に向かう。途中の桜並木もきれいに咲いていて、心が和まされる。安養院からまっすぐ歩けば、15~20分ほどか。長命寺には改めてお参りすることにした。

荘厳寺も境内はかなり広い。近所の方だろうか、お参りする人が多い。お庭も手入れが行き届いている。こちらは真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。庫裏の玄関横に簡単な納経所が設えてあって、呼び鈴を押すとそちらを開けて納経の対応をして頂いた。御住職が不在とのことで書き置き対応だったが、こちらは大小2種類の用紙を用意してある。紙質もクリーム色のちょっと珍しいもの。

参道入り口の所には法話の掲示板があるが、よくある本山で印刷したものではなく、御住職の直筆と思われる長文が張り出されている。人間が何も持たずに生まれてくることを例えに、昨今の経済状況への対応について述べられている。確かに、今の不況は人間の欲が暴走した結果引き起こしたもの。厳しくも温かく励ます文面に感心する。
(荘厳寺 練馬区氷川台3丁目14-26)
※荘厳寺の地図はこちら

 

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札所10番 大明山光傳寺

札所10番の光傳寺へは、荘厳寺から地下鉄の氷川台駅方向へ歩いて10分ほど。ただ、入り口がバス通りに面しておらず、墓地の塀を目印に路地をぐるっと回り込む形になるので、ちょっと迷うかもしれない。

光傳寺は真言宗豊山派のお寺で、本尊は不動明王。本堂前には練馬区の登録天然記念物になっている、コウヤマキの巨木がそびえ立つ。境内にはこれも区の登録文化財になっている三十三観音菩薩像などが祀られている。

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本堂左側には豊島八十八カ所の札所であることを示す細長い扁額が掲げられているが、その反対側には「豊島廿一カ所第十番」などと書かれた、明治と大正の年号入りの扁額が下がっている。田上善夫氏の論文や手元にある「全国霊場巡拝事典」(大法輪閣)によると豊島八十八カ所は1908(明治41)年に開創された由だが、札所番号も同じだし、何となく気になる。

納経の時に御住職に伺うと、豊島八十八カ所が開創される前、「豊島二十一カ所」という弘法大師霊場があり、件の扁額はその名残だとか。豊島八十八カ所は、その二十一カ所霊場の札所を受け継ぎ、22番以降を加えて開創されたものという。だとすれば札所番号が巡礼路にかかわらずランダムに振られているのも納得できる。
ただ、この2枚の扁額はいずれも豊島八十八カ所の開創以降に奉納されたもの。この巡礼路が四国うつしの八十八カ所として認知されるまで、時間が掛かったということか。

賽銭箱には、来月16日に開かれる寄席の案内が張ってあった。定期的に行われているもののようで、地域と密着したお寺なのだろう。
(光傳寺 東京都練馬区氷川台3丁目24-4)
※光傳寺の地図はこちら

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回り始めがお昼になってしまったこともあり、今回は3カ寺で打ち納め。円覚寺百観音を回る時に騎西の龍興寺の御住職がおっしゃられたように、ガツガツせずのんびり結願を目指そうと思う。

また、お参りを終えて何気なく岡山の山陽新聞のホムペを見ていたら、私が学生時代にお世話になったベテラン記者による本四国巡礼のルポが始まっていた。長いことお目にかかっていないが、感謝と遍路の無事を祈って、トラックバックさせていただく。無事の結願を祈ります>横田様

定額給付金申請書キタ━━━(゜∀゜)━━━

日記

豊島八十八カ所巡り(後述)から帰宅して、自宅のポストを開けると、「定額給付金申請書在中」と書かれた市役所からの郵便が届いていた。

早速開封してみたが、記入とか証明書類のコピーとか意外に面倒臭い。
振り込み先の口座確認用の通帳コピーも必要なんだが、漏れが持っている口座って、ほとんどが通帳レスのタイプ。銀行によってはこうしておくと機械の手数料が安くなるからなんだが…こういう時には不便。

結局通常使う口座で唯一通帳がある郵便貯金を指定することにしたが、振り込みが遅くなるらしい。普通の銀行と同じように振り込みができるようになっているはずなのだが、どういうことなんだろうか。

ぜいたくな悩み(笑)

七福神 寺社巡礼 日記 観音霊場 足立坂東三十三観音

東京都心部では昨日、早々と桜の開花宣言。どうも各地とも大幅に桜の開花が早まりそうだ。
ここ数年、花見の時期には長野県の高遠に出掛けるのを常にしているので、気象台の参考情報を見ると…昨年より1週間、平年に比べると2週間近く早い、4月2日の開花予想。

ありゃりゃ…ダブルブッキングだ
というのも、来月の5~11日は、さいたま市周辺の巡礼路「足立坂東三十三観音」の中開帳なんである。名前から察しがつく通り、坂東三十三観音の「うつし霊場」なのだが、江戸や本家坂東と違って、こちらは大半の札所が地区で管理する観音堂。御開帳期間でないとお参りすらできない札所がある可能性も否定できない…。こちらの三十三観音の御開帳は午年の「総開帳」と丑年の「中開帳」だけ。したがって今回の機会を逃すと次のチャンスは5年後ということになる。この機会にぜひお参りしたい。

というわけで、今年は高遠へのお花見は中止。お花見の時は木曽七福神伊那七福神にもお参りしたかったのだが、こちらはまたの機会ということか。木曽や伊那の七福神は御住職の法話など独自のお接待があるようで、いつか訪ねたい。

飛鳥山公園でプチ花見

お出かけ 日記

今日は朝から快晴。東京都北区の中央図書館で調べ物があったので、帰りに都内城北地区のお花見スポットとして知られる飛鳥山公園に出掛けてきた。住まいに戻ってから気づいたのだが、東京で桜の開花宣言が出ていたんだな…。

図書館から飛鳥山公園までは歩いて20分足らず。エスカレーターの設置工事とかで、JR王子駅側の入り口が使えず、結構遠回りさせられる。
公園内は近所の子どもたちの遊び場になっているようで、親子連れらで結構な人出。桜はまだほとんどがつぼみだったが、都電荒川線の線路側の広場で、山桜が1本だけ見ごろになっていた。

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個人的には、ソメイヨシノ系より山桜の方が好み。

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春彼岸でお寺さんは書き入れ時なので、霊場めぐりは今週はお休みだw

分かりにくくなった車の保険

日記

勤めから帰宅すると、ポストに車の保険会社からの大きな封筒。間もなく任意保険の更新時期なんだが、その案内かと思って封を開けると、商品内容を変更する旨の通知と、その内容を解説する結構厚いパンフレット。更新の案内自体は、別便で担当の代理店から来るそうだ。

早速中身に目を通すが…分かりにくい。特約の内容が見直されたり、保障の内容を細分化しているっぽいが、どういう場合にどういう保障が得られるのか、望む保障内容に応じてどういう特約を付ければよいのか、何度読んでも見えてこない。ホムペではパンフに比べて少しは分かりやすいのだが…。

いつもの契約更新なら簡単なメールのやり取りで終わっているのだが、今回に限っては以前にも増してきちんと確認しないといけない。ちょっと面倒臭いがw

円覚寺百観音めぐり(5)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

日曜日(15日)の「大本山円覚寺百観音霊場」巡りの続き。
札所7~9番は円覚寺山外の札所になる。

 

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札所7番 松岡山東慶寺

円覚寺の総門を出て、JR横須賀線の踏切を渡ると、札所7番の東慶寺はすぐそこ。「縁切り寺」と書いた方が分かりやすいだろうか。そう、現在は私がかつて暮らしていた諏訪市に居を構える、あの歌手のヒットソングのタイトルになっているお寺だ(はっきり書きたいのだが某著作権管理団体への許諾申請が烈しく面倒臭いので)。但し現在は男僧のお寺である。

東慶寺の本尊は釈迦如来で、札所本尊は聖観世音菩薩。私が訪れたときは宝物殿に当たる「松ヶ岡宝蔵」で一般公開されていた(5月末まで)。観音さまの横には、きちんと御詠歌入りの鎌倉三十三観音の扁額が掲げられていた。

境内はお庭がきれい。ここは「東国花の寺」の札所にもなっていて、四季それぞれにお花が楽しめる。入り口の脇にあるヒガンザクラがもう咲き始めていた。今度はイワタバコや花菖蒲の時期に、花の寺巡礼でお参りしよう。 境内の茶室では、若い女性が集まりお茶会を催していた。
(神奈川県鎌倉市山ノ内1367)
※東慶寺公式ホームページはこちら。(公式ブログもあり)

 

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札所8番 金宝山浄智寺

東慶寺を出て、鎌倉街道を市街地方向に少し進み、案内板に従ってJR横須賀線の踏切の手前で右折。だらだら坂を上っていくと、程なく札所8番の浄智寺に着く。

このお寺の本尊は阿弥陀如来など3体で、札所本尊は聖観世音菩薩。観音さまは本堂の裏手の一角を仕切ってお祀りされている。こちらのお寺も鎌倉三十三観音の札所になっていて、観音堂には御詠歌入りの扁額が掛かっている。

山門を入ったときの印象とは裏腹に、このお寺の境内は結構広い。源氏山に食い込んだ谷がそれだけ深いということか。拝観コースは境内の縁をなぞるように造られているので、結構歩き甲斐がある。一番奥まったところにはシイタケの原木がたくさん並べてあって、肉厚でいい感じのシイタケが何本も生えているw 途中には布袋様も祀ってあって、掲示の通りにお腹を撫ぜてきたが、御利益はあるだろうか。
(神奈川県鎌倉市山ノ内1402)

 

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札所9番 錦屏山瑞泉寺

鎌倉市内の札所では、9番の瑞泉寺だけがほかの札所と離れている。鎌倉宮からさらに山側に15分ほど歩いたところにある。地図で見ると坂東三十三観音や鎌倉三十三観音の発願札所になっている杉本寺(杉本観音)からそう遠くない。

札所本尊は千手観世音菩薩。本堂裏手にある崖を利用した「石庭」は必見。お参りの後にゆっくり見たかったのだが、訪れた時はあいにく某県の「歩け歩けの会」が団体参拝中で、急き立てられるようにお庭を後にした。このご一行は参拝マナーも決して褒められたものではなく、結構なお年の人ばかりだったのにちょっと残念。
(神奈川県鎌倉市二階堂710)

円覚寺百観音めぐり(4)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場 霊場巡礼

鎌倉の円覚寺百観音巡りの続き。

 

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札所4番 佛日庵

札所4番の佛日庵は、続燈庵から少し参道を下ったところにある。円覚寺の塔頭では数少ない、外来者ウエルカムのお寺だ。こちらは、円覚寺のとは別に拝観料がかかる。拝観だけの料金とお抹茶付き料金の2本立てで、小腹も空いていたし後者を選び、木戸で500円を支払う。

佛日庵は、円覚寺を開基した北条時宗の廟所として知られる。札所本尊の十一面観世音菩薩坐像は、本堂ではなく廟所にお祀りされている。お抹茶を頂いてから心行くまでお参りする。

こちらは、写経を納めないとお参りすらできないお寺があるなど、「難所」が多いことで知られる鎌倉三十三観音の結願札所にもなっている。朱印所で私のすぐ後ろに並んだ中年カップルは、「結願です」とにこやかに納経所を預かる女性に声を掛けていた。私も「おめでとうございます」と声を掛ける。あちらは、私が手にしていた納経帳に興味があるようで、朱印所で何か聞いていた。
(佛日庵 神奈川県鎌倉市山ノ内434)

 

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札所5番 南山寿徳庵

札所5番の寿徳庵は、佛日庵からさらに少し参道を下り、札所の看板を目印に急な石段を登ったところにある。こちらは札所3番と同じく、「寺用の方以外お断り」の掲示があるのだが、後ろがいやに騒がしいと思って振り返ると、日本人ガイド?に引率された外国人グループが後をついてくる。嫌な予感がしたが、件のグループは案の定、山門のところで御住職に追い返されていた。日本人がついているんだから、注意くらいすれば良いのだが、ひょっとして(以下自粛)。私は百観音参りの来意を伝えると中に入れて頂け、「本堂でお参りしてください」とのことで、お言葉に甘える。

こちらは、戦国の世に当地周辺を治めていた三浦一族との関係が深いお寺。札所本尊は室町時代の作とされる聖観世音菩薩。両手で長い蓮の花を持つ仕草が印象的だ。
(寿徳庵 神奈川県鎌倉市山ノ内444)

 

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札所6番 龍隠庵

結願札所を別にして円覚寺山内での打ち納めとなる札所6番の龍隠庵は、札所1番の横の小道を入って、九十九折の石段を登った小高い場所にある。

石段を登りきると、まさしく庵という感じの建物の隅に観音さまが安置されていて、その前には茣蓙が敷かれていて、お茶のお接待もある。茣蓙に上がってお参りしても構わないかと思って、お寺の人を呼ぼうと鐘を鳴らすと程なく人の良さそうな作務衣姿の若い僧侶の方が出てきた。百観音参りの来意を告げると、こちらでも「本堂でお参りしてください」とのことで少し離れた本堂に案内される。

札所本尊の聖観世音菩薩は丈が30~40センチほどだろうか。わざわざお灯明をつけて下さり、焼香してから読経する。読経が終わって御朱印が出来上がるのを待っていると、先ほどの若い僧侶の方が、お抹茶とお菓子を持ってきて下さった。僅かな納経代だけで申し訳ない…と思いながら頂き、いろいろと話が弾む。程なく御住職もお見えになり、百観音参りを始めた経緯をお話しして、いろいろとアドバイスを頂戴する。まだ回っていない札所でも無住のところなど「難所」があるようだ。「頑張って回りなさい」と励ましの言葉も掛けていただき、ありがたい限り。
あまりのお接待に、お寺を後にするとき賽銭箱の中に気持ちばかりの金額を改めて入れる。
こちらはいろいろな催しもあるようなので、また来たい。本当にいいお寺である。
(龍隠庵 神奈川県鎌倉市山ノ内450)

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円覚寺山外にある札所7~9番は、別稿で。

円覚寺百観音霊場めぐり(3)

お出かけ 円覚寺百観音 寺社巡礼 御朱印 日記 観音霊場

昨日の土曜日から空模様は一転して、雲一つない青空が広がる絶好のお出かけ日和。「大本山円覚寺百観音霊場」巡りの続きに出掛ける。

 

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札所1番 瑞鹿山円覚寺

円覚寺百観音巡礼記のその1に書いた通りの事情で、発願寺はわが家から近い騎西町の龍興寺さんに定めたのだが、1番札所をいつまでも放っておくのは気分が良くない。天気も良いことだし、鎌倉まで遠出をしてみたw

JR北鎌倉駅の下りホーム先端にある臨時改札を出ると、程なく円覚寺の総門に着く。ここで拝観料300円也を払って、境内へ。木戸のすぐ先に朱印所がある。話を聞くと件数が多く結構時間が掛かるようなので、先に納経帳を預けてから札所1番にお参りする。

こちらの札所本尊は大慈大悲観世音菩薩。お寺の本尊である釈迦如来を祀る仏殿のすぐそばにある、「選佛場」に観音さまが祀られている。選佛場は僧侶が座禅を組むためのお堂。写真の通り結構な人出で、他の人の邪魔にならぬように通路の一番端で読経する。観光地化されているし致し方ないのだろうが、手も合わせずに観音さまだけ「見仏」して帰る人の多いこと…数珠を手に読経する私を怪訝な表情で見る人もいるくらいだ…怪しい風体なのは認めざるを得ないがねwww
(円覚寺 神奈川県鎌倉市山ノ内409)
※円覚寺ホームページはこちら

 

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札所2番 伝衣山黄梅院

札所2~6番は、円覚寺山内にある塔頭寺院。札所2番の黄梅院は、その中でも一番奥まった場所にある。歩く距離も高低差も結構あり、円覚寺の広さを実感。

黄梅院の札所本尊は千手観世音菩薩と聖観世音菩薩の2体。いずれも本堂に安置されていて通常は拝むことができないようだが、「お前立ち」ということだろうか、境内にある観音堂には別の聖観音がお祀りされている。
札所の看板はあるのだが、納経所を示す類のものがない。本堂の玄関を訪ねたら、こちらで正解だった。「よくお参りです」と声を掛けていただき、御朱印を頂けた。

別の札所で聞いたのだが、黄梅院の御住職は山内の要職も務められているようで、お留守のことが多いらしい。「一度で御朱印を頂けるとは運がいいですよ」とのことだが、これも観音さまの御加護だろうか。
(黄梅院 神奈川県鎌倉市山ノ内428)

 

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札所3番 万富山続燈庵

黄梅院から参道を少し下りて、札所の看板を目印に石段を上がったところに札所3番の続燈庵がある。
石段の横には「寺用の方以外はお断り」の掲示があるが、「百観音巡りは大丈夫だろう」と思って石段を上がる。本堂のガラス戸が開いていて観音さまを拝めたので、外から読経して本堂の玄関で来意を告げても、人の気配がしない。しばらくすると、本堂奥の墓地などがあるところから「お参りですか?」と作業服姿の男性がこちらに声を掛けてくれる。その方が御住職だった。

本堂に上がってお参りしてほしいとのことで、御住職の仕事を止めさせて申し訳ないと思いつつ、お言葉に甘える。こちらの札所本尊は聖観世音菩薩だが、童女のような可愛らしい表情をしている。南北朝時代の作とのことで、このお寺が関東大震災の被害にあった際に、法類(お寺の親戚関係のようなもの)に当たる札所7番の東慶寺から奉安されたものと御住職は説明してくださった。

百観音霊場を知ったきっかけなど、いろいろと話が弾む。こちらの御住職、龍興寺の御住職とも親しいようである。何としても結願しなければと気が引き締まる。
(続燈庵 神奈川県鎌倉市山ノ内431)

長くなるので続きは別記事で。

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